人はどうしても易きにながれる傾向にあります。
仕事では、何かをやろうとしても、新しい業務を行うことについては抵抗があります。
「いま忙しいので、今それをやるのは難しい」は常套句で、多くの組織のなかでその言葉が繰り返されています。何度も何度も、この言葉に遮られ改革がとん挫する病院が多くあります。
どうしても必要だということになり、しぶしぶ重い腰を上げるという経験が誰にでもあると思います。
何かを始めたとしても、その仕事がルーチンワーク(日課=手順や手続きが決まった作業)にまで引き上げられないと定着しないことが多くあります。
ある仕事をルーチンまで高めていくためには、到達点や担当を決め、期日を決めていつまでに準備をし、いつからスタートしましょう、と指示を出します。
しかし、一度指示を出しただけではなかなか、先に進みません。(本人にとって)あくまでも余計な事は、できるだけやりたくないとの思いがどこかに残ってしまうからです。
もちろん、物理的に時間を捻出できないほど忙しいこともあります。意思も意欲あるけれど、本当に時間が足りない、というケースです。何かをして欲しい上司は、担当者の仕事内容を検証し、業務が本当にタイトかどうかを確認します。
明らかに仕事量が多いのであれば、担当を変えるか、指示した者の業務を他に移譲する、という決定や、さらには指示した者に能力の課題があることが分ればアドバイスや教育を行い、彼らの力を引上げ、現業への取り組みに余裕を生むよう誘導する必要があります。
そのことにより新しい仕事を受容れる時間をつくり、新たな取組みへの布石とするのです。
言い続ける、という言葉の背景には、目的を達成するために行動し続けるという意味あいがあることに思いをもてば、自ずと何をしなければならないのかが分かります。
時間があるのに先に進まない者、時間がないと主張し、対応できない者に区分し、前者には文字通り「言い続ける」ことを心掛け、また後者には「新しい仕事を行う障害への対応を行う」ところまで踏み込む必要があります。
なお、最も大切なことは、行なうべきことの必要性、担当しなければならない理由、そのことが自分にとりどのような意味があるのかを説明し、相手に受容れてもらえるよう取り組むことです。
ここで説明した「言い続けることの大切さ」を皆が理解し、仕事をより質の高いものにしていくことが望まれます。