病院では、いろいろな仕事でボランティアさんが活躍しています。
花壇づくり、清掃、患者さんのお世話、病院軽作業といったものがそれです。
ボランティアの方は自分が病院のお手伝いをすることで、人のお役にたちたい、自分でできることで
誰かが喜んでくれたら、という気持ちをお持ちであると思います。
話は変わりますが、出張に行く朝5時ごろ、頻繁に駅の周辺の清掃をしていただいている何十人という方々にお会いします。駅の周辺はさまざまなゴミで汚れており、あるいていてとても不愉快ですが、こうした方々に清掃をしていただくことで、ほんとうにすがすがしい気持ちになります。
自分の部屋が思いっきり汚れているときに掃除をしたあとのすがすがしさを思い出して、ふと自分でもこんな清掃をしたら、しているほうも気持ちいいだろなと思うことがあります。
で、病院においても善意の方々に助けていただきながら、より地域に密着し、地域に貢献できる病院をめざそうという考え方があると考えます。
勿論、病院の職員がやるべきことをボランティアの方々に変わっていただくのではなく、より地域に浸透し、よろこんでいただける部分でボランティアのお手伝いをしていただこうということです。
米国ではボランティアの方々が病院のなかに入り、さまざまな活動をされていると聞きます。
皆さんご存知のアンジェリカ・チェリオットさんによるプラタナス病院計画にしても、プラタナス病院のコンセプトのなかで、
①人間相互作用
②情報と学習の重要性
③社会支援ネットワークの重要性
④癒しと生命力の重要性
⑤身体へのふれあいの重要性
⑥ヒーリングアートの取り入れ
⑦相補代替療法の積極的な取り入れ
⑧癒しの建築デザイン
⑨食事や栄養に対する配慮
(出典:よくわかる看護マネジメント、武藤正樹著)
をあげていますが、日本でもボランティアの方々にご支援いただきながら、地域住民の健康管理に貢献できる病院を志向することも必要な時代になったと考えます。
〔ドクタートレジャーボックス「医療と健全経営」同時掲載〕