よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

時代に合った、経営資源のうまい活用とは?

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経営資源には、ヒト、時間、情報、カネ、モノがあります。

 

最近、経営資源はヒトがとても重要だという風潮があります。「いい人いませんか?」とか、「できる人さえいたらな」などと聞くことが多くなりました。

 

何をするにしても、優秀なヒトがいなければ時代を乗り越えられないとか、就業人口が徐々に減少するなかで、仕事ができるヒトがいなければ、やりたいことができない、ということだと思います。

 

確かにその考えは一理あります。現実に出来る人がいるだけで、組織の景色は一変することがあるからです。

 

しかし、いくら優れたヒトがいても、彼らがすべてを生み出すことはできません。

彼らが動くための仕組みや環境がなければならないのです。

 

まず、経営資源を最適化するための組織戦略が必要です。

 

何をしたいのか、何をしなければならないのか、そのためにはどのような活動が必要かを明確に提示し、その達成のために時間を意識し、情報を活用、そしてそれらを達成するための資金を用意し、設備投資を含めた運用を行う、といった従来のながれを、どうしても欠かすことができません。

 

 ヒトが大切であることはもちろんのこと、何をするのかを決めて、何かを成し遂げていくためには言われる経営資源すべてを活用しなければならないからです。

 

新聞(令和2年7月19日)に、「コロナで人が在宅化したいま、ヒトに代替して、AIやRPAが使われて成果を挙げている。

 

また、コロナ前から工場ではAIやIOTによる生産の自動化が進み、職人に依存していた現場の改善が進んでいる」との記事がありました。

 

人口知能[AI(artificial intelligence]やモノのインターネット化[IOT(Internet of Things]、ロボットによる業務自動化[RPARobotic Process Automation]といった言葉で示されているように、時代が大きく変わりつつあります。

 

診療報酬改定においてもAIやIOT、それを活用した遠隔医療がテーマにあがってきています。

 

ヒトが時代の変化に気付き、行なうべきことを決め、そのための手を迅速に打つことができなければなりません。

 

これらに対する造詣をもった者が、自分そして組織がやらなければならないことのために、それらのツールをどのように活用していくのかを考え、行動することになります。

 

 何かを始めるときに自分、そしてヒトは必要ですが、

(1)未来も含めた時代を俯瞰(ふかん=高いところから見る)し、

(2)具体的な手法を確立すること、

(3)効果的に行う方法を考えること、

(4)それらを実行すること、

のために経営資源をどう活用するのかを考えて行動する必要があります。

 

なお、AIにしても、IOTにしても、RPAにしても、もとの仕事のながれを複雑にしてしまえば意味がありません。

 

仕事のながれを常にシンプルに、必要十分なかたちで廻せるようにしておくことが、これらのツールを使う前提であることを忘れてはなりません。

 

重要なことが一つ。ヒトは自分の能力を高め、代替さらないような力を身につけなければ、どの業種においても、他の資源にその座を奪われて、生き残ることはできません。

 

このことを忘れず、精進し続ける必要があります。

 

先ほどの新聞記事には、ヒトから他の資源に代替できる職場での定型業務は30%求人が減少している、との記述もあったことを補足しておきます。

 

仕事においては、そこで必要とされる者しか残れない時代、力をつけて、いつまでも優位性をもった貴重な資源の一つになり続けなければなりません。頑張りましょう^_^