よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院経営

病院の教育について

会社は学校ではない、といった著名な経営者がいましたが、病院には教育制度は不可欠です。病院の職員は医療に携わる専門家であり、それぞれの領域で専門知識が必要な職についているからです。 医師は言うに及ばず、看護師、コメディカル、そして本来は事務職…

病院におけるガバナンスの必要性

ガバナンス(統治)が正しく行われている病院とそうではない病院では、生み出される価値に大きな差異が生まれます。 ここでいうガバナンスは無秩序な統制や抑制という意味ではなく、いかに病院のもつ資源をうまく使えるのかといったことを指しています。 そ…

ホワイトボックスがテーマとするアイテム(3)

ホワイトボックスが病院の支援をさせていただくときに、テーマとして留意するポイントは以下のものです。 1.ガバナンス体制が整備されているか 2.モニタリング体制が整備されているか 3.優れた経営企画スタッフがいるか 4.優れた医事スタッフ、ある…

ホワイトボックスがテーマとするアイテム(2)

ホワイトボックスが病院の支援をさせていただくときに、テーマとして留意するポイントは以下のものです。 1.ガバナンス体制が整備されているか 2.モニタリング体制が整備されているか 3.優れた経営企画スタッフがいるか 4.優れた医事スタッフ、ある…

ホワイトボックスがテーマとするアイテム(1)

ホワイトボックスが病院の支援をさせていただくときに、テーマとして留意するポイントは以下のものです。 1.ガバナンス体制が整備されているか 2.モニタリング体制が整備されているか 3.優れた経営企画スタッフがいるか 4.優れた医事スタッフ、ある…

病院で会計を学習する理由

増患と単価アップ、そして生産性向上が正しく実施されているかを常にモニタリングするために会計を学習する必要がある。 増患のためには新患、新患のためには外来、紹介、救急といった具合に分析するとともに、単価アップのためには、外来でのあらゆる医療行…

増患ができなければもう生きていけない

あるところからのお話で病院が益々厳しい環境に置かれることが判りました。今後、より一層、急性期を減らし、慢性期は維持、そして介護期を減らすという厚労省の方針がみえてきています。もちろん、傾向は以前から理解していましたし、わかってもいました。…

経営方針や戦略立案の組織幹部による十分な検討

以下、穏やかな、しかしスマートなリーダーとしてリーダーシップを発揮するトップがいる病院でのレクチャーの資料です。 1.はじめに 目組織目標を達成するために目標管理を運用します。したがって目標管理を運用したにも関わらず、目標が達成されないので…

サ高住の医療における役割

今日は以下のセミナーを仙台で行いました。ミサワホーム主催の高齢者住宅セミナーです。 日本の医療介護の未来 (1)構造的な問題と少子高齢化により財政悪化 (2)景気は回復しない (3)年金問題や増税問題は益々日本を脆弱にする (4)医療・介護の維…

能力考課とは何か

能力考課とは、被考課者の日常の職務行動が、その人の職責に対応して、組織が期待している内容とレベルで遂行されているかを、考課時点において、職能要件書に照らし、どうであるか否かを把握し評価することを言います。 (1)考課方法 ①能力考課を行う媒体…

単位当たりコストの削減は、生産性向上

コスト削減には2つのながれがあります。一つは外部コストを削減すること、そしてもう一つは内部コストを削減することです。内部コストにはコスト絶対額削減と単位当たりコスト削減があると説明してきました。 まずは業者です。薬剤や医療材料、消耗品、そし…

時代を乗り越えるための医療機関の成長戦略

本日の大阪りそな銀行・りそな総研セミナーの資料の第1ページ目には、以下の文章が書いています。 ・経済環境が悪化し、医療福祉にコストをかけられない ・消費税は大きなコストアップ要因 ・受療率は低減し続ける ・地域によれば益々人口が減少する ・急性…

事業計画立案は打ち出の小槌

病院の戦略立案のためには、理事長や院長をはじめ多くの医師との面談を基礎として、返済金額を捻出するためのキャッシュフローを得るための税引き後利益、税引き後利益を得るための当期利益、当期利益を得るためのPVC分析からの医業収益。 そして医業収益…

医療におけるブリーフィングシステムの運用

ブリーフィングは短い報告という意味で、基本的には医師から経営トップに一定期間における業務内容を報告することをいいます。以下、北海道のある病院での実例を説明します。 院長が毎月、事務部門からデータを受取り、各診療科の科長から報告を受け、コミュ…

金融機関と医療介護

金融機関の皆さん向けに、医療介護の知識、実践的な取引、審査手法を連載。 金融ジャーナル7月号~9月号。なお、10月号にも連載延長決定。 一部の記事はドクタートレジャーボックスにアップ。 http://t.co/04wNeK3 ♯medical

事務長とサバ

昨日の北海道にあるこの街は、とても天気のよい日でした。東京が雨だったので、空港に降り立つと、その空や気温、そしてときおり頬を通りすぎていく海風に夏らしさを感じ、夏の日差しがところどころ強くあるものの、なぜか爽やかな思いすら持つことができま…

事務職の活躍

栄養管理の長であるKさんです。 Kさんは歴史と伝統のあるこの病院の中間管理職として長く、さまざまな部署で活動してきました。 私がこの病院におじゃまするようになり、既に10年が経とうとしていますが、その間、さまざまな分野で仕事をさせていただい…

医師の評価制度導入について

医師について評価制度を導入し、処遇を行うことは常に医療の先頭に立ち成果をあげてきた医師の属性に合う。 また、医師の多数のなかに成果に応じて評価をして欲しいという思いもあるため、評価制度を受け入れる素地が大きくある。各病院が医師評価制度を導入…

銀行セミナーの展開

2月中旬から先週までで4つの銀行でのセミナーを行いました。 2つはクライアント向けであり、2つは行内向けでした。 クライアント向けのセミナーはどちらかというと、これからどう地域で活動していくのかを啓蒙することに意味をもっていますが、行内向け…

各部門が機能を果たすということ

以前から話をしているが、病院は不思議なところで、各部署があるべき機能を果たしているのかについて、誰もオーディットをしていない。部分的には看護記録やリスクマネジメント、感染対策など質の評価をしているが、どちらかというと現場からつみあげていく…

シンガポールからの来客

シンガポールから来客がありました。今井大造さんの友人の中畝(なかうね)氏(左側)、そして彼の友人である一ノ瀬さんです。中畝さんは、昔からアジアに興味をもち、日本でも事業を行いつつも、アジアに足を向けるようになり、そのなかでいくつかの国とのビ…

利益をあげるための病院改革講演会

少し時間が経ってしまいましたが、11月に北海道病院協会函館支部 主催、㈱モロオ 共催により、H22年度北海道病院協会函館支部研修会(会場:函館国際ホテル)で「利益を上げるための病院改革」について講演を行いました。 1.戦略の決定及び一体化 (…

アジアの病院ビジネスをめぐる熱い戦い

朝まで生テレビに出演した、北海道ベンチャーキャピタル社長の松田一敬氏からの寄稿です。彼は、シリコンバレーだけではなく、海外に多くの投資を行っていますが、これからも日本やアジアにおいてバイオ関連を中心に活躍していきます。 パークウェイ・ホール…

医療はどこに辿りつくのか(2)

(1)では、「どのような人、どのような価値観をもった個人であっても、組織の思想や理念のなかでベクトルを合わせ、組織そのものの価値が個人の価値を内包してさらに輝きを増すようなマネジメントが行われる必要があるのです」と書きました。 もっとも大切…

医療はどこに辿りつくのか(1)

医療が抱える問題は多様です。しかし、その根底にある問題は、人をどう活かすのかというところにあります。医療は知的労働集約的産業であり、関与する人により成果が決定されるという側面を強くもっているからです。 どのような業態の病院であれ、医療の本質…

伝統と進化

新宿の高層ビルにある老舗店で日本料理をいただき、洗練されたしかし、伝統を引き継いだ日本の美しい料理に舌鼓を打ちました。窓から新宿の夜景が目に入ります。 私は新宿で生まれ育っているので、新宿の変化を小さい時から見てきています。新宿は、歴史を残…

病院の「経営企画室業務」私たちが請負います。

昨日は、ドクタートレジャーボックスの記事のミーティングを行いました。病院の「経営企画室業務」請負ます。というものです。その内容は、次のものです。 私たちが病院経営コンサルを開始してから15年を経過しました。60の急性期病院をはじめ、回復期、…

DPC病院短期調査のためのチェックシート(一部抜粋)

ホワイトボックスのDCP病院用短期調査では、100以上のチェックシートを使ったチェックをしています。 以下はそのほんの一部です。 1DPC…予定入院と緊急入院比率→バランスがとれた比率になっているのかどうかの検証 2DPC…術前検査の外来化実施率→術前検…

医療は人により成果をあげる

病院には、現場のマネジメントと部署のマネジメント、そして組織マネジメントがあります。さらに追加すれば業態のための特別のマネジメントがあります。4番目のマネジメントは例えばDPCマネジメントや療養病床のマネジメント、精神病床のマネジメントな…

目標管理について(2)

「(2)難易度設定 難易度の設定は、客観的な判断が必要です。客観的な判断がなければ、普遍的かつ公平公正な対応ができないからです。 とりわけ上司が感覚で難易度を決定するといったことであれば、上司の能力に難易度が左右されることになり、組織全体の…