よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

DPCの時代

医療の未来をつくるDPC

昨日17日は、東京信濃町で「調整係数廃止・自院の係数が高いのか・低いのか」と題してNPO法人の日本DPC協議会セミナーin東京が開催されました。 社会医療法人カレスサッポロの西村昭男理事長の開会挨拶ののち、厚労省保健局医療課長の佐藤敏信氏のご…

他科受診の禁止(2)

3.具体的方法 上記を原則的な他科受診を禁止して、コストを低減するための方法としていきます。 上記について作業を行うプロセスで最も重要なものは、職員や現場に対して説明し、成果をあげるために具体的に実行してもらう部分です。 ①データが判りやすい …

他科受診の禁止(1)

1.はじめに DPCにおいては、医療資源を最も投入した傷病名とは,入院治療の全期間を通じて,最も人的・物的医療資源を投入した傷病であり,簡単にいうと入院中に複数の傷病を治療した場合でも一つに限らなければなりません。 これが不明な時点では,入…

高齢者専用賃貸住宅の活用DPC活用

昨日土曜日、札幌において、総合メディカル主催の後援会で、3時間ほど(適合)高齢者専用賃貸住宅の話をしました。高専賃には2種類あり、DPC病院の門前につくるメディカルホーム的門前高専賃と療養病床の代替となる地域高専賃がそれです。 前者はいわゆ…

DPCと高専賃(2)

(3)DPCとの関係 上記でも明らかなように、門前高専賃はDPC病院に有効に機能します。 ①術前検査を受けて、一度自宅に帰り、1週間後に入院するといったニーズへの対応ができる(ショー トステイ=疼痛管理が必要なケースあり) ②一入院一治療のDP…

DPCと高専賃(1)

先日、ある金融機関で高専賃を説明したときの資料の一部です。DPC病院に高専賃が不可欠になってきそうな気配です。とりわけDRGとなれば、より一層、高回転のベッド活用が必要となり、メディカルホームとしての高専賃が脚光を浴びることになるでしょう…

DPCセミナーin 大阪

本日は、監事をさせていただいている日本DPC協議会の大阪でのセミナーが大阪リバーサードホテルで開催されました。 協議会副理事長である古城先生の開会でスタートしたセミナーでは、医療イ適正化計画と病院の将来像として大西証史医療費適正化対策推進室…

マリオットと名古屋DPC勉強会

6日の土曜日は、名古屋でDPCマネジメント研究会の名古屋勉強会が、伏見の施設で開催されました。14時からの3時間半でしたが、とても内容の濃い、よい勉強会でした。 DPCをベースに多くの病院が業務改革や医療内容の再構築をしていることはよく理解…

DPC5段階説。分かりやすい整理

ホワイトボックス社は、DPC5段階進化説を唱えています。まず第一段階は、出来高とDPCの比較やベンチマークにより、点数を合わせる行為、すなわち何をやめたら収益をDPCに合わせることができるのかといった作業です。 まさに、医療行為を止めたり、…

勝ち残る5段階で進めるDPC戦略(6)

3.横断的段階 循環型医療介護のシステムづくり なお、DPC病院は地域のなかにおける連携をより強化していく必要があります。それは前述した増患ということだけではなく、退院支援の観点からも説明することができます。 当たり前のことではありますが、D…

勝ち残る5段階で進めるDPC戦略(5)

〔第4段階 自院の強みを伸ばすことでの利益確保〕 第3段階で、つくりあげた制度に後押しされた医師やスタッフの思いが患者さんを集めることになります。意思がやりたいと思う医療が定まり、コストをかけながらも医療の質が向上します。そのことは多くの同…

勝ち残る5段階で進めるDPC戦略(4)

〔第3段階 質を向上させるための利益プールからのコスト配分〕 ところが、この段階にくると医師は少し不満がでてきます。なんでもかんでも削減しろ、収益をあげろという動きはスタッフや医師のモチベーションを下げてしまうことになりかねません。 よい医療…

勝ち残る5段階で進めるDPC戦略(3)

〔第2段階 病院原価の計算による自院の損益構造認識〕 第1段階では、DPC病院としての基礎をつくるわけですが、あくまでも収益ベースでの診療報酬への取り組みや、生産性の向上のための対策や増患がテーマになっていました。 そもそも、いくら収益をベン…

勝ち残る5段階で進めるDPC戦略(2)

2.5段階戦略について DPCに踏み込んだ病院が、どうすれば成果をあげられるかについて、当社では、5段階での戦略を提案しています。 5段階は次のものです。 第1段階 基礎の確立 第2段階 病院原価の計算による自院の損益構造認識 第3段階 質を向上…

勝ち残る5段階で進めるDPC戦略(1)

DPCについて、そろそろ語りましょう。最近多くのDPC病院のコンサルティングをしていて、これから説明する各段階にいる病院とお付き合いをするようになりました。DPC病院はどうあるべきなのかを数回に分けて説明することにしましょう。 1.環境の確…

はいあがる人々

多くの人が悩み、努力している日本。そうした人々を励ましたり支援するシステムが不足していると思います。人間がもっている本来の力を引き出す教育や、社会が日本にはないのではないかと、いつも考えています。 元気な人はその元気さをもっと拡大できるよう…

3.5倍返し

この数字はなんだかわかりますか?DPC病院となれるかどうかの数字です。すなわち平均的な一般病床数×4÷総ベッド数が3.5以上ないとDPCの申請はできない(データ採用数/全病床)といったことにしようというのが厚労省の考えです。 1400もDPC…

DPCだけではありません

本日日本DPC協議会の理事会がありました。NPOの認可がおり、本年9月から晴れて、日本DPC協議会として活動しています。今日は理事会で、ご担当の方から申請のご苦労話や,複数の各理事の医師から過去の活動の総括がありました。 札幌、名古屋、福岡…

DPCセミナーin名古屋

今日は、名古屋で日本DPC協議会のセミナーがありました。お盆の入りだからなのか、新幹線東京から名古屋まで「たちっぱ」で意識を失う寸前でしたが、セミナーがあまりにも充実していたので、東京駅に18時に戻ってきたときにはとてもさわやかな、そして…

DPC及び後期高齢者医療を前提とした仕組みづくり(3)

3.各委員会の役割 各委員会は経営改革委員会を中心として、DPCや後期高齢者制度を意識した活動を行っていく必要があります。DPCや後期高齢者医療制度を無視して運営をしている現状において、これから起こるあらゆるリスクを回避することはできません…

DPC及び後期高齢者医療を前提とした仕組みづくり(2)

(2)後期高齢者医療制度 後期高齢者医療制度が平成20年4月から施行されます。4月21日に発表されたように、公的な資格として総合診療医が認定され、かかりつけ医として後期高齢者の看取りまで行うこととなりました。 後期高齢者医療においては、外来の…

DPCの勘所(2)

出来高からDPCに移行したときに調整係数等をつけていますが、3年後に廃止決定しています。多くの特定機能病院は、利益がでなくなるといわれていますが、代わりに急性期としての評価を行い便宜を図る方向であるといわれています。 (1)専門外来の有無↑ …

DPC及び後期高齢者医療を前提とした仕組みづくり(1)

今日は関東のある病院でミーティングをしました。そのときの資料です。何回も説明していることではありますが、さらに整理をしていただきたく、掲載します。 1.はじめに DPC及び後期高齢者医療について徹底した検討を行う必要があります。 2.内容 (…

DPCかDRGか

いま、巷ではDPCかDRGかで大騒ぎになっています。アメリカでは一入院当りの診療報酬であるDRGが採用され、一方日本は一日入院当り診療報酬であるDPCが導入準備されていました。そもそも出来高であった診療報酬が原則ドクターフィーをのぞきすべ…

DPC適用の勘所(1)

DPCの適用を行う病院は、平均在院日数、増患、コスト削減の3つの視点から経営を再構築する必要があります。以下は、あるときにミーティングで利用した資料です。参考にして下さい。 1.はじめに 平成22年にDPC全適がほぼ決まっています(DRGの…

DPC準備委員会の組成及び運営(5)

先日DPC協議会の総会がありました。川渕先生がお話をされ、DRGの線もあるのではないかといった説明がありました。実際、DPCもスタートしていないのに、結構混乱ですよね。 ただ、どちらにころぶかわからないという説もあり、今年手挙げがなければ、…

DPC準備委員会の組成及び運営(4)

DPC病院協議会と言う会があります。現在約70病院が参加しています。 本日はその総会が国際医療福祉大学でありました。そこで、DPCの分析が行われたり、またDRGとの比較が行われたりします。毎回の会合では厚労省の官僚や大学の先生が講演会をされ…

DPC準備委員会の組成及び運営(3)

3.具体的対応 DPC申請のための準備については、別紙にあるとおりの活動を行う必要があります。これは一般病床で、急性期をやろうとすればもう当り前のことになっています。 しかし、実質的には従来実施してきた事項を徹底しなければならず、再度確認し…

DPC準備委員会の組成と運営(2)

福島の病院でこの資料を学習したうえで、準備委員会がスタートしました。 1.はじめに DPC関連の病院のベッド数は、手上げしている病院を含め29万床になりました。 これは残る40万床の病院の三分の二以上の病院です。実際に40万床に入るため、多く…

DPC準備委員会の組成及び運営(1)

クライアントである函館の病院は、DPC準備病院として、昨年から作業を開始しました。これからは、DPC準備委員会を組成して、以下の点について議論することになります。 Ⅰ基本事項 ①DPCでの申請及び継続的事務管理 ②出来高からDPCへの移行に係る…