よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

セクショナリズムと自己利益優先は、組織の性

病院は多職種の専門職により運営される特殊な組織です。 したがって病院には多くの部署があります。医療はいくつかの部署が協力して業務を行うことが通常です。 部署間が協力して行う業務では、それぞれの部署が持つ事情により業務が円滑に進まないことが多…

貸借対照表と損益計算書を知る

社会人の三種の神器は、英語、IT、会計です。今日は会計の話をします。 事業活動を行う組織は、どのような形態であろうとも、少なくとも1年に1回、決算を行わなければなりません(上場会社は四半期決算をしています)。決算書を作成するとともに、監督官…

クリティカルパスというもの

今日は、一般の方には少し専門的な話です。この記事は、2013年にある媒体に投稿した記事ですが、内容は、今でも考え方は変わっていません。 ただ、爾後にメルボルンの病院視察したとき、現地で働く日本人看護師のNさんが、今はオペ後3日で退院するので…

小さいけれどビジョンがあること

人は、ビジョンで動くところがあります。 ビジョン(Vision=将来の構想、展望)は戦略の前提となる、あるいは戦略を包含する概念です。ただの夢とは異なります。ここで戦略とは闘いに勝つ計画のことをいいます。 こうしたい、ああしたい、ということはただの…

病院が職員アンケートから読み取る課題

ヤンゴン、パラミ病院受付 病院は、常に職員が働き易い環境をつくらなければなりません。それが職員の力を引き出し、ひいては患者への対応につながるからです。 課題を発見し目的を達成するために組織はマネジメントを行います。課題発見の手法の一つとして…

人を育てる、情意考課というもの

人事考課により昇給昇格昇進が決定されます。 情意考課は、職能等級制度における人事考課の一部です。 人事考課は情意考課と能力考課、そして賞与支給時の評価基準となる業績評価を横滑りさせた業績考課から成り立っています。 情意考課は、「規律性、協調性…

柔軟な組織のクレーム対応

クレームを根絶するためには、まずは、すべてのクレームを掌握することが大切です。 一般的に、投書箱やアンケート、直接文句を聴くことによりクレームを集計しますが、実はクレームとして顕在化しないクレームが何倍もあります。 医療機関には、体調が悪い…

現場をより可視化する部門別損益計算

財務会計における損益計算は、医療機関単位でこれを行います。もしくは本院だけではなく、サテライトがあったり、施設があれば事業所別に行う法人も多くあります。 しかし、病院であればさらに組織を外来の各科や、各病棟、診療科、診療支援部、事務部などの…

利益は患者評価の証

ここでいう利益は会計でいう利益です。収益―費用=利益で表現されます。医療でいえば、医業収益から医業費用を控除して残る差額が利益です。 医療機関が存続し続けるためには利益、そしてそれを源泉として生み出されるキャッシュフロー(CF=一定期間の資…

厳しい時代を乗り越える

どのような業種でも「仕事をする」ということは、「価値を生み出す」こと、「他の人の役に立つ」ことと同義です。 飲食、サービス業、製造業、商社、流通業、運送業、IT、通信、そして医療でも、大半の領域において、すでに積み上げてきた基本的なノウハウや…

コミュニケーション力の高め方

コミュニケーションとは、気持や自分の考え、意見を、言葉や文章などを通じて相手に伝えること、また相手との考え方や意見のやり取りのことをいいます。 組織におけるコミュニケーションは、合目的的なものでなければなりません。すなわち、ただ話をすればよ…

階段があれば上がりやすい

人類は常に進歩しています。より便利しよう、より付加価値を生み出そうという創造活動を行うからです。そこには先達の思いや実績の蓄積があり、新しい発明や発見も、その蓄積の上に成立しています。 医療も同じように進歩してきました。 医療の本質に関わる…

青い鳥は外にはいない

「うちには病院運営を担う人材がいない」「事務方に優秀な人を採用しなければ‥」「事務長として適格な人はいませんか」病院の運営支援を行っているなかで、頻繁に病院幹部から出てくる言葉です。実は、これは私の一般企業のクライアントや、役員をしている上…