よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

音楽と医療

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最近、メッキリ音楽を聞かなくなりました。昔からそうした習慣がなかったこともありますが、心に余裕がないのも一因でしょう。

 

ただ、たまにYouTubeで凄すぎるストリートピアノの演奏を観て、一人感動し咽ぶこともあります。音楽には心を癒す不思議な力があるんですね。なので、音楽は医療にも使われています。

 

医療と関連が強い音楽で、思いつくのは音楽療法にも使われるクラシック音楽です。音楽療法とは音楽が持っている力を利用し心へ働きかけ、結果として身体をも健康に導いていく治療法の一つです。

 

音楽療法は、代替医療の領域まで高まっているとの見方もありますが、音楽を使うことで、多くの患者を救うことができる、という意見は納得できます。

 

音楽療法でよくモーツアルトの曲が使われていました。カリフォルニア大学アーバイン校の心理学者フランシス・ラウシャーらが学術誌「ネイチャー」で音楽の効果を発表したからです。

 

モーツアルトの音楽は高周波を豊富に含んでいるため、旋律や響きが直接に脳を刺激し、自律神経を活発化する効用があるのではないかと推論されていました。

 

ただ、しばらく後に、実際にはモーツァルトの曲を聞くことでモーツアルトの効果が得られるのではなく、音楽そのものにより気持ちが高揚し、活性化することで、よい結果を得ることができるという効果だと結論づけられました。

 

結局、モーツアルト効果は否定されましたが、逆に音楽そのものの価値や効用がより高まったということがいえます。

 

何れにしても、医療現場でクラシック音楽を活用するのはとても有意義なことであることは間違いありません。

 

それではどのように音楽を活用すればよいのでしょうか。

 

病院では、院内から楽器を演奏できる職員をセレクトしコンサートを演奏することもあるし、また診療所においては、バイオリニストやピアニストなどを招き40分程度の演奏を行うなどが良く行われています。セミプロやプロの音楽家の方々は日本中に数多くいます。

 

弊社もパーティを開いた時に、謝礼と交通費の最低限のコストで海外のコンクールで賞をとったプロの方を招聘し演奏をしていただいていましたが、本来はプロになった方々への対価としては少なかったと反省しています。

 

なお、クラシック音楽を提供し、患者の治療に活用することだけではなく、地域住民を医療期間に誘導するため、毎週、ピアノをはじめさまざまな楽器による演奏を行う医療機関も出てきています。

 

音楽の素晴らしさを医療や地域活性化に活かすことはとても有益です。

 

コロナの今、世界中の病院でこの様な活動を中止していますが早期に元に戻り、再度、多くの医療機関が患者や地域住民に医療で安心と安全を、そして音楽でも癒しを提供できる場の一つとなることを期待しています。