よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

チームで達成するためのリーダー

f:id:itomoji2002:20200208105445j:plain


 私がリクルート(現リクルートホールディングス)のA職として、飛び込み営業の仕事をしていたときの上司はチームリーダーの見本のような人でした。都心の小さな営業所の開設を行う部隊でしたので、人数も5~6名だったと思います。

どちらかというと鬼ではない(任侠映画のスターのように格好のよい)軍曹のようなイメージで、我々が当初入職した支社長が落ち着いた紳士という感じでしたので、タイプの相違がよくわかりました。

所長は時に厳しく、時に優しくしかし着実に我々をコントロールしながら成果を挙げていました。同行するときにはスーツを肩にかけ、鼻歌を歌いながら貴社したことも記憶にあります。自宅に招きBBQをする、成績がよければレンタカーで旅行をするといった気遣いもあり、かなりまとまったチームとしての活動をして成果を挙げていた記憶があります。

 

一方監査法人は部門がありパートナーの下にマネージャーがいて、インチャージ(担当責任者)がいる下で、仕事を一兵卒でスタートしましたが、マネージャー迄は雲の上の人で、インチャージと食事にいったことが数回ある程度で、あとは仕事を軸につながるという関係でした。

会計監査というルールにしたがった仕事のなかで一定のアドバイスを受けるけれど、それ以上の関係をつくるものでもない、チームはあるものの自立したかたちとしてのチームワークだったと思います。

私が退職したあとに海外旅行やパーティによるコミュニケーションのシステムができたようですが、いずれにしてもインディペンデントな世界であった印象です。

 

そして銀行です。銀行は入社した部門がコンサルティング業務を行うコストセンターであったことから、尊敬できる上司のリーダーシップに影響され、皆がよく勉強していました。もちろん、銀行らしく歓送迎会が多いなかで、今はないと思いますが、半期半期の飲み会や雀荘での祖域横断的なコミュニケーションはありましたが、監査法人よりもより階層的な社会であり、銀行員としての規律や仕事に対するプロフェッションとしての意識の上にチームが成立していました。リーダーが独創的な銀行員であり啓発され身体を壊しながらも、寝ずに頑張った思い出があります。

 

雑駁ではありますが、リーダーシップやチームの在り方は多様であり、そのときの仕事の内容、リーダーの性格や属性、メンバーの能力、属性により大きく影響されることが分かります。

 

リーダーのタイプはそれぞれであり、その時点で成果を挙げるリーダーシップは異なるという理論も腑に落ちます。

すなわち特性理論→行動理論→条件適合理論という推移のなかで、まさに「あらゆる状況に適用可能な普遍的なリーダーシップは存在しない」「リーダーを取り巻く環境との関係性でリーダーシップが成立する」という考え方がそれです。組織目標を達成するために、リーダー自身の人間性を基礎として、メンバーに合せたリーダーシップを柔軟にとれるリーダーの存在が求められています。

 

リーダーは生まれつきのものではなく、また画一的なかたちではなく、条件適合理論によるリーダーに必要な属性やスキルを自分なりに整理し、具体化することが有用だ、それができれば、どのような内外環境変化においても、活躍できるチームをつくり上げることができるという帰結です。次回以降、自分なりの考えを整理してみたいと思います。