よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

どのように生きていくのか

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 私たちは毎日なんらかの予定に基づき行動しています。

 

 月次で管理しているケースであれば、ある月には日々どのような予定があり、その予定のために何を準備すべきなのかを検討。決めたことに従って行動し、当日を迎えるといった毎日を送っているのです。

 

 もちろん、週末、あるいは明日から仕事が始まるという休日の夜には、翌週の行動を見直し準備が完了していているのかどうかを確認することも常態です。

 

 朝、目覚め、起床して身支度をし、自宅や宿泊先を出て、仕事場に着きます。

   

 仕事を始めると、時間の大きなながれのなかで、自分をコントロールしていかなければなりません。一日のスケジュールで行うべきことを列挙し、必要時間と行うべきことの質を意識しながら(又、すっかり忘れていた、やらなければならないことを思い出したり、突発的な事柄についてもシューティンングゲームのように、クリヤーして)なんとか一つ一つの仕事をこなしていきます。

 

 うまくできたこともうまくできなかったこともあり不満だったり満足が交錯して時間が経過します。満足か不満足かのどちらに比重があるのかにより、一日の達成感を感じられるか、感じられないかが決定されますが、結局は一日の仕事が終われば、反省しつつも、その日の組織人としての一日の終わりとなります(もちろん精神的には弛緩できず、心のどこかでは仕事を引きずっている人も多いと思います)。

 

 こうして毎日が、毎週が、そして毎月が足早に過ぎていきます。

 

 気づけば1年があっという間であったと、複雑な気持ちになる日もやってきます。それが5年、10年と続き、もうこんな歳になったんだなと、自分を振り返り、嬉しかったり哀しくなったりする経験が誰にでもあると思います。

 

 そうしてみると、いかに1日が、そして1時間が大事なのか、心底からそう思います。年間の計画、1ヶ月の計画、そして日々何をするのかを決めて着実にそれをこなしている人と、それができていない人との差が大きく生まれます。

 

 必要なのは、「何をしたい」という強い思い、そして「計画性」と「実行力」です。

 強い思いをもてるのか、計画を適切に立案できているのか、さらに決めたことが実行できるかどうかで、成果が決まります。

 

強い思いは信念に昇華されているか、計画は無理なく着実に到達点に届く計画として仕上がっているのか、そして日々精神力を維持しながら、不摂生をせず健康を維持して日々を送れるかどうか、とても重要です。

 

これらのどこかに課題があり、ながれがうまくできないときには、できるだけ早くもとの道に戻れるよう、修正する必要があります。

人生にはいろいろなことがあり、計画通りに進みません。取り巻く様々な環境や、自分の精神や肉体にも、思ってもみなかったことが起こりうまく自分をコントロールできないこともあるでしょう。

 

そんなときも、一生を捧げたいと思える明確な、戻れる道をもっていることは幸せです。そこまでいかなくとも、緩やかな方向の中で今はこれをさなければならない、という程度の思いは必要ですよね。

 自分は何をしたいのか、また、何をしなければならないのかを常に考えていさえすれば「うっすら」とでも道は残っている筈です。

 

 蛇行する毎日ですが、何かしらの執着できる思いをもって生きている限り、葛藤を乗り越えあるべき生き方に近い場所にいられると信じ、今日を歩いて行こうと思います。

 

 

インバウンド戦略について

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インバウンド、アウトバウンドという言葉があります。インバウンドは「入ってくる、内向きの」という意味であり、これに対してアウトバウンドは「出ていく、外向きの」という意味です。

医療で言えばインバウンド、アウトバウンドとは、患者を外から日本に連れてくることをインバウンド、そして経産省などが進める医療、病院まるごと輸出をアウトバウンドとしています。

インバウンドは、人口が減る日本において、海外の患者に医療を提供する機会という意味で、医療の将来にとり重要な意味をもつ戦略の一つだと考えられています。

 

 首相官邸 健康・医療戦略推進本部 第1回 インバウンド・ワーキンググループでは、以下のようにインバウンド、アウトバウンドを整理しています。

(1)医療の国際展開は、日本再興戦略の柱の一つである

(2)健康・医療戦略推進本部の下に設けられた「医療国際展開タスクフォース」が、日本の医療技術・サービスを海外へ展開するいわゆるアウトバウンドと、日本の医療機関に外国からの渡航受診を受け入れるインバ ウンドを車の両輪として推進

(3)相手国の医療の質の向上に貢献するアウトバウンドをテーマとする一方で、まだ、現地での対応が難しい医療に関しては日本で受診する機会を提供することがインバウンドの目的

(4)日本にとっては、国際的な医療協力を進めるとともに、国外からの医療サービス(健診や治療・検診の受診者を受け入れることで、医療分野における技術や資本の蓄積も期待される

(5)医療の質・サ ービスの更なる向上にも繋がる好循環が生まれる可能性もある

 

また、経産省は、インバウンドの具体的な対応として、病院のための外国人受け入れ参考書において、外国人受け入れ業務、リスクの回避、価格の検討、資料・書式フォーマットについて説明し、実際の受け入れを円滑に行えるよう指導しています。

 

実際の手続きとしては、日本政府は既に医療滞在ビザの発給を開始していますが、経済産業省と観光庁が審査し登録された事業者が外国人患者の身元保証を行います。

 

登録事業者の身元保証が医療滞在ビザの発給の条件で、ビザの期間は、最長6カ月、数次ビザも可能となっていますが、治療の状況によって有効期限を3年まで延ばせることになっています。

 

まだ、日本で検診や治療を受ける外国人患者は、数万人ですが、韓国やタイと比較するとインバウンド戦略は緒に就いたばかりです。

 

大学病院の教授と話しをすると、語学がネックになることやリスクに対する体制が整備されていないので、受け入れが難しいという結論です。

大学病院としての戦略として成立していないことが分かります。

 

日本の医療制度が変化していくなかで、インバウンド戦略は政府がいう可能性をもっています。可能性のある病院における積極的な対応が望まれます。

 

             (病院・診療所マネジメント羅針盤寄稿平成2810月)

モールをつなぐ連携の絆

ここでのモールはメディカルモールをさします。いくつかの診療科が集まり、それぞれの専門分野でプライマリー医療行う場所のことです。多くの場合、そのなかに薬局が入ったり、門前に薬局が併設されます。

 

さて、モールには複数の医師が参加しますが、多くの医師はモール来てから始めて知り合うことが一般的です。過去からのつながりなく、モールで出会い、同じビルや建物の中でそれぞれが診療行為を始めます。

仲が良くなる医師も、よくならない医師もいることでしょう。

 

仲が良くなったりコミュニケーションがとれれば、相手(他科)のことを理解し、必要に応じてモール内での紹介を行うことになります。眼科の先生が、目の色や眼底の様子により内科を紹介することや、内科の診察をしながら患者の話を聞いている間に、整形疾患を疑い整形外科を紹介するといった具合です。しかし、コミュニケーションが取れなかったり、馬が合わなければ、自動的にモール内紹介は生まれないようです。

 

もちろん、各診療科においてプライマリーの領域を超えれば病院に情報提供を行うことは当然ですが、自分の出身病院以外の病院の医師を近隣で知らなければ、しばらくは紹介先が限定されることになります。

 

MSやMRがその仲介を行ったり、情報提供を行うことは多いと思いますが、モール内部や外部における診診連携や病診連携、増患対策を支援するチームはモールや運営会社にはほとんどありません。

モールを開設する主体が、モールのハードだけではなく、運営のソフト、とりわけ連携についてしっかり支援できる機能をもつことが必要です。

 

 カンファレンス開催支援によるモール診療所間の連携を強化することや、また、モール外の診療所や病院への営業を行い連携強化を諮ることもその機能ですし、モールに入る各診療所の患者数や来院地域、年齢、男女比など構造を分析し、不足する年齢層や、少ない通院エリアを特定し、マーケティングにより、エリアにある病院や他の診療所の分析を行い、どんな特徴や機能、優位性をもてばモールに来院してもらえるのか企画し、提案を行うことなどが、それらです。

 

 また、モール内で地域住民にとり役に立つイベントを行い、評価されて集患する活動を積み上げていかなければなりません。

 

モール内外の連携をつくり出すことにより、当該モールに行けば、どのような診療科もカバーできるし、何かあれば親身になって必要な医療機関を紹介してくれると評価され、モールの価値を高め、モールを病院の外来に代替する、プライマリケアの砦としていくことが求められています。

役に立つ内外戦略の立て方

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      戦略とは、簡単にいえば闘いに勝つための計画をいいます。

 どうすれば闘いに勝てるのかを考えずに、ただ毎日懸命に日々をこなすことを「仕事」とする医療機関があるとすれば、とても危険です。

 

 医療環境をマクロでみれば患者は減り、診療報酬の先行きは不透明で、医療を取り巻く環境は益々劣悪になっているからです。

 

 他の医療機関に勝つ(比較優位をもつ)ための課題を明確にして、その課題を一つひとつクリヤーしていかなければなりません。

 もちろん他に勝つということは、同時に自分に勝つということでもあり、自院の運営上の問題を排除しなればならないことは明らかです。   

 

 課題解決のための内外戦略を立てる必要があります。

 

 まず、自院の置かれている環境で、自院は何をしなければならないのかを明確にします。地域医療機関の診療科毎の優劣を様々な観点から分析して課題を出します。

 

 さらに、自院の運営上、医療の質に関する問題点をすべて抽出し、どうすれば必要な成果を得られるか、また患者評価を得られるか、職員が成長するのかを明らかにします。

 

 内外戦略を立てるときによく利用する方法は以下のものです。

(1)マーケティングの5Pの活用とSWOT分析

競合の医療機関を決め、診療サービス内容(Product)や医療提供の方法(place)、診療単価(Price)、認知されている状況(Promotion)をスコアリングし、自院に不足するところを発見します。

 

 何よりも目立つ存在(紫の牛)(Purple cow)となる領域があるのかを見つけ、これら負けているところをどのように補完していくのかを明らかにし、補完行動の予算や行動計画を立案します。

 

 なお、上記はSWOT(強み、弱み、機会、脅威)分析を行うことにも通じます。

 

(2)日常活動で問題としてあがってきたものを整理

 外来業務を簡単にいえば、受付→診察→検査→診断→治療→会計ですし、また健診も受付→検査→診察→(内部処理)→会計といったながれがあり、入院には受付→入院→(手術)→退院がありますが、

例えば入院=病棟業務のなかにはさまざまな問題があります。

 

 人事や人間関係、物品管理、金銭管理、院内連携、病棟運営等々あらゆる問題が発生し、些細にみれば解決すべき多くの着眼があるのです。

 

 それらをすべて抽出し、網羅したうえで優先順位をつけ、どのような順番で解決していくのかを決めて計画を立案します。

 

 なお、医療機関が立案した戦略は経営方針とされ、各部署に落し込まれ、個人に割り振られて目標化され、達成に向けた活動が行われて成果を得ることになります。

 

 実際にはさらに詳細な分析や課題抽出、多様な視点からの議論は必要ですが、まずは上記の実施を念頭においた戦略立案を行うことが有用です。

 

 内部戦略として、業務改善、コスト削減、標準化や教育システムの構築、そして外部戦略としては増患対策や施設基準や加算、診療領域拡大による単価アップがテーマに上がることが多いようです。

 

 医療に限らずどの業種であっても、先の読めない時代だからこそ、徹底的な現状分析を行なった上で到達点を決め、計画立案ののち、その達成のために果敢に挑戦していかなければならないと考えています。

 

太陽に生かされて

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朝6時すぎの駅はとても賑やかでした。休みの始まりの朝ということもあり、ワクワクした人々の息遣いが駅を満たしている感じがしました。

 

思い思いの荷物を背負い、あるいは手に持ち、また引きながら、笑顔で彼らはエスカレーターに足をのせ、そのまま吸い込まれるように、ホームにあがっていきます。

 

彼ら一人ひとりの話し声や叫び声が、一つひとつ判別できない塊(かたまり)となって、明るい空気に染み込んでいきました。私も今日は仕事がないという開放感もあったのか、引きづられて楽しくなり、早朝の新幹線にスキップをしたい気持で乗り込みました。

 

席番と東京行きのチケットを見比べながら大きなシートに座ると、新幹線は発車の合図とともに動き始め、瞬く間に速度をあげていきます。眩しさに目を細めながらふとみると、窓の外には太陽も山から少しだけ顔を出したかと思うと、いまこそ走りゆくすべてのものを照らしていこう、という勢いで空をのぼり始めていました。

 

発する陽光は、煌びやかに私の顔を暖めています。陽の光が私をオレンジ色に包み込み身体と心を照らしているのです。陽の光が過去を際立せ、未来を照らしてくれているのがわかります。

 

あー気持ちいい!私はほかの人に聞こえないようにほんとに小さな声を出してつぶやきました。

 

太陽があるお陰で自分はこうして生きていける、希望をもつことができると、ふと思います。

 

生かされている自分達には何ができるかを考えることは太陽から暖めてもらったお礼であるような気がします。太陽は私をせっつきはしないけれども、まだまだやるべきことができていない自分が恥ずかしくて、そう思ってしまいます。

 

生かされていることを心底から感じること、社会に感謝し恩返しすると決めることが当たり前であるのを、陽の光は不思議と感じさせてくれる存在であることが、今日もしっかりと確認できた気がします。

 

陽の光に包まれる心地よい感触を心に収め、これからも明るく生きていきたいと思います。

権限が曖昧なことのマイナス

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 権限とは、組織における個人がその立場でもつ権利・権力の範囲をいいます。権限には責任が付随します。ここで責任とは、立場上、当然負わなければならない任務や義務をいいます。

 組織で使われる権限は、起案、審査、承認、(実施)、報告という行為に区分されます(権限行使の4形態)。

 

 「起案」は何かを提案すること、お伺いを立てること、そして「審査」はそれが組織のルールや目的に合致したものかどうかをチェックすること、さらに「承認」は、審査を経て上程された事案の実施を許可することをいいます。

 組織におけるすべての業務はこの3つの段階を経て実行されます。さらにその結果がどうであったのかを、最終権限者に「報告」するということで、ある業務が完結します(報告権限=報告を受ける権限)。

 

 組織においては権限の行使をこのフロー以外で行うことはありません。特定事項において上記の何れかの権限を有するものが責任をもち、それぞれの行為を行い、業務を遂行します。

 これらを整理し取り決めた規程を権限規程といいます。権限規程がなければ、誰が何を行うのか、責任をもつのかが不明瞭になり、業務が円滑に進みません。

 

 公的病院には、権限規程が整備されていますが、民間中小病院では、それらを見ることは多くはありません。

 多くの病院では、それぞれの階層における役割意識をもてない、役職に対する役割が不明瞭、権限を委譲されていないので役職が付されていても権限を行使できない責任はとらされる、といった状況になっています。仕事の生産性があがらない要因の一つです。

 

 ここに、権限規程がないことにより、最終的に

(1)職位に付随する権限が不明瞭

(2)皆が行ったり、誰も行わなかったりすることが起こり不効率

(3)組織の指揮命令系統がうまく生かせない

(4)誰も責任をとれないのである領域の業務が進まない

(5)権限を委譲されていない、本来は権限をもつ者の不満が決断できない上司に集中してしまう

といったことが発生します。

 

 もちろん、権限規程が明確ではなくても、決裁におけるルールが暗黙のうちに決まっていて、最低限の業務が進んでおり、支障が明らかになっていない病院もあります。

 しかし、その場合であっても権限規程があれば発生しないムダなやりとりが、好業績の陰に隠れていることや、組織の優れたリーダーの負担に依存して事が運ばれている、といったことが起こっています。

 うまくいっているように見えても、実際には生産性の低下を生んでいることに気付かなければなりません。

 

 組織は、今は行えていない業務も含め、必要なすべての仕事の棚卸を行い、責任者を明確にするなかで権限を誰がどのように、行使するのか決定される必要があります。

 

 組織は、権限の行使の形体を権限規程に取りまとめ、組織に開示することで権限(=責任)を明確にしなければなりません(なお、規程を作りさえすれば良いのではないのは明らかです)。

 

 別途の仕組みにより役割を付与され権限を得て、やりがいを待ち、事に当たる中間管理職を育成することで、組織に発生する様々な問題を排除し、的確な組織運営を行うことが期待されています。

 

 

 

 

今更ですが、目標管理

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目的や目標をもたない組織はありません。しかし、その目的や目標が職員すべてに共有されているかいないかによって、組織の成果が異なります。

 

医療サービスはとても分かりやすいサービスです。他の職種と異なり、医療従事者全員が医療の目的を十分に理解している可能性が高いからです。

 

日々目の前の患者をどう救うのか、という目的を皆が共有し、その目的のために、濃淡はあるものの職員全員がそれぞれの仕事をこなします。皆が協力し合い、日々仕事を目標として、医療行為を行っていくことができてしまいます。

 

ただ、例えば、そこに発生するインシデントやアクシデントが頻回である組織と、そうではない組織、患者や家族から高い評価を得る組織、得られない組織の差が厳然として存在します。

 

仕事が行われることと、患者や家族から信頼される組織や職員であることは別のことなのです。

なので、組織は問題を抽出し、課題化してそれを解決したいと思います。しかしその組織で課題解決ができるかどうかは別であり、解決したいと考えても解決できない組織もあるし、解決できる組織もあります。

 

解決できない組織は、誰かが本気になっていたとしても、組織が課題解決を目標化せず、組織としての解決行動をとれないことが、課題を解決できない理由であったりします。

課題を解決できなければ、組織の存続が困難な時代を迎えた今、組織は課題解決のために積極的に動かなければなりません。

 

組織が何をしようとしているのか目標が明確で、自分の役割は何か、それを組織が期待していえるのか、自分が行動するときに行動しやすい環境がそこにあるのかどうかが職員に明確であれば、組織は課題を解決できます。

 

そもそも組織は職員の集合体であり、職員一人ひとりが組織をつくりあげていることから、職員一人ひとりが適切に動かなければ組織は動けないのは明らかです。

 

職員が組織の目標を知り、それを自分のものとして行動するためには、いまさらではありますが、目標管理が必要です。

 

組織の目標が、的確な解決策とともに各部署の目標に転換され、各部署を構成する職員一人ひとりのやりたいことと擦り合わされ、コミット(公約)した役割が、目標に落とし込まれていれば、一人ひとりの職員が役割を果たすことで各部署、そして組織の目標が達成されることは自明の理です。

 

組織が何をしなければならないのかを経営方針とし、それを目標管理に載せて組織に展開することが、組織の継続的な存続を担保する唯一の方法であると改めて理解して、適切な目標管理制度導入を行うことが必要です。

 

 方針管理、部署のみの目標管理、BSC等目標管理のかたちはさまざまです。

 

 しかし、トップマネジメントが本質を忘れず、職員一人ひとりの特性や属性、能力を見極めたうえで、役割を付与し、最適な支援を行うことを怠らなければ、制度の精度や運用の巧拙は影響するものの、目指すところに、なんとか辿りつけると考えています。