組織を構成する人が力を発揮しなければ、組織は成果をあげることができません。いうまでもなく組織は人の集合体であり、人により成り立っているからです。
組織にヴィジョンや経営方針が提示されていないと、日々の仕事を行う目的が不明瞭になり、人(職員)のモチベーション(やる気)を引き出すことができません。毎日の仕事に時間を費やすことだけの連続は、いずれ働く者のやる気を失わせ、彼らがもつ力を発揮させられない状況をつくりだします。
自分が所属する組織は、何を目指すのか、何を成し遂げたいのか、といったビジョンを提示し、さらにそのための組織活動、さらにルーチンを超えた具体的な日々の仕事のやり方手法を提示することが必要です。
(1)ヴィジョンを示す
(2)戦略を明確にする
(3)経営方針を提示する
(4)具体的な目標を明らかにする
(5)職員一人ひとりの役割を示す(実行をコミット[約束]してもらう)
(6)手法を示す
「やるべき理由」「やるべきこと」が提示されてはじめて職員は、未来を見て、今の自分をつくりあげることができます。
日々の仕事の面白さや楽しさが必要なことは明らかですが、未来の組織の姿、そして働くものの姿を示すことが彼らの力を引き出すことを忘れてはなりません。
すなわち、上記が提示されることで、人は自分が組織のなかでどんな役割をもち、どのように成果をあげていけばよいのかを具体的に理解し、受容することができます(役割は本人のやりたいことを達成できるものである必要があり、事前のヒヤリングを行います)。
結果として、日常の仕事を積み重ねるだけではなく、何のために日々の仕事があるのかを納得し、主体的な行動をとることができるようになるのです。
ここに組織と個人の進む方向が一体になる環境が生まれます。
組織が、やるべきことを示すことが如何に大事であるのかがわかります。
トップマネジメントは、組織がもつ課題を常に把握し、上記を活用して、どのようにそれらを解決していくのか。自らの考え方を整理したうえで、戦略立案を担う経営企画室等に伝えます。彼らを通して体系を整備し、「やるべきことを」組織に提示、各部署長が本人と面談し役割の実行を約束しその達成を支援するというフローづくりが有効です。
なお、このながれをつくることが、各階層のリーダーにとって不可欠な役割であり、任務であることを理解しなければなりません。