よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

#マネジメント

計画がない行動は成果に結びつきづらい

人の生理的な営みは、意識しなくても自然の摂理のなかで行われます。お腹がすけば何かを食べたくなるし、喉が渇けば水を飲みたくなります。飲食をすれば排せつをし夜が訪れば眠くなる、といった具合です。 ただ、人は意識的に行動しなければ食事を摂ることや…

コミュニケーションのうまい取り方、4つのポイント

コミュニケーションとは、複数の主体が情報を伝え合い、やりとりを行うなかで相互に理解し共感することをいいます。もちろん、それぞれのコミュニケーションの目的を達成しなければ意味がありません。 ところで、コミュニケーションは言語を中心として行われ…

権限と責任

組織は人により構成されます。役割により、職位は管理職、監督職、一般職に分類されます。 病院であれば、理事長、院長や副院長、事務長や看護部長、診療支援部長といった者が管理者に該当します。その下位に師長や課長などの中間管理職(監督職)があり、一…

前向きな企業(組織)文化と後ろ向きの企業(組織)文化

企業(組織)文化とは「企業や従業員が意識的・無意識的に共有する独自の価値観や規範、ルールなどの行動原理となる価値観」をいいます。企業全体なのか部署やチームのそれをいうのかにより、企業文化や組織文化というようです。 企業文化は、外部からの影響…

収益=単価×患者数

「医療は非営利である。したがって利益を出してはいけない」という誤解をしている医療関係者がいます。しかしここでいう「非営利」は出た利益を分配しないという意味であり、非営利組織であっても組織継続のために利益を出さなければなりません。 公的病院で…

やる気にさせる要因と、やる気を削ぐ要因

組織運営の基本は言うまでもなく人であり、人のやる気により成果が大きく影響を受けます。 事業成功のためには、人がビジョンや戦略に共鳴し、仕事に対し強い思いや信念をもち、チーム内においてそれぞれの得意とする分野で力を発揮し、組織目標を達成する仕…

可視化は何のために行うのか

# よく可視化、見える化が必要だといわれます。見えなければ変えられないからです。 しかし、世の中には可視化をしただけで満足をしてしまうケースが山のようにあります。可視化したものが必要十分であるかも分らずに、また、どう使うのかも決めず、ただ可…

医療機器の取得及び運用について

ヤンゴンの空港近くにあるビクトリア病院の128列CTのパンフレット 医療には医療機器が不可欠です。 医療機器を購入するかしないか、またどのような機器を購入するのか、病院は経営意思決定を行ないます。経営意思決定のためには、どのような手続きを経て購入…

仕事で好かれる要素CANとマーシー(慈悲)レベルについて

人は一人では生きていけません。 誰かの助けを受けたり、誰かを助けながら社会で生活しているのです。人は、他人との関係をどのようにつくりあげるのかについて意識を振り向けなければなりません。とりわけ仕事をうまく行うためには、相手から好かれる仕事を…

絶え間なくやり取りをしながら行う意思決定(CIM)とは

トップマネジメントは、常に経営意思決定を行わなければなりません。 一般的な経営意思決定の方法には、 ①トップダウン方式 ②ミドルアップ方式 ③ボトムアップ方式 があります。 しかし、これらは特定の階層が一方的に意思決定を行い、組織を動かす方法です。…

PDCAの前にASCS(アスクス)を

PDCAサイクルは言い古されていますが、とても大切な考え方です。これは、計画を立て(P)、実行し(D)、チェックして(C)、修正を行うことを繰り返し(サイクル)ながら成果をあげる考え方をいいます。しかし、どのように計画を立てるのかというところが脆弱…

病院ガバナンスの成果

組織が目的とした成果を得るために、病院全体をコントロールすることを病院ガバナンスといいます。病院ガバナンスは、病院がもつヴィジョンや戦略を達成するため、経組織力を最大限引き出すことを目的として行われます。したがって、目的や目標のないガバナ…

姿勢や態度を評価する

ラオスヴィエンチャンにあるベトナム系の病院の放射線技師 職員の行動が患者や家族にさまざまな影響を与えます。業務が円滑に進められるか高い質の医療を行えるかどうかは職員次第だからです。職員の姿勢や態度、そして能力が組織運営上とても大きな要素であ…

管理会計を病院経営に活かす

会計には財務会計と管理会計があります。 財務会計は報告のための会計をいいます。納税や銀行提出、関係監督官庁や理事会等への報告がそれらです。 管理会計は、文字通り意思決定に役立つ管理を行うための会計をいい、指標管理や月次会計、部署別・診療科別…

益々働き手が不足する医療のこれから

人口減少、少子高齢化が進みます。それは、同時に高齢者以外の人口が減っていることであり、働く年齢の人口が減っていることを意味しています。 毎年医師が増えても、働いている医師の高齢化も同時に進みます。看護師や他の医療職も同様です。病院数が少しず…

介護第二世代への移行がなかなか進まない理由

官民一体で血のにじむような努力を繰り返しながら、日本は海外の範となる介護サービスを確立しました(従来の介護サービスを提供する介護を「介護第一世代」とよびます)。 誰も経験をしていない超高齢化社会を迎え、日本には従来の介護を強みとして新たな産…

危機感はあるか

先日、高評価を受けている施設に訪問したとき、事務長からグループの施設に危機感がない。危機感を醸成するためには、どうしたらいいのか、と質問がありました。 まず問題意識がなければ危機感は生まれない。問題意識をもっているのかどうか、なければどのよ…

病院マネジメントについて

日本の病院は、国民皆保険制度のもと、廉価で高い質の医療を提供してきました。医療は仁術であり、利益を目的として運営するのはおかしいと、医療従事者も考えていたし、国民もそのように考えていました。国が元気で勢いのある時代では、医療は他の事業とは…

教育と評価の強い関係性

教育には、職場内教育と集合教育、そして自己啓発があります。これを教育の3本柱といいます。最も重要であるのは職場内教育です。 業務を棚卸して、列挙するとともに、各々に職務基準を作成します。 各業務についてマニュアルを作成することで日々の業務を…

当たり前だが、事業は人により盛衰が決まる

ビジネスモデルがしっかりしているために仕事がうまくいく事業があります。仕組みで利益がでるといわれるものです。 もちろん、その仕組みが一定の質を担保できなければ訴求されないので、人の力が必要でないわけではありません。 しかし、仕組みと人の力を…

生まれ変わりました

昨日私は誕生日を迎えました。多くの方々に支えられ、ここまで来たという思いです。ヤフーで立ち上げたブログ「よい病院、よくない病院の見分け方」も15年以上続けてきましたが、Hatenaに移管して新たなスタートを切ることができました。その意味では、当…