よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

よい病院

教育システムはどこにあるのか

教育には3つの柱があります。 一つは職場内教育であり、二つ目は集合教育、そして最後が自己啓発です。例えば看護部におけるプリセプティングは職場内教育であり、しっかりとしたチェックシートによって行われますし、卒後研修やラダーなどで、現場で必要な…

目標管理のいくつかのポイント

組織における目標管理制度の運用がとても大切なものとなってきています。目標は定量的であるのは当然ですが他にいくつかの運用上の留意点があります。 まず、目標管理制度は、BSCの形式をとったとしても方針管理に近いものが導入される必要があります(方針…

インドネシア・ジャカルタの病院視察

ジャカルタには何度か訪問しています。最近ではクライアントの病院の関連施設がインドネシアから看護師の資格を持つ介護実習生を6名受入れ、人口減少が急速に進む現地で希望の星として勤務するなど、インドネシアは身近な存在です。 今年も6名の採用が決ま…

明確な権限で戦略推進を

多くの組織で、権限と責任がうまく整理できていません。 厳しい外部環境となるなかで、各組織は足元を固めなければなりません。個々の職員が力を発揮することができる内部環境づくりを行う必要があるのです。権限と責任の明確化は、それらに一定の方向性を付…

スムースな組織運営を行う方法

以前、病院で中間管理職勉強会をしました。 勉強会では、部署間、部署内コンフリクト(衝突)をどう解決するのかについて簡単に説明しました。もともと組織にはセクショナリズムや、自己利益優先という性格があります。これらを更に助長する事案の検討でした…

利益は顧客評価の証

先日、中間管理職研修で初歩の財務会計についてのレクチャーを行いました。以下、内容の一部をご紹介します。 企業は永久に継続することを前提として(ゴーイングコンサーンといいます)会計を行います。中世の大航海時代には会計は財政状態だけをみており、…

組織活力の源泉は、満足を求め覚醒した個人である

人生は、ながいようで意外と短いと思います。最期のときにならないと気が付かないことだとは思いますが、若いときには感じられなかったことが、年齢を重ねることで、より実感をもってそう思うようになりました。 今日より明日、明日より来月、来年となれば、…

業務改善の着眼

業務改善は、仕事をより良いものに変えていくことをいいます。日頃、継続して実施すべき事項です。 言い方はどうであれ、うまく、はやく、やすくというキーワードで仕事を行えるように工夫・創造することが重要です。「うまく」「はやく」は仕事の質を高める…

頑張る職員に報いること

マズローの5段階欲求説によれば、人間は生存の欲求、生理的欲求、社会的欲求、尊厳の欲求、そして自己実現の欲求の5つの欲求をもっています。 まず、食べたい、寝たいという基本的欲求のあとに、安全によい健康状態やよい暮らしの水準を満たしたいという欲…

精神科医療のあり方

精神科医療おいて、国の政策は「入院医療中心から地域生活中心へ」となっています。患者全体、そして統合失調症患者が減少する一方で、認知症患者が増加しており、後者への対応が重視されています。 今後は入院患者の高齢化を念頭に置きながら、統合失調症患…

数字で捉え行動すれば、より高い成果があがる

今日は数字の話です。数字は客観性があり正直です。なので、組織運営に向いているんですね。 ということで、物事は、定性的か定量的かで認識され測定されます。 定性的とは「対象の質的な側面に注目する」ということで、また定量的とは「対象の量的な側面に…

新年は病室から

あけましておめでとうございます。今年は新年を病院で迎えています。昨年年末、総胆管結石の疑いで大学病院の救急外来から緊急入院しました。 今回は、いろいろ勉強になりました。 まず、診療所の対応です。胃痛で受診したものの、検査で胆嚢結石から上記疾…

報告権限の背景にあるもの

権限規程における報告権限について説明します。 報告とは、下位職位者が上位職位者に職務遂行状況につき、その都度又は定期的に、通知すること及び業務執行の結果について上位職位者が下位職位者に説明を求める行為をいいます。 報告を受ける者は、すべての…

病院における災害時の行動及び安全確保

先日、ある病院で災害時の対応についての勉強会をしました。 災害があったときに、災害本部を設置するとともに、以下を実施することが必要といわれています。 もちろん、その場でできないこともあり、事前に、また日頃から準備を重ねておかなければならない…

病院改革にすべてを賭ける

(JCIジャカルタ病院のICTの取組み) 時代のながれや医療制度改革の方向をみていると、医療は常に改革を継続していかなければならないことに気が付きます。 よい医師がいて、よい看護師、すぐれたコメディカルや事務スタッフがいる病院は、そうしたことがそ…

ブランディングのためのセミナー

最近、クライアント病院でセミナーをを開いていただくことが多くなりました。ブランディングのためです。 本日、クライアント病院の第一回のセミナーを開催します。林間病院の岡田院長のお話が始まります。 テーマは「地域ね根ざす精神科病院にできる事」で…

高齢者住宅は医療の機能を強化する

少子高齢化や経済不活性を原因として、日本の財政が逼迫するなか、医療費や介護給付の原資を確保することが困難となってきました。厚労省は病院の機能分化や平均在院日数短縮を以って病院病床削減の方針を出しています。 急性期は急性期らしく、慢性期は慢…

コミュニケーションの力

自立している仲間は、それぞれのミッションを果たしつつ、いつでも意思を疎通させることができます。思考の傾向や進む方向が同じ領域にあることで、信頼し合える関係にあるからです。 彼らは自分の成功のためには、他者との関係作りが不可欠であり、協力し、…

輝く人たち

私にはたくさんの尊敬する人たちがいます。ある人は病院の幹部であったり、介護事業者のトップであったり、一般会社の社長であったります。また、そのほかにもたくさんの仕事上の関係者や友人、私の会社のスタッフにも尊敬できる人はいて、彼らからもいろい…

クリティカルパスを使う病院

多くの急性期病院ではパスの使用が盛んです。 先日、ある病院のパス委員会のミーティングで再確認した事項が以下です。 疾患ごとに治療内容や検査、達成すべき目標を明確にした工程表をクリティカルパスといいます。ご承知のように、早期に治療を完了するた…

医療の5つの戦略

医療機関戦略の基本は以下のものです。 増患 単価アップ 医療の質向上による生産性向上 そのための可視化 実効性を担保するためのガバナンス これらは全て、医療の質を基礎として初めて成し遂げられるものです。入院機能はもたない診療所であっても同じ戦略…

4つの病院マネジメント領域と職員のマネジメント

あらゆる職業でマネジメントが必要になることはいうまでもありません。マネジメントというととても大きな概念であり、組織における各階層のマネジメントもありますし、個人のマネジメントもあります。 組織におけるマネジメントは多様であり、法的な対応から…

レポートの作成について

病院の企画室には、さまざまなレポートを作成する機会があります。 毎月の予算実績比較についてのレポートや診療内容についてのレポートがそれらの一部です。予算実績比較についていえば、現状どのようになっているのか、原因は何か、そして対策はどのような…

地域に残り活躍する病院を支えるもの

病院にほぼ毎日のように訪問するか、医療に関する事業に関わるか、あるいは介護の仕組みづくりに取り組むなかで、組織力を考えます。 明らかにリーダーに課題があることや、スタッフに問題があるケースもありますが、大抵は皆懸命に頑張っているように見えま…

人の力を引き出すリーダーシップ

人の力を引出し、成果をあげてもらうのことはそう楽なことではありません。 自分の力でできることは限定的です。 やはり組織の大きさに合わせたシステムが必要となります。そして、そのシステムを運用する人がいる。その人は一定程度の力を持った人、信頼で…

ヘンダーソンに学ぶ看護

ある病院の看護部長が以下の資料をくれました。 「V.ヘンダーソンは、看護を『看護師は、自分の考える充足のさせ方ではなく、看護を必要としている人の基本的欲求の充たし方を中心に、援助していく必要がある』として看護のあり方を指摘しています。 ここで…

システムがないために現場が混乱する

さまざまな病院に毎日おじゃましていると、部署間コンフリクトが数多く目立ちます。 部署間コンフリクトへの対応について以下、簡単にレクチャーした資料がありますので、提示します。 1.はじみに 部署間コンフリクトの対応を行うことで、業務の生産性を向…

医療のこれからの在り方

財政がひっ迫しているなか、高齢化が進み、医療費をこれからいまと同じ状況で維持することが困難な 状況になってきます。厚労省は病院病床の削減を旗印に、あの手この手で、質が高く、合理的な医療を推し進めています。従来の医療をそのまま懸命に行うだけで…

職員が成果をあげるために必要な事項

人は自らの思いにより活動するときに最大の成果をあげることができる、といわれています。 ある組織のなかで人がもつ自らの思いは組織の思いと同一でなければなりません。 少なくとも組織のもつ思いを共有しなければ、組織は成果をあげることができません。…

よい病院にはよい事務部長

facebookでご紹介した、K病院の岡野事務部長です。この病院は次長をも含めて事務方が充実してきており、村田院長の采配がうまく機能している病院です。 事務部だけではなく、前向きで、どのようなことでも吸収し力にしていく実直さがみえる職員幹部及びスタ…