よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

2023-01-01から1年間の記事一覧

溝をつくらない取組み

コンサルティングを行っていると、クライアントのスタッフからリーダーの思いや考え方が理解できないことや、組織の進む方向と自分のやりたいことにギャップがあると、よく相談を受けます。 スタッフとリーダーとの間に溝があるのです。ここで「溝」とは仕事…

時間の価値を明らかにする

組織の経営資源はいうまでもなく、ヒト、時間、情報、カネ、モノですが、このなかで客観性があるのは時間とカネだけです。 もちろん優れたヒトについても評価基準はあるし、情報にも客観性がないとはいえず、モノも購入品は機能や価格にも客観性はありそうで…

医療行為からみた財務諸表の位置づけ

財務諸表は組織の期末における財政状態、一年間の経営成績、キャッシュ・フローの状況を利害関係者に報告するための書類をいいます。なので、あくまでも損益計算書と貸借対照表、キャシュフロー計算書は報告のための道具であることが分かります。 組織運営上…

HRM(人的資源管理)の必要な4つの理由

最近、さまざまな業種業態のリーダーから、社員や職員を思うようにマネジメントできない。業績が上がらない。何かよい方法はないかと相談があります。その背景には彼らをまとめられない、何をしているのか分からない。どのように指導していけばよいのか分か…

謙虚さと好奇心をもって生きる

人は、自分がこうありたいと願い、やらなければならないことや、やりたいことをするために生きています。 そこには常に「できること」と「できないこと」があり、どこかで折り合いをつけながらも、何とかやりたいことができるように生きたいと思う生き物だと…

見えることへの憧れ

先ほどソファーに座り、携帯を使おうと思い回りを見渡しましたが、携帯は見つかりませんでした。ここで使っていたのにと背中を廻してみても携帯はありません。よいしょと立ち上がり振り返ってみるとソファーの隙間に埋まる携帯の端が見えたので安心しました…

田園に身を置いて

以前、東京交響楽団の演奏会で、田園を聞きました。ベートーベンの闘争的性格に終止符を打った交響曲であるといわれています。田園はとても有名な曲なので、その旋律は誰でも聴いた事があると思います。 パンフレットを見て第一楽章から第五楽章までのストー…

他者とのよりよい関係づくり

組織や人は自分だけで存在しているわけではありません。言うまでもなく関わりのある他者との関係性のなかで何かを行い何かを得ています。自分や相手のことをよく理解した上で、他者となんらかの関わりをつくり、積極的に何かを生み出すことが有益です。 とこ…

ジグザグに進むことの効用

どこかに行く時にジグザグに進むことがよいのか直進するのがよいのかと聞かれれば、毎日アプリで最短のルートを検索している身としては、後者であると即答します。いうまでもなく乗り換えが少なく短時間で到着するのは便利で合理的だからです。 しかし、仕事…

接遇は思いと技術の発露である

医療では、患者を心から慈しみ、彼らが安心して医療サービスを受けられるよう笑顔、挨拶、礼節、すなわち接遇は不可欠です。 しかし「接遇とは患者のニーズに応えること」をいうのであり、いくらよい笑顔をしても適切ではない医療を提供するのであれば、目的…

金融機関とどう付き合うか

医療機関は金融機関との取引を避けられません。 いま日本が置かれている現状を鑑みると、金融機関との関係づくりがより重要度を増してくる時代になりました。 医療機関は金融機関と密接な関係をつくり、常になんらかの形で彼らの力を借り組織運営を行ってい…

診療所繁栄のための基本行動

最近、診療所の開業や承継がブームです。 診療所繁栄の基本は集患です。患者がどれだけ来院してくれるのかに全てが依存しています。パーパスを明確に打ち出すなかで来院を促す戦略を明確にするとともに、スタッフの質を高め、多くの新規患者やリピーター患者…

CT空いています

「CT空いています」 先日ある病院の健診センター前で見かけたこの表示は今までにないとても斬新なものです。「心配であればいつでも撮影するので来てね」という医療側の思いを利用者に伝えるものだからです。 病院は従来待つ医療を行ってきました。「患者が…

ガバナンスツールの一つBSC

最近、組織マネジメントとりわけガバナンスのためのフレームワークについて院長に説明する機会が増えました。懸命に組織運営しているもののガバナンスがうまくできていないために組織のポテンシャルを引き出せていないことがよくあるからです。BSCはガバナン…

リスクマネジメントの進め方について

2005年に書いた記事を記載します。稚拙な内容、文章ですがいくつもの病院の現場に出て支援をし始めていた18年前の記事を見るのも考え深いものがあります。 「病院におけるリスクマネジメントが盛んです。でも本当にリスクマネジメントができているかどうかに…

健康で豊かな生活を送るために

私たちの生活には医療を欠かすことはできません。 コロナ渦になり医療がより身近に感じられるようになったのはこの数年ですが、メタボリックシンドロームがきっかけになり、国民が健康に目を向けるようになったと考えています。 内臓脂肪が過剰に蓄積され、…

主観と客観について

主観とは、人が対象について認識・評価などを行う意識の働きをいいます。客観とは、自分の立場から認識や評価などを行うのではなく、第三者としてこれを行うことをいいます。客観には、データ、公平、公正、事実などといった事柄がかならず付随しています。…