よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

2012-01-01から1年間の記事一覧

経営方針の大切さ

もうすぐ今年も終わります。先ほどまで病院の理事長と来年の経営方針についてミーティングしていました。経営方針はとても大切です。病院の戦略や事業内容を直接示すからです。3年の中期経営計画にて大きなながれをつくるとともに、当年度の方針として年度…

ココチケア忘年会と医療介護

ココチケアの忘年会が昨日ありました。 医療法人明正会の近藤理事長の年末の締めの挨拶があったあと、来賓紹介が行われました。次に来年の職員数は600人になるとココチケアの近藤社長から話がありました。そして懇談と食事になりましたが、意外と穏やかに会…

レポートの作成について

病院の企画室には、さまざまなレポートを作成する機会があります。 毎月の予算実績比較についてのレポートや診療内容についてのレポートがそれらの一部です。予算実績比較についていえば、現状どのようになっているのか、原因は何か、そして対策はどのような…

病院をけん引するリーダー

新橋の駅の機関車のイルミネーションがとてもきれいです。この時期になると、ジングルベルやサンタクロースの歌が駅前広場にながれ、いつもにぎわっているこの場所はさらににぎわうことになります。 もともと新橋の機関車は待ち合わせの場所で有名で、人が集…

地域に残り活躍する病院を支えるもの

病院にほぼ毎日のように訪問するか、医療に関する事業に関わるか、あるいは介護の仕組みづくりに取り組むなかで、組織力を考えます。 明らかにリーダーに課題があることや、スタッフに問題があるケースもありますが、大抵は皆懸命に頑張っているように見えま…

活きること

いま、札幌から羽田に帰りモノレールで浜松町に向かっています。何回、何十回、何百回と、この乗り物を利用しています。人が代わり、車両が代わり、新駅ができ、国際空港ができ、辺りのビルが建設され住宅が建ち、ガスタンクがなくなり、競馬場が改修され、…

認定看護師サードについて

本日、国債医療福祉大学大学院でのサードのレクチャー終了しました。 財務管理と経営分析です。今回は3度目の講師をさせていただきました。毎回、全国から看護部長クラスの看護師の方々に受講していただきます。いわゆる病院の経営幹部であり、病院職員のマ…

病院で会計を学習する理由

増患と単価アップ、そして生産性向上が正しく実施されているかを常にモニタリングするために会計を学習する必要がある。 増患のためには新患、新患のためには外来、紹介、救急といった具合に分析するとともに、単価アップのためには、外来でのあらゆる医療行…

増患ができなければもう生きていけない

あるところからのお話で病院が益々厳しい環境に置かれることが判りました。今後、より一層、急性期を減らし、慢性期は維持、そして介護期を減らすという厚労省の方針がみえてきています。もちろん、傾向は以前から理解していましたし、わかってもいました。…

やらないことを決める

今日ふと思うことがありました。それは、やらないことを決めることです。もっと言えばやってはいけないことを決めることが必要だと考えています。 本当にやりたいこと、やらなければならないことをするためには、いま不必要なこと、やってはいけないことをや…

都道府県別・二次医療圏データ集と高橋泰先生

国際医療福祉大学高橋泰先生の力作です。 地域の医療提供体制現状と将来 - 都道府県別・二次医療圏データ集 - http://www.jmari.med.or.jp/research/research.html 「2次医療圏データベースをもとに全ての2次医療圏データを偏差値化し各地域を評価、更に人口…

人の力を引き出すリーダーシップ

人の力を引出し、成果をあげてもらうのことはそう楽なことではありません。 自分の力でできることは限定的です。 やはり組織の大きさに合わせたシステムが必要となります。そして、そのシステムを運用する人がいる。その人は一定程度の力を持った人、信頼で…

ヘンダーソンに学ぶ看護

ある病院の看護部長が以下の資料をくれました。 「V.ヘンダーソンは、看護を『看護師は、自分の考える充足のさせ方ではなく、看護を必要としている人の基本的欲求の充たし方を中心に、援助していく必要がある』として看護のあり方を指摘しています。 ここで…

上海における医療と介護

上海における医療と介護の現場に何度も訪問し、あまり日本と変わりのないことを理解しました。医師についての処遇や、有名な医師に診察をしてもらうまでのプロセス、介護制度がないなかで、生活支援とともに身体介護が行われる現状等について一定の情報を得…

上海の有料老人ホーム建設計画の行方

先々週に、有料老人ホーム建設の企画で上海を訪問しました。上海郊外の開発地域に、たくさんのマンションが建設されていますが、その近隣の400坪の工場跡地に、有料老人ホームを建設しようという話です。 近くの診療所の院長が、施設長となり医療を行える…

システムがないために現場が混乱する

さまざまな病院に毎日おじゃましていると、部署間コンフリクトが数多く目立ちます。 部署間コンフリクトへの対応について以下、簡単にレクチャーした資料がありますので、提示します。 1.はじみに 部署間コンフリクトの対応を行うことで、業務の生産性を向…

マレーシアで生活する日本人達

坂本さんは、住商の常務を退任され、孫さんの事業立ち上げに関与されたあとマレーシアがもっとも住みやすい国であると理解し、マレーシアに移住されました。世界50カ国以上を仕事の場とされ調査をしたうえでの帰結だそうです。 マレーシアに、日本人が1万…

マレーシアの医療

マレーシアのJCI取得済み病院と、これから取得する病院に訪問しました。 前者はシンガポールのパークウェイグループの傘下にあるグレンイーグル病院、後者はサンウェイメディカルセンターです。日本のシステムではなく、外部に医師がいて、専門医を紹介して…

医療の原点とは何か

いろいろな病院に毎日おじゃましていると、いろいろなことに気が付きます。 また、昔から病院フェチだった私が患者としていろいろな病院に行くようになってからも同様に患者目線でものを見ることができます。なまじ病院で行われている業務フローを知っている…

原価計算における減価償却費の考え方

部門別損益計算において、減価償却費を期末に計上する病院があれば、部門別損益計算を正しく行うことはできません。毎月有形固定資産を事業の用に供したうえで、病院を運営しているからです。したがって、減価償却費は月次で発生するとした考え方に沿った会…

DPCはデータの宝庫しかし、それだけでは問題解決できない

DPCのデータを駆使すれば、患者の状況や収益の状況はアッという間に把握できます。 しかし、DPCデータだけでは、原価は把握できません。 患者別疾病別原価計算をしてわかることは、半分近くの患者が赤で退院していることです。 赤の理由は、DPCの点…

病院原価計算を導入したけれども使えない病院続出

現状、病院原価計算というと、部門別損益計算(診療科別損益計算)及び患者別疾病別原価計算を指すと思われます(本来は、特殊原価調査といわれる経営意思決定のための正規の簿記の埒外で行われる原価計算もあります)。 これらを扱うさまざまなソフトができ…

業務の見直しは、改善の基本

先日、病院の中間管理職セミナーでの話です。常に、業務改革をすることが、これからの医療の進む道。仕事をルーチン化しないで、見直しをかけ続けることが大切であると話ました。 マニュアルの作成と運用を通じて、現在の仕事のやり方が正しいのかどうかを確…

経営方針や戦略立案の組織幹部による十分な検討

以下、穏やかな、しかしスマートなリーダーとしてリーダーシップを発揮するトップがいる病院でのレクチャーの資料です。 1.はじめに 目組織目標を達成するために目標管理を運用します。したがって目標管理を運用したにも関わらず、目標が達成されないので…

病院経営のあり方について

機能分化と在院日数短縮による病院病床削減という考え方については、私たちは毎日の病院への訪問で思い知らさせることがあります。 すなわち急性期においては、当たり前ではありますが、間違いなく手術件数が多ければ収入はあがること。また、医療療養病床に…

医療のこれからの在り方

財政がひっ迫しているなか、高齢化が進み、医療費をこれからいまと同じ状況で維持することが困難な 状況になってきます。厚労省は病院病床の削減を旗印に、あの手この手で、質が高く、合理的な医療を推し進めています。従来の医療をそのまま懸命に行うだけで…

職員が成果をあげるために必要な事項

人は自らの思いにより活動するときに最大の成果をあげることができる、といわれています。 ある組織のなかで人がもつ自らの思いは組織の思いと同一でなければなりません。 少なくとも組織のもつ思いを共有しなければ、組織は成果をあげることができません。…

サ高住の医療における役割

今日は以下のセミナーを仙台で行いました。ミサワホーム主催の高齢者住宅セミナーです。 日本の医療介護の未来 (1)構造的な問題と少子高齢化により財政悪化 (2)景気は回復しない (3)年金問題や増税問題は益々日本を脆弱にする (4)医療・介護の維…

よい病院にはよい事務部長

facebookでご紹介した、K病院の岡野事務部長です。この病院は次長をも含めて事務方が充実してきており、村田院長の采配がうまく機能している病院です。 事務部だけではなく、前向きで、どのようなことでも吸収し力にしていく実直さがみえる職員幹部及びスタ…

そろそろ復活します

ながいあいだブログを離れていました。当社も次の戦略をほぼ明確にすることができるようになりましたので、ブログをupしていきたいと思います。 私たちホワイトボックスは、日々病院経営支援や介護事業の一部に携わりながら、日本の医療に対して役に立てる…