よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

リスクマネジメントの体系的変革(8)わーいセミナーだよ

今日は札幌で弁護士と私で、薬問屋さんの主催で、リスクマネジメントのセミナーやります。 医師会、病院協会や看護協会の後援ももらっています。医療過誤訴訟の傾向と、それでは訴訟が起こったらどうするの…っていう従来のセミナーではなく、どのようにすれ…

リスクマネジメントの体系的変革(7)クリニックのリスクマネジメント

「クリニックにおけるリスクマネジメント対策についてはどうしたらいいのでしょうか?」 というhsg1019さんへのご質問にお答えします。 1.薬の副作用を説明しないまま薬を渡すことによる副作用障害での訴訟 2.診断が誤って薬だけで治療しているこ…

リスクマネジメントの体系的変革(6)医師のリスクマネジメントⅡ

ある有名な病院では、盲腸手術が終了したのち、お腹がいたいといった患者さんの再開腹をしたら、腸に穿孔があった。その原因は盲腸手術時か、腸が弱くなって自然に穿孔したか…といった医師のレポートがばんばんでていました。 とても前向きでプライドのある…

リスクマネジメントの体系的変革(5)医師のリスクマネジメントⅠ

「手術中のミス」 http://blogs.yahoo.co.jp/ocyoko29/3479799.html この記事を読みコメントをします。 術場の看護師さんに、手術中に「あれ」とか「げっ」といった声を聞きませんか?とお聞きすると看護師さんたちは、うつむきます。 医師のミスが医療技術…

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(5)げげげ~ぇ

「先生の事情」 http://blogs.yahoo.co.jp/ocyoko29/3549860.html この記事をみて感じました。 医師も人間ですから…。糖尿病で入院している脳外科の医師を理事長が働かないって怒っているとか…、 逆に不摂生がたたって病欠している医師、仕事をし過ぎて体を…

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(4)

今日は病棟婦長と看護師とエイドの人員過不足調査をしました。 患者さんを看護するために必要な人員をチェックするともに、もちろん看護基準は担保するものの、それ以上にいるスタッフの削減を目的としてのヒヤリングでした。 1.合併症の患者さんに対して…

リスクマネジメントの体系的変革(4)減らないんです

リスクマネジメントで、いつも気になることがあります。平均的にベットの倍はインシデントとアクシデントがあるといわれていますから(何の根拠もないんですが)、200床であれば400、100床であれば200、600床であれば1200、という数字に…

かかりつけ医(7)競合しちゃうかも…

病院の経営会議で、訪問診療チームと、地域連携チームからのそれぞれの発表がありました。 訪問診療チームは、病棟から在宅へ、という動きのなかで、訪問診療をも含め医師が在宅でのケアを行なうためのさまざまな工夫をしていることの発表及び、指導料をとれ…

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(3)

現場においては、数字といっても、当初数字は指標をいいます。 指標はCI(クリティカルインディケーター=臨床指標)です。あるICUの看護師さんは、医師が、ん~ん。もうそろそろ一般病棟に移そうか、といったときなぜそうであるのかをさまざまな臨床デ…

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(2)

病院で事務長と増患の話をしてきました。 いま病院は受診抑制で患者さんが減っている病院が多いです。 いままでなんとはなく病院にいっていた患者さんの自己負担が増えたため、そして長期にお薬を出すことができるようになったため、来院患者さんが減ってい…

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(1)

患者さんからみた病院は、その組織やマネジメントがどうであれ、適切な医療を受診できればそれで満足できます。どのような組織運営をしていても、患者さんからは、その内容はよく理解できません。すばらしいアメニティや設備があったとしても、実は経営的に…

患者さんの治療原価について(6)

病院、個人、自治体、そして国が皆でそれぞれコストを考える必要があります。 コストを考えることは悪いことのように言う人がいますが、少ない時間で多くのことをできるよう、仕事の仕組みを変えたり、個人の技術技能を向上することで、単位あたりコストは削…

患者さんの治療原価について(5)

セラピストレーサーさんのトラバに『診療報酬の財源、すなわち医療保険の財源枯渇、というよりも国家予算歳入不足による財源確保の困難性の問題と病院のコストのは密接に関係しています。限定的な収入でやりくりできない病院は淘汰されます。 一方、必要な人…

患者さんの治療原価について(4)

コメントをいただいた方に「現場の方は原価を考えるよりも、本当は自分の限られた時間のなかで、どれだけ多くの患者さんを支援できるか、重篤な患者さんを看護できるのかと考えることであると思います。そうすれば自ずと時間の使い方を考える、それは仕事の…

患者さんの治療原価について(3)

病院でいえば、直接材料費はある患者さんに直接使用した医療材料や直接把握できるお薬といったものをいいます。 そして直接労務費は、医師、看護師さんや、コメディカルさんが、その患者さんにかけた時間×単価をいいます。 さらに治療間接費は、間接部門(経…

看護師さんお願いします(2)

今日は、目標管理の説明を新しい主任さんと看護師長さんにしてきました。クリニックの看護師さんもきていたから、13人くらいかな~。 日本経済破綻まじか→医療制度改正→点数下落→患者数一定だとすると収益下落→コスト一定だと適正利益減少→キャッシュ低減→…

患者さんの治療原価について(2)

みなさ~ん。今日はまず、一般的な物の原価の考え方から。 自動車は、部品を仕入れ、組み立て、エンジンをのせ、ボディを乗せててできるものですよね。 その前にボディは、鋼板を加工し、溶接し、塗装しているものだったりします。 ここで、部品や鋼板は直接…

ほんとうに素敵なトップがいます

今日は、経営支援を行なうため、主婦からスタートしてご主人である理事長の病院を手伝い、見事7年間で売上げを3倍近くに引き上げた副理事長とミーティングし、評価制度整備、賃金体系整備の打ち合わせをしました。 その病院は心療内科や精神科、循環器、一…

リスクマネジメントの体系的変革(3)

今日は、リスクマネジメントについて病院でミーティングをしました。対策が開示されないために、事故が完結しないという話になりました。ISOのマニュアルは事故ののち手順委員会によって手順が変更されていましたが、最終的にリスクマネジメント部会にお…

患者さんの治療原価について(1)

つ、ついに、原価計算か…。DPC(Diagnosis Procedure Combination;診断群分類)に基づく,医療機関別包括評価による医療費の定額支払い制度(以下,包括支払い制度)が導入されていますが、そうすると単純にいえば、同じ疾病では、どのような治療をして…

看護師さんお願いします

昨日ある病院で、マニュアル作成のミーティングをしていました。事務部門のスタッフは真剣にマニュアル作成のプロジェクトをまわしています。 現場も、やっとなれてきて、結構良いのものができてきました。我々のいうマニュアルは、課業分析シートであり、一…

もう一度原点に。常に原点に。

1000人HITありがとうございました。 振り返ると4月の中旬からいままで、医療を中心に記事を書いてきました。 バックグラウンドから考えると医療機関のマネジメントは医療機関のマネジメントが独立して学問としてあるのではなく、組織論や組織運営、…

リスクマネジメントの体系的変革(2)患者さんの意識行動変革とともに

おっしゃるように患者さんの積極的な関与が必要です。 ながく病院に訪問し、毎日こんな仕事をしていると、やっぱり皆人間です。 悩み、悲しみ、喜び、はしゃぎ、でもプロとして一生懸命仕事をしているすばらしい人々が病院 には数多くいます。結構パフォーマ…

リスクマネジメントの体系的変革

いつもリスクマネジメント委員会やリスクの資料(レポート類)をいただき、ここで話たいことが沢山ありますが、守秘義務にかかることが多く事例で説明できません。 数年前、私の講演会に大学の脳外の教授がきていただき、少し話していただいたことがあります…

かかりつけ医(6)想像の世界?

私が望ましいと思うかかりつけ医は、次のイメージです。 診療所の外は水がまかれて、すごく綺麗ではないけど掃除が行き届いている。 待合室の入り口を入ると、沢山の患者さんがいるけれども、温度は的確に管理されており、 てきぱきと診療が行われて待ち時間…

かかりつけ医(5)開業だよ

クリニックが繁栄するためには、クリニック(診療所)の院長が地域の「かかりつけ医」として信頼され、尊敬される医師になることです。また職員が信頼される職員になることです。 住宅地の診療所であれば、地域住民の健康管理をより的確に行うことで、また、…

かかりつけ医(4)

地域医療を考えると、病院は入院機能を、そして診療所は外来機能をもつことが必要です。 それぞれの役割分担のなかで機能を果たし、地域に貢献するのです。 そのためには、病院から外来患者を少しづつなくしていくということが期待されます。地域連携は、病…

かかりつけ医(3) かかりつけ医ネットワーク

診療所の基準が厳しくなります。今日の日経新聞の1面には、有床の診療所(19床以下=20床以上は病院)の医師の定数や看護師の定数に基準がなかったものを、病院と同様の基準をつくり、診療報酬をあげるとともに、病院の基準に近づけようとするものです…

退院支援計画は強制退院のこころ

平均在院日数の短縮といった急性期病院の絶対テーマがあります。とりわけ加算をとるためには17日 や14日といった数字が並びますよね(看護基準によって在院日数が決定するんですね)。 米国では5日をきり、そしてヨーロッパでは10日(国によって違い…