よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

進化するマニュアル管理(5)職場内教育への役立ち

ある職場に3人のスタッフが同じ職場に入職したとします。
それぞれ上司がXYZさんであるとして、職場で教育を受けることになりました。

新人研修あるいは卒後研修のカリキュラムがあったとしても、それらが標準化されていなければどのようなことになるでしょう。

結局上司XYZさん3人の、経験や知識、レベルに応じたそれぞれの教育が職場内で行われます。
それぞれの上司の仕事の質はそれぞれの属性によって異なりますから、多くの場合3人のスタッフは付いた上司の質に影響されながら育成が行われることになります。

さらに、新規に入職したスタッフの誰か自律的に努力をして3人のレベルが結果として合うということはあるにしても、結局それが病院の望んでいるレベル(標準)であるかどうは別の問題です。

当初から病院としては、このレベルでの仕事をして欲しいといった標準を設定し、そのうえで当該資料を職場内教育のツールとして利用することが適当です。そのことによって、期待すべきレベルまで上司の質に大きく影響を受けることなく、スタッフが教育され、結果として病院の質を担保することができます。

勿論、マニュアルが改訂されるたびにそれは教育場面を通じて全スタッフに浸透し、常にベストのレベルでの仕事が保証されることになります。評価制度とリンクすることによって、より一層の訴求力をもつことができます。

マニュアルを職場内教育の標準ツールとして利用することが得策です。
なお、マニュアルから職務基準を作成するきっかけを得ることができます。職務基準(及び職能資格要件書)によってより一層資格毎のスキルを標準化することができます。

マニュアルを教育のために高度利用することが必要です。

〔ドクタートレジャーボックス同時記載記事〕