よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リスクマネジメント

わかりやすいリスクマネジメント(4)医療の質の向上による事故抑止Ⅱ

医療の質が高いスタッフとそうではないスタッフの事故が発生する確率は全然異なりますよね。 ①知識 ②経験1 ③経験2 ④実際の技術 ⑤意識 ⑥注意力 ⑦集中力 ⑧仕事の仕組み が医療の質の要素であると考えます。 なお、①~⑦は個人の技術技能を分解したものです。 …

リスクマネジメントの体系的変革(14)注意義務違反

これで、説明義務違反、看護観察義務違反、そして注意義務違反と訴訟の3大要因を説明することになります。判例を分析すると、結局はこの3つの要因によって医療過誤訴訟が発生しているのを再認識するとともに、これらを事前に防止するための仕組みづくりを…

リスクマネジメントの体系的変革(13)看護観察義務違反

看護観察義務違反があります。 看護過程は、観察、診断、計画、実施、記録、退院要約といった看護の仕事の中心的なながれを言いますが、この過程で発生する義務違反が看護観察義務違反です。 実際に訴訟の対象となるのは、看護診断ができていない、計画がず…

リスクマネジメントの体系的変革(12)道具と設計図

これはすべての行動に有効な考え方ですが、説明します。 リスクマネジメントを行なう、これは医療事故を抑止する、撲滅することが目的です。 しかし、事故をなくせ、対策を徹底しろ、なんでやる気がないのか…といった院長の声は現場には届きません。なぜなら…

リスクマネジメントの体系的変革(11)創造と工夫

先日、病院にお伺いしてリスクマネジメントのお話をしているときに、また同じ事故が起こったと言う説明を受けました。 リスクマネジメントって、結局レポートを書き、対策検討、対策立案で終わることが多いですよね。それも分析に時間をかけるため、いろいろ…

リスクマネジメントの体系的変革(10)基本中の基本は、自分で考え抜くこと…

私と看護部長だけが一生懸命にやっているんですが、職員がついてきてくれません。 ある院長のお話です。 国立病院(独立行政法人)から転任された看護部長さんは、あかるくて前向きの看護師さんです。 SHELL分析や4M4Eとか、根本原因分析法といった…

リスクマネジメントの体系的変革(9)説明義務違反

インフォームドコンセント(説明と同意)ということが病院における説明義務というイメージがあります。手術を受けるかどうかを決定するための説明、セカンドオピニオンを受けるかどうか決定するための説明、あるいは転院する決定をするための説明といったも…

リスクマネジメントの体系的変革(8)わーいセミナーだよ

今日は札幌で弁護士と私で、薬問屋さんの主催で、リスクマネジメントのセミナーやります。 医師会、病院協会や看護協会の後援ももらっています。医療過誤訴訟の傾向と、それでは訴訟が起こったらどうするの…っていう従来のセミナーではなく、どのようにすれ…

リスクマネジメントの体系的変革(7)クリニックのリスクマネジメント

「クリニックにおけるリスクマネジメント対策についてはどうしたらいいのでしょうか?」 というhsg1019さんへのご質問にお答えします。 1.薬の副作用を説明しないまま薬を渡すことによる副作用障害での訴訟 2.診断が誤って薬だけで治療しているこ…

リスクマネジメントの体系的変革(6)医師のリスクマネジメントⅡ

ある有名な病院では、盲腸手術が終了したのち、お腹がいたいといった患者さんの再開腹をしたら、腸に穿孔があった。その原因は盲腸手術時か、腸が弱くなって自然に穿孔したか…といった医師のレポートがばんばんでていました。 とても前向きでプライドのある…

リスクマネジメントの体系的変革(5)医師のリスクマネジメントⅠ

「手術中のミス」 http://blogs.yahoo.co.jp/ocyoko29/3479799.html この記事を読みコメントをします。 術場の看護師さんに、手術中に「あれ」とか「げっ」といった声を聞きませんか?とお聞きすると看護師さんたちは、うつむきます。 医師のミスが医療技術…

リスクマネジメントの体系的変革(4)減らないんです

リスクマネジメントで、いつも気になることがあります。平均的にベットの倍はインシデントとアクシデントがあるといわれていますから(何の根拠もないんですが)、200床であれば400、100床であれば200、600床であれば1200、という数字に…

リスクマネジメントの体系的変革(3)

今日は、リスクマネジメントについて病院でミーティングをしました。対策が開示されないために、事故が完結しないという話になりました。ISOのマニュアルは事故ののち手順委員会によって手順が変更されていましたが、最終的にリスクマネジメント部会にお…

リスクマネジメントの体系的変革(2)患者さんの意識行動変革とともに

おっしゃるように患者さんの積極的な関与が必要です。 ながく病院に訪問し、毎日こんな仕事をしていると、やっぱり皆人間です。 悩み、悲しみ、喜び、はしゃぎ、でもプロとして一生懸命仕事をしているすばらしい人々が病院 には数多くいます。結構パフォーマ…

リスクマネジメントの体系的変革

いつもリスクマネジメント委員会やリスクの資料(レポート類)をいただき、ここで話たいことが沢山ありますが、守秘義務にかかることが多く事例で説明できません。 数年前、私の講演会に大学の脳外の教授がきていただき、少し話していただいたことがあります…

眼底検査3回、結果記載なし事故の一種

ついでにリスクマネジメントについてのお話。 ハインリッヒの法則で~す。確かインシデント(未遂=ひやりはっとというんです)300件に29件の医療事故があり、そのうち1件は重篤な事故になるんです。 さきほどの「医療事故は患者さんの協力も必要です…

医療事故防止は患者さんの協力も必要です

財団法人の日本医療機能評価機構が病院の評価を行い、結果を発表しています。 業界では機能評価といって略していますが、いまからちょっと前、この評価をとっておかなければ、未実施減算(とっていないと病院収益が落ちる)になるといった噂がでて、みんな必…

やばいっす

訴訟の分析をしてみると、注意義務違反、看護観察義務違反、説明義務違反がポイントになっています。それぞれ仕事のすべてのなかで、どこで注意すれば事故が起こらないってあるんですよね。でも、なかなかそれを徹底できない忙しさと煩雑さがあります。 先日…