よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

2014-01-01から1年間の記事一覧

新しい日本をつくるために

今は選挙、真っ盛りです。既に結論が見えているとは思いますが、消去法でほぼ現状の政策に依存しなければならない状況であると、私は思っています。 しかし、だからといって劇的な景気回復が起こるということはあり得ません。聡明な国民は理解していますが、…

医療構造の転換がもうすぐそこに

間違いなく、日本の医療は構造を変えることになります。病院病床削減は、地域包括ケアシステムにより、その実現性を増し急速に進みます。 在宅医は、益々力をつけて機能強化が進み、驚くほど大規模化が進みます。既に地域によっては2000人規模の在宅患者をケ…

医療療養病床のオープン

4月にある病院の資本を移動し、私のクライアントの病院の理事長がオーナーになりました。その病院にはオーナー病院のスタッフが数名張り付き、閉鎖病棟のオープンを準備してきました。 ついに6月18日に病棟をあげることができました。それまでには、多く…

認定看護管理者サードレベル

医療環境は大きく変化する。機能分化と平均在院日数短縮により、病院病床を削減するという考え方だけではなく、医療費そのものを負担できなくなってきた政府が、医療費自己負担増に手をつける段階になってきた。いわゆる後期高齢者については所得に関わらず…

日本の医療を護るために

私のクライアントの整形病院が7:1から10:1に看護基準を変更しました。重症度が維持できなかったからです。在宅復帰率は維持しつつも、重症度が維持できないという病院が数多くあり、7:1削減目標の9万床を大きく上回って7:1病床が減少するとい…

これからの自分

ながい間、このブログを書いていませんでした。あまりにも退院してからの日々が慌ただしく、なかなかこのページに向き合うことができない状況がありました。 胆嚢摘出が2月後半でしたから、もうすでに3ヶ月以上経過しています。この間、フルに休みがとれた…

病院活性化のポイント

病院の優劣がついてきた。常に強いリーダーシップを発揮するリーダがおり、すぐれた経営幹部がいる病院は、間違いなく成果をあげている。しかし、その逆は淘汰される。 よい病院は、当たり前ではあるが、スキルの高いスタッフに恵まれた医師がしっかりとした…

精神科医療における退院支援

以下はある病院の会議用の資料です。現在、入院年次別の患者リストをみると、例えば180日を以内の患者は、ほとんど存在せず、明らかに超長期の患者が多く入院していることがわかります。 20歳代で入院し60歳を超える方々をはじめとして多くの患者さん…

病院の進む方向について

診療報酬改定のあと、多くの病院が進む方向について悩みをもっています。 急性期は急性期として、またケアミックスはケアミックスとして、そして慢性期は慢性期として。どこに進むのかについて悩んでいます。 重要なことは診療報酬そのものだけにとらわれず…

病院のリートについて

最近、病院の不動産投資信託(リート)が脚光を浴びています。特別目的会社をつくり、投資や借入れ、社債を以て調達を行い信託をかませつつ病院の土地建物を運用することになります。 病院は、対価として資金を得て、次の投資に振り向けたり、また借入の返済を…

医療療養病床について

日慢協で武久先生が以前、医療療養病床は長期急性期と長期慢性期と区分し、前者はDPC類似病態別医療区分を導入し、今の医療区分を見直すという意見を出されていました。それは2018年には実行するということで私は了解していました。日慢協はそれと合…

診療報酬改定に思うこと

診療報酬改定は、政府の政策をそのまま反映します。 財政が逼迫し、原資を少ない税収と公債に依存して国を運営している日本は、公債をこれ以上増加させないためにも、増加し続けている社会保障費を一定に抑えるための施策が必要です。 社会保障費の多くは年…

診療報酬改定とその先にあるもの

診療報酬改定の内容がほぼ出そろってきました。各病院は、診療報酬がどのように変わるのかにより、大きく収益構造を変えることになります。 診療報酬の改定の結果をみながら、自院は急性期でいくのか、7:1を維持できるのか、地域包括ケア病棟や病床をどの…

介護事業を守るために

介護事業を守るために、保険だけに依存した介護事業をしてはなりません。自費にすればよいのではなく、一般企業が高齢化を日本の優位性として捉え、高齢者が健康で豊かに暮らせる社会をつくるために叡智を出し、新しい聖商品サービスやソフト、システムを開…

これからの医療、介護の進む道

医療環境が益々厳しくなってきました。7:1の看護必要度の厳格化をはじめ、大型病院とそれ以外の病院との峻別が進み、急性期のなかでも役割分担がより鮮明になりました。 このようななか、多くの病院は戦略の見直しを行う必要があります。 とりわけ急性期…

患者としての立場から

ある大学医学部のエマージェンシーの教授から、石井さんの不幸は、大学病院の中をみていないことだ、といわれたことがあります。そのときには、何を話されているのかを理解できませんでしたが、今回自分がそうした属性の他の病院の患者になってみてその理由…

精神科医療のあり方

精神科医療おいて、国の政策は「入院医療中心から地域生活中心へ」となっています。患者全体、そして統合失調症患者が減少する一方で、認知症患者が増加しており、後者への対応が重視されています。 今後は入院患者の高齢化を念頭に置きながら、統合失調症患…

診療所地域ネットワークづくり

診療所が地域に浸透するためには医療機関以外の地域ネットワークが必要です。地域ネットワークがあることで自院が地域で認知され、何かあれば院長に相談という体制ができあがります。 標榜科目にもよりますが、自治会、老人会、商店会、学校、幼稚園、PTA…

病院再生ということの意味

病院再生にはさまざまな意味があります。財務的な問題もありますし、いま、財務的な問題はないけれども、マネジメント自体に問題があり、早晩キャッシュが不足するといった病院、現状はなんとか運営しているが戦略が不鮮明でいずれ。環境変化によって大きな…

数字で捉え行動すれば、より高い成果があがる

今日は数字の話です。数字は客観性があり正直です。なので、組織運営に向いているんですね。 ということで、物事は、定性的か定量的かで認識され測定されます。 定性的とは「対象の質的な側面に注目する」ということで、また定量的とは「対象の量的な側面に…

新患増患のための活動強化

病院であっても、診療所であっても患者が来院しなければ、継続して地域医療を行なうことはできません。 新患を増患することが医療機関の重要な戦略です。どのようにすれば新患が増加するのか。常に医療機関は考え続けなければなりません。患者はどのように病…

医療、介護の優位性とは

組織が優位に立つためには、他に勝る組織の特性があることが必要です。 優位性は、組織が提供する商製品サービスが他と比較して、優れている点や性質のことをいいます。優位性は、品質、価格、迅速性等で表現できます。 品質は商製品サービスにより、さまざ…

介護第二世代がはじまった

65歳以上の高齢者が3100万人を超え、576万人が介護認定者(要支援を含む)となっています。 本来認定が必要な人で認定を受けていない人を含めて20%以上の方々が介護サービスの対象者となっています。このことは日本にとってとても大きなチャンス…

医療の体制について

病院を運営にするにあたり、必要なことはその病院が地域で役割を果たしているかどうかです。 他の医療機関と連携し、病院の業態に合せた役割を果たしていれば、地域で質が高い病院とし、評価され残っていくのだと思います。 役割を果たすということの定義が…

米国医療の轍を踏まないように

昨日から読み直している本は、全国保険医団体連合会近畿ブロックアメリカ医療視察団によって、書かれた「苦悩する市場原理のアメリカ医療」(あけび書房)です。 医療費削減のために導入されたマネジメドケア、MHOにより、医療が十分に受けられない人が多…

新年は病室から

あけましておめでとうございます。今年は新年を病院で迎えています。昨年年末、総胆管結石の疑いで大学病院の救急外来から緊急入院しました。 今回は、いろいろ勉強になりました。 まず、診療所の対応です。胃痛で受診したものの、検査で胆嚢結石から上記疾…