よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

DPCの時代

DPC準備病院でのミーティング

DPCの導入を行う病院(ケアミックス病院)に必要なことは多々あります。 もちろん、出来高病床よりも、かなり医療の質を高めていく必要があることはいまでもありません。出来高であれば、必要のない医療が行われたとしても請求できる可能性がありますが、…

都道府県別・二次医療圏データ集と高橋泰先生

国際医療福祉大学高橋泰先生の力作です。 地域の医療提供体制現状と将来 - 都道府県別・二次医療圏データ集 - http://www.jmari.med.or.jp/research/research.html 「2次医療圏データベースをもとに全ての2次医療圏データを偏差値化し各地域を評価、更に人口…

DPCはデータの宝庫しかし、それだけでは問題解決できない

DPCのデータを駆使すれば、患者の状況や収益の状況はアッという間に把握できます。 しかし、DPCデータだけでは、原価は把握できません。 患者別疾病別原価計算をしてわかることは、半分近くの患者が赤で退院していることです。 赤の理由は、DPCの点…

高橋泰先生は埼玉県が好き

本日、日本DPC協議会の理事会で副理事長の高橋泰先生とお会いしました。 理事会に出席し総会がはじまる前に、高橋先生とよもやま話をしていましたが、埼玉県の話になりました。 埼玉の各医療圏では医療が足りているところもありますが、いくつかの場所で…

DPC5段階進化

随分前に発表したDPC5段階説について、最近よく説明する機会があります。 (1)出来高とDPCの比較やベンチマーク (2)増患対策やコスト削減のための活動 (3)原価計算による自院や患者の損益構造計算やをしながら情報を収集 (4)全体として利…

DPCは何を目指すのか

もともと米国ではじまった出来高からDRGへの改革において、志向されたのはコスト削減でした。 日本がDPCを採用した段階で、極端なコスト削減を目指すのではなく、まず無駄を排除しようというながれになりました。一入院包括ではなく、一日入院包括とな…

DPC入院単価の高低の影響は戦略や業務改革によりヘッジする

DPC病院がすべて残れるわけではない、とよくいわれる。確かに、DPC病院であっても単価の高い(出来高が高い、加算をとれている等)病院とそうではない病院がある。その開きはとても大きく4万円から倍違う病院まで多様だ。 しかし、実際のところ、病院…

DPC協議会の総会終了

調整係数問題は明らかにDPC病院の盛衰を決定する要因の一つ。これからの行方が注目されている。日本の国民皆保険制度は世界に誇る素晴らしい制度だがが、国民所得のこれだけのマイナスは少しずつ負担感を大きなものにする。 議論されている一回いくらとい…

DPC協議会in大阪2011(午後の部)

午後は、TMGの松井病院事務長原田恵司氏を座長としたシンポジウムが開かれました。 「達人に学ぶDPCデータ活用術」と題し、浜脇整形外科病院理事浜脇澄伊氏、美原記念病院医事課課長内田智久、山口済生会下関総合病院企画建設対策室主幹中村敦氏による…

DPC協議会in大阪2011(午前の部)

本日、NPO日本DPC協議会のセミナーが大阪桜ノ宮のリバーサイドホテルで行われました。国際医療福祉大学山本康弘教授の司会、理事長である医療法人白鳳会理事長古城資久先生のご挨拶で始まったセミナーでは、次の演題での講演が行われました。 まず、国…

DPC分析ソフト会社とのミーティング

DPC分析ソフトを佐賀大学、そしてU社とともに作成している会社の社長、幹部とミーリングを行いました。 私たちホワイトボックス社も、平成12年から部門別損益計算を、そして平成18年から患者別疾病別原価計算を実施しており、指標管理と併せて病院課…

DPCを支える看護部の役割

DPC制度は、本来医療の質を向上させるために存在します。高密度で質の高い合理的な医療が、DPCで求められていることですが、どうそれを達成していくのかは、ひとえに看護部の努力に依存しているといえます。 もちろん、医師が先頭に立ち医療行為を行う…

DPCと高専賃の密接な関係について

先日土曜日、東京の会場で保健・医療・福祉サービス研究会主催の「病院経営刷新と経営戦略セミナー」で講師をさせていただきました。元聖路加の中村彰吾先生とご一緒でした。 私の担当のタイトルは「更なる改革を予定される急性期 (DPC)病院の将来展望…

医療資源同一下での、よりよい医療の最大化

H病院が地域のブランド病院であることは、つとに有名です。 過去、さまざまな改革を行い大きな成果を上げ続けています。今回、新病院建設移転に伴い、病院改革をより進めていこうという意味から、理事長が医師を中心とした研究会を立ち上げられました。 こ…

日本DPC協議会での高橋教授と古城先生

先日、日本DPC協議会のセミナーin東京がお茶ノ水で行われました。 200名の医療関係者が全国から集まっていただき、大変ありがとうございました。ここではDPCにおける外来と入院の連関について、を大きなテーマとして、複数の医療関係者によるセミナ…

DPC実施事項課題事例を基礎としたマネジメント(2)

前回に続いて弊社が実施しているDPCコンサルティングにおいて、ポイントとしている課題についてご紹介します。 ・出来高算定可能項目(薬剤指導・栄養指導・リハビリ等)の実施件数低下 ・転倒・転落等アクシデント発生件数の増加によるコスト増 ・緊急入…

DPC実施事項課題事例を基礎としたマネジメント(1)

DPCにおいて課題となる事項を示します。これらをどのように解決していくのか、それが私たちのコンサルティング内容の一つとなっています。これらが起こることにより、DPCをうまく使えず、結果として利益を落とすことになります。 DPC病院は以下につ…

暗雲が立ち込める地域一般病床

国際医療福祉大学の高橋泰教授によれば、平成28年には全包括となる、ということです。現在90万床ある一般病床のうち50万床がDPC病院ですが、残りの40万床は出来高病床です。 しかし、この出来高病床は、ほとんどの先進国にはすでにないといわれて…

本当にDPCの存在意義をしっているのか(2)

退院許可は医師、そして退院指示は病棟看護師に権限移譲。全体を病床管理委員会の柔軟な対応により、病棟が最大限に活用されている。 個人個人は職務基準やマニュアルによるOJTと、計画された各部署の年間を通じたOff-JTによるキャリアデベロップメ…

本当にDPCの存在意義を知っているか(1)

DPC病院が50万床になんなんとする日本の医療業界において、テクニカルな意味でのDPCを理解している人は50%もいないのではないかと思います。 勿論、報酬請求の手法であることには間違いがなく、しかし、それは医療の在り方を変える制度であること…

医療法人白鳳会赤穂中央病院理事長古城資久先生の快進撃

先週土曜日は、日本DPC協議会の理事会と総会があり、私も監事として参加しました。 理事会は、全国から錚々たる理事の方々が参集されいくつかの議題が承認されたのち、政策提言委員会から、これからの日本のDPCの将来に対し、新たな取り組みをしていく…

これから日本の医療はどこに向かうのか

最近病院経営をながく行ってきて、著名な病院を経営する先生方と話をさせていただく機会を数多くあります。 彼らはさまざまな病院団体の役員を歴任し、また現在も医療業界でご活躍されている先生方です。 1.平成30年からは、出来高病院はすべて包括病院…

函館中央病院平成21年度部署目標成果発表会

いま、私は朝の会議に出席するため北斗星で上野に向かっています。 車窓から見える東北の朝の景色はとても爽やかで、ところどころに霜があり、雪が屋根や路地に残ってはいますが、春のもうすぐの訪れを予感させます。さて、昨日は函館中央病院の平成21年度…

ペガサス馬場記念病院 馬場武彦理事長

先日、大阪で馬場武彦先生と北新地むろ多で会食をしました。 その数日前東京で、DPC協議会の理事会が開催されましたが、その折、この日の時間をお誘いし、会食となったのでした。 馬場記念病院は堺市にあって脳外を中心とした総合病院を展開しており、地…

日本DPC協議会セミナーin大阪

土曜日に、NPO日本DPC協議会のセミナーが大阪で開催され、200人以上、北は北海道から南は熊本から聴衆が来場しました。 大阪リバーサイドホテルは桜の宮から歩いて5分の会場で、とても便利な場所にありました。 私も、東京から朝早く新幹線にのり…

医療機器とマネージメント(2)

(2)医療ツール領域 やる気になった人達に、医療ツールを提供します。パスやマニュアル、リスクマネジメント、看護プロセス、地域連携、委員会適切運営。接遇等、院内で行うべき事項のコアなツールを現場に任せるのではなく、病院が用意しなければなりませ…

医療機器とマネージメント(1)

先日、滋賀県のMEの勉強会で使用した資料です。医療機器とマネジメントのリレーションについてお話します。 1.医療の未来 医療は、医療制度改革のなかで大きく変わります。病院は業態別に整理されるし、また、診療所は外来から在宅、地域へと選択肢を増…

医師の意志

昨日は大阪にいて、ある病院幹部へのヒヤリングを実施しました。 院長始め病院幹部の医師の方々は、それぞれ現場での臨床業務をこなしながら、マネジメントに力を注いでいます。あらゆる場面で、組織運営への課題をもち、また課題を解決しつつ、日々の業務を…

業務改革の進め方(2)

3.今後の進め方 今後、貴院がDPC病院として存続していくためには、医師や全職員が業務改革のマインドや具体的な手法をもち、常に業務を変えることにより進化しているという実感を得つつ、実際に医療の質を向上させた結果としてコストを削減していくこと…

業務改革の進め方(1)

以下、ある病院での業務改革を進めるにあたり、使用した資料を提供します。 1.はじめに 業務改革を進めるにあたっては、業務改善になるか業務改革になるか判らないけれども、問題がある都度、それを報告するシステムを整備することが必要です。 クレーム報…