よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

#その他の病気

タイムマネジメント思考について

これからの医療は、一般の医療従事者の方が考えを凌駕して、大きく変化してきます。想像できないことが起こる可能性があります。 来年の改定により傾斜配分が行われ、機能分化がより鮮明な結果を生む 初期においては、DPC病院の在院日数が短縮され、実患…

増患の具体的な対応(1)

増患対策で、ある病院に提示し実行している事例の一部をご紹介します。 (1)病院戦略立案 ①自院の得意分野を増やす、特徴を出す ②新たな患者をよぶための新しい標榜科目や専門外来を設置する ③さらにはセンター化する といった活動が必要となります。 自院…

増患がすべてを解決する

仮に医療費が増加することで多くの病院が恩恵を受けたとしても、国の社会保障費抑制の方針は変わらないため、すでに方向は明確になったように医療費の自己負担は増加することが予想されています。さらに在宅医療が進むなかで高齢者の受診は結果として目に見…

ポストDPCの医療そして介護

昨日は、大阪の枚方にある医療法人松徳会におじゃました。理事長の松谷之義先生(写真上)は、ながく医療療養病床をもつ病院を軸とした地域医療介護に邁進してこられました。 現在は日本慢性期医療協会副会長をされています。先生が診療所から、病院をつくり…

自分に厳しく人に優しく

タイトルのように生きるのはとても難しいですね。 ただ、人に厳しくして、結果を得ようとするよりも、自分が厳しくして成果をあげるほうが楽ではあります。他人にいくら厳しくしても、彼らが面従腹背していて、結局いうことを聞いてくれなかったということは…

考課者訓練について

人事考課は昇給昇格昇進の評価のために行われる評価の一体系です。人事考課には、情意考課、能力考課、業績考課があります。業績考課は、賞与支給時に行われる業績評価を基礎としていますので、情意考課と能力考課が重要です。 情意考課は、被考課者の仕事の…

紫陽花と人生

昔、学生時代に梅雨の時期に鎌倉に紫陽花(あじさい)を見に行ったことがあります。物音一つしないお寺の境内で、そぼふる雨のなか大きな紫陽花が見事に咲いていましたが、何かしらとても、もの哀しい印象を受けた記憶があります。 紫陽花はこのように艶やか…

医療におけるマーケティング

マーケティングとは、地域住民が真に求めている医療サービスを提供する体制をつくり、情報を届け、彼らがそれらを効果的に得られるようにしていく活動の総体をいいます。 一般的には場所、サービス(product)、価格、プロモーションが4つのPとして存在して…

中間管理職育成の大切さ

経験を積み、知識を裏付けに医療は進化してきました。 現場で積み上げられた経験が知識となり、それが伝承されて現場が成り立っています。 現場を動かす道具として、リスクマネジメントがあったり、マニュアルが作成され運用されたり、さらに病院によっては…

人事管理は病院の肝

①目標管理評価→日々の仕事を通じた組織目標達成を中心とした教育が行われ、そして②人事考課 ⅰ)能力考課→職務基準やマニュアルをメルクマールとしたスキルの教育ⅱ)情意考課→仕事への取り組み姿勢や関わり方からの人格育成ⅲ)業績考課→成果(プロセスや結果…

指標管理は医療機関のマネジメントに必須

物事は定性的だけではなく、定量的に看る必要があります。定性的は、イメージであり、人によって評価が異なります。病気が良くなったということについていえば、何がどうなったのか人により判断が異なります。 この数値が低下して、この指標が改善したから良…

スキルインフォメーションズは医療ソフトの展開

写真はスキルの杉本社長です。当社が監修したマニュアルソフトとリスクマネジメントのソフトの販売をしています。 マニュアルの基本となった理論であるナレッジマネジメントでは、個人のうまいコツやノウハウをマニュアルに記載することで暗黙知を形式知化し…

新しい地域密着型病院とは

医療経営阻害要因は以下のものです。 (1)政治が混迷し、舵取りが誰もいない (2)財政的には国債だよりの運営がいつまで続くのか怪しくなり、国際は2度の格下げ対象、さらに 追加的引下げ対象となっている (3)意図的な円高基調にあるため、身動きが…

考課者訓練の勧め

先日、病院で開催された考課者訓練の模様です。集まってもらったのは各部署の師長やリハの幹部、薬剤師さんやコメディカルの中間管理職の方々でした。 企画のTさんと総務のMさんが会の運営を円滑に行っています。Tさんの企画力と、Mさんの名司会ぶりが場…

事務長と二人三脚

H事務長です。この日は二人で当日の会議の進め方や作業の段取りをとりました。 事務長からはいつも私が病院を訪問させていただくと、ミーティングを一番にしていただき、その日の予定を時間別に示していただきます。 当院は地域に根差した医療を行うことで…

部下による上長評価チェックシート(2)

(4)指導力 指導力は文字通り指導をする力をいいます。指導をする力とはある目的・方向に向かって教え導くこと、ができる力をいいます。方針がでて、環境を整備したうえで、コミュニケーションを図り、適切な指導を行い目的を達成しようとするものです。・…

部下による上長評価チェックシート(1)

目標管理制度を含めた上長の対応が部下にどのように評価されているかといったチェックシートを数回にわたり示します。 このチェックシートを利用する目的は、中間管理者が日常どのように部下に対して対応しているのかを、部下側から評価することにあります。…

目標管理は部署目標課題をも解決する

目標管理の徹底が形式に堕している病院があります。 (1)目標設定 (2)進捗管理 (3)追加的課題の提供 の各段階で、それぞれ正しい考え方と方法がとられているのかをチェックする必要があります。 ただ、目標を提示、それらを達成すれば病院目標が達成…

部署目標のポイント

春がきて、部署目標を作成する時期が来ました。多くの病院では目標管理制度やBSCを導入しています。経営方針から、自部署の目標にブレイクダウンしていくときに、自部署の目標の設定を行うことが適当です。 部署目標は次のようにしてつくります。 (1)…

看護師さん募集プロジェクト

ある病院で、7:1をなんとかとれという理事長の指示に対して、教育システムが整備できておらずいますぐは無理といった看護部副部長に対し、理事長は「とにかく頭数だけ集めればいいんだ!」とどなった事件がありましたが、そんな理不尽ななかでの活動を強…

リクエストに応えて看護師さんとのこと(3)

委員会活動にしても、上記で記載してきたホワイトボックス社のコンサルティングアイテムは、大半が看護部との連携なしには行えないものです。 感謝していますし、家庭をもち子供を持ち、離婚して家庭を維持することなど大変な状況で、なんとかよい看護をした…

リクエストに応えて看護師さんとのこと(1)

一番はじめに病院のコンサルにはいってからすでに15年経過しました。もっとも初めに行ったことは、職能等級制度の整備でした。 それから私たち独自の3つの構造からできあがっているマニュアルを作成しました。手順、留意点、必要な知識がその項目です。抒…

医師を大切に医療従事者を大切に

医療従事者は、他者のために何かをしようとする人々である。 積極的に意識してその方向に人生を進めてきた者と、その職業にステイタスがあるからと方向を目指したものに大きく峻別される。しかし、いずれにしても現場では患者さんのために医療や看護、周辺業…

最後は医療人そものが独自で成果をあげる。医療はそうしたものだ

医療そのものはとてもインディペンダントであり、医療の知識と経験をもった者が、薬剤や道具を活用して行う役務提供の形です。 したがって、医師や看護師、薬剤師がいれば一定の治療はできます。しかし、検査や撮影により、それらを補完することがより質の高…

人を信じよう

人の価値観はそれぞれである。自分の思い通りにならないことや、自分の進む道を阻むものもいる。また、理解しあえないと思える者もいる。 しかし、彼らを自分の見ている一面的な現象をもって解釈することはナンセンスである。 自分の知らない彼らが、自分の…

看護師さんとの仕事

病院改革を進めるにあたり、この病院ではH看護総師長(副院長)が看護部を牽引しています。 いままで、どれだけの看護師さんとお会いしてきたことでしょう。 医療療養病床や地域一般病床の、そして、DPC病院の、また認定看護師の講座では各病院の幹部で…

東京事務所への来客

社福の常務、所属する病院の事務長、グループ内における他の病院の事務次長が研修で上京されました。 東京での研修を終えたあと、弊社のオフィースに来社。内容の濃いミーティングののち近くで会食を行いました。 この日は妙に医療制度や病院戦略、そして経…

病院において必要なもの

一般の企業であれば、人が雇用されたときに彼らの役割が明確に示され、組織のなかで彼らの機能を高めつつ、組織力で仕事を進めて行くことが大半です。 スーパーにしても、工場にしても、銀行にしても、雇用された者が組織のなかで成果を出すよう訓練され、組…

評価制度の意味

よく成果主義に基づく評価制度は医療になじまない、という話がある。しかし、実際に評価がない活動から何か価値を生むことができるのかどうかを考えてみる必要がある。 人は他人から見られて自らの行動を変容させるといった考え方がホーソン実験である。出来…

職務基準とマニュアル

最近職務基準を作成する病院が増加してきました。職能等級制度が前提となりますが、人を評価するときの評価基礎として活用されることが多いようです。 以下はある病院での会議で、説明させていただいた資料です。 職務基準からマニュアルが作成され、評価に…