評価制度は人事制度のひとつで、従業員の働きぶりや会社への貢献度を評価する制度を言います。
評価制度は、主に業績を達成できる職員であったのかを見る業績評価と、組織のなかでどう育てるのか、又どのように登用し、処遇していくのかをみる人事考課に区分されます。
業績評価は、目標管理により行われます。ヴィジョンから組織目標を設定し、戦略化し当該事業年度の経営方針とします。経営方針は事業計画に落とし込まれ、各部署の目標となり、個人まで目標が降りて一年間の活動の拠り所とします。
その結果、成果が挙がったかどうかを半年毎に評価し、賞与支給の対象とします。
目標管理制度の代わりに、BSC(バランストスコアカード)制度を導入することもあります。日本の目標管理はどちらかというと方針管理に近く、ボトムアップの領域はあまり多くありません。組織の決めたことをどのように実行するのかが管理されます。
もちろん、組織目標を決定するプロセスで、組織方針をどのように達成するのかについて各部署の考えが反映される仕組みにはなっていますが、組織の方針が大きく勝ります。
BSCは財務の視点と非財務の視点に区分し、非財務を業務プロセスの視点、患者の視点、学習と成長の視点に区分し目標を設定するものです。BSCでは指標化して具体的に行動したうえで目標を達成する方法を採用していますが、目標管理がいいかBSCがいいかはそれぞれメリットデメリットがあるので何ともいえませんが、このどちらかを使うことで業績評価がやりやすくなることは間違いないと思います。
人事考課は仕事の姿勢や態度をみる情意考課と、文字通り能力を測定する能力考課、そして業績評価を行い、昇給、昇格、昇進のためにつかいます。ここで昇格は資格があがること、昇進は役職があがることをいいます。職能等級制度という資格制度を導入することが前提です。
一般職、監督職、管理職に分けて仕事の内容により等級を決め、評価をします。
この仕事ができるようになればこの等級です、という決め方で、小さな組織では一般職1,2等級、監督職3、4等級、管理職5、6等級という設定です。各等級には号俸があり、賃金が号俸ごとに設定されています。
1等級は一つの号俸と次の号俸の差が200円で、5段階あがって1000円、ただし6等級の号俸差は2000円、5つあがると10,000円といった決まり方をしていて、上の等級に進めばすすむほど昇給率は上がります。
なお、昇格のためには条件(資格要件)をクリヤーし続けることが必要です。
業績評価にしても、人事考課にしても評価を行うためにはさまざまなルールをつくらなければなりませんが、最終的には、評価を行うことが教育につながるよう仕向けていく必要があり、並行して(職場内教育、集合教育、自己啓発等の)教育体系整備を行います。
評価を行うことは教育を行うことと同じ意味をもつことを忘れてはなりません。一人ひとりに光を当て、できていないことを発見し、それらをワントゥワンで教育する。当然のことですね。
これらの仕組みができることで、業績、働く姿勢、態度、能力の観点から、組織が求める人材が育成できることは間違いありません。
人を活かすことが組織運営の基本であるとすれば、評価制度や考課制度、そして教育制度を整備することが不可欠、という結論です。