よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院再生の時代

花を咲かせるリーダーの仕事

花は自らが咲く力をもって咲いています。誰からも無理やり咲かされるわけではありません。 大自然のなかで野山に咲く花は、手を加えないでもその場に合うかたちで見事に花を咲かせます。ただ、我々が自宅や人の集まる場所で見る花や、誰かに贈る花はほぼ人工…

医療の可視化で成果を挙げる

今日のセミナーの内容です。 我々の訪問した北京ではDRGが導入され、病院管理局が病院改革の指導に入っている。また視察したタイ、ミャンマー、フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガボール、ブルネイのASEAN各国では、民間病院管理会社とファンド、…

病院再生ということの意味

病院再生にはさまざまな意味があります。財務的な問題もありますし、いま、財務的な問題はないけれども、マネジメント自体に問題があり、早晩キャッシュが不足するといった病院、現状はなんとか運営しているが戦略が不鮮明でいずれ。環境変化によって大きな…

R総研の人材は豊富

私は銀行員であった時代、本部にて京都支店や札幌支店、旭川支店、そして都内複数店とともに大阪支店も担当していました。当時は例えばボーリング場のR社がまだ、大阪で数店舗で営業をはじめた頃で、コンサルティング部に所属していた私はよくボーリング場に…

病院再生、介護への投資業務のためのスター勢ぞろい

先日、弊社で再生チームのミーティングがありました。 ACAの小林さん、籾山さん、KPMGの伊東さん、あおぞら銀行の桑野さんと清島さんです。さらにシンガポールから来日しているプライベートバンカーの一ノ瀬さん、R銀行ソリューションの大豆生田さん…

事務長の役割

意外と重視されなければならない事務部の機能として、経営企画があります。戦略立案や戦略の具体化において経営企画室といった専門チームがない病院は、行動が遅くなります。 よほどスキルの高い事務長や事務次長がいればよいものの、それを望むのはなかなか…

もみじ銀行医療専担チーム主催の勉強会

最近、銀行で勉強会を行う機会が増えています。 先週、もみじ銀行での勉強会を行いました。20名ほどの行員の方が本店に集まり、2時間以上のレクチャーを聞いていただきました。 勉強会には支店長も複数来場され、皆真剣に話をお聴きいただきました。ホワ…

膝を折る病院、立ち上がる病院(1)

膝を折る病院が増えてきました。S病院は夜逃げ同然に病院を閉じました。地域の医師会は患者さんを振り分けるのに大変でした。関連しているK病院もあっという間に倒産しました。大きな混乱を起こさず、患者さんが別の病院や施設に移動できたことがせめても…

病院審査基準説明(2)

3.解説 病院収益は患者数×診療報酬単価で決定します。患者が増加することと、診療報酬単価をアップすることが病院収益を増加させるポイントです。 診療報酬単価は、外来単価と病棟(入院)単価に分類できます。一人の患者から高い報酬を得るためには、技術…

病院改革への道

病院の環境は他の業種よりましではあるものの、経済の波の影響を大きく受けています。 そのようななか、現状課題を明確にして、先に進んでいこうという思いをもつ病院が数多くあります。 課題を発見し、先に進んでいきたいと考える病院に対しホワイトボック…

遠くに見える日本の山

この写真をよく見て欲しい。遠くに富士山がある。 富士山は、遠くからみていればとても美しく日本を象徴する山として私たちの記憶に残るとともに、しかしあるときには、厳しく多くの登山者を翻弄し、あるときには彼らの命をも奪う。 富士山を私たちは意識し…

タクシーは動かず繁華街は閑散として

政権が変わり、国の運営がおおきく変わろうとしている。リーダーが交代すれば何かが起こる。これが過去の経験則である。旧リーダーが何かを変えることができないのであれば、新リーダーに期待するのは当然の帰結。 新しいことが始まろうとする日本は、期待に…

北京の街に思う

PCのデータを整理していて、北京を訪れたときの写真がでてきました。 中国のGDPは、あっという間に日本を抜き去り、これから世界大国として君臨していくことになるでしょう。 中国人には貧富の差はありながら、圧倒的な政治力により、想像もできない数…

ひとりひとりの覚醒が医療を、そして日本を救う

人は生まれてから、それぞれの環境のなかでそれぞれの育ち方をします。例え日本人の遺伝子をもっていても、あるとき米国で親が自分を産めば、米国人となる権利をもち、そして日本語の環境に置かれなければ英語で日常を生活するようになります。 その時点では…

やばい診療報酬債権の買い取り

今日は少し、やばい話をします。 私には仕事の関係で、金融関係の仕事をしている人がたくさんいます(私も信託銀行に勤務していましたし…)。銀行もそうだし、ノンバンク、ベンチャーキャピタル、そしてファンドをもって、SPCをつくり病院そのものの不動…

医療のトリレンマって

三つの好ましくない状況。三重苦をトリレンマといいます。景気・物価・為替のトリレンマで議論されることがスタートですが、さまざまな状況がトリレンマで説明されています。 病院でいえば、診療報酬引き下げ、病院経営不振、医師不足、受療率低減といったと…

集合教育について

医療環境が厳しくなればなるほど、教育が必要となります。 ある病院で、教育体系について議論しているとき、集合教育に話が進みました。 以下について、説明しています。 集合教育は、 ①各部署で必要な教育を集合教育で実施する ②病院として必要な教育を集合…

ある病院長とのミーティング

『組織は、すべて100%うまく回ることはありません。常に20%の人が引っ張っていく構造になってます。組織全体のレベルがあがっても、みながリーダーになるわけではありません。 したがって、20%の人のレベルをまずあげることが必要です。人をコスト…

貧乏人は医者にかかるな!を読んで

永田宏さんの本(集英社新書)を読みました。医師が不足していることをマクロ、ミクロの視点から書き、2025年には、本当に医者が足りずに今と同じような医療は受けられない時代がやってくると今の政策を喝破しています。 イギリスでは、数ヶ月待ちの患者…

病院の再生はじまります

病院のモニタリングはじまります。予算実績管理がうまく遂行され、予算が達成できるようチェックします。差額が生まれたときにインディケーター(KPI,CI)で分析し原因を追究したうえで行動を誘導します。経営コンサルティングは今回含まれません。 自…

病院再生について(3)

今、ある病院の再生をしています。オーナー理事長が好き勝手に病院を食い物にしてきました。家族の給与、交際費、交通費、家族の会社の賃借料等々、びっくりする横領とも言える行動でした。 結局病院の財務内容はめちゃめちゃになり、追い討ちをかけるように…

病院再生について(2)

先日も都内の病院のDD(デューデリ)を行いました。古くから歴史のある病院です。しかし、オーナーの高齢化や競合が新しい施設をつくるなかで、競争に勝てる診療ができず、その病院は患者を毎年減らしてきています。手術件数も徐々に減少し、収益も少しづ…

病院再生について(1)

病院再生には2つのターゲットがあります。 療養型病院や精神病院といった、今後ネガティブな状況が予測できる病院群に対する再生業務と、急性期病院において間違いなく伸びていく可能性があるにも関わらず、設備投資が重荷になり、キャシュフローが確保でき…