よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

業務改善を侮らない

 

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 人類は、常に改革や革命を行なうことで着実に進化してきました。

 また、同時に日々改善を行い、新しい仕組みをつくり、より生産性を高めてきたのです。

 

 職業にもよりますが、私たちは、改革や革命を行う場面には、なかなか関わることはできません。

 しかし、改善を行うことは可能です。改善活動を毎日に取り入れ、日々行動を変容させながら成果を得ていくのです。

 

 ここで改善とは、より好ましい・望ましいものへ改めることや、そのための創意工夫の取組みをいいます。私は、そのことを「うまい、早い、安い」で表現しています。

 

 これは、1980~1990年代の吉野家のタグラインです。

 タグラインとは、企業、商品、サービス、ブランドなどが持つ特長や優位性を簡潔に伝えるための文言をいいます。

 うまい、はやい、安いは改善活動の直接的なテーマとして適切なキャッチコピーであり、改善を表現するときに使うと便利です。

 

 ということで、常によりうまく、より早く、より安く(合理的)に仕事を変えていこうという意識をもち、事に当たることが必要です。

 

 改善のためには、ムダ、ムリ、ムラを無くすことが必要で、仕事の標準化やルール化、仕組みづくり、簡略化、廃止、移管を行うことで対応します。

 そのことにより、以前よりうまくできるようになる、早くできるようになる、安くできるようになるという結果を得られます。

 

 生産性向上=同一資源による成果大をいうのであり、そこには定量的な効果が生まれます。

 

 時間短縮による単位当たりコスト削減が得られたり、収益獲得による利益拡大が測定されます。改善が行われたことの評価は、利益で行われるんですね。

 

 したがって、常に利益を意識した組織活動を行うのであれば、改善活動が必要であることが理解できます。

 

 当初仕組みを設計するときに業務の質や合理性を企図するのは当然として、業務を継続するなかで、常にそのモデルやフローを分析し、よりよいものへと変化させるために、改善活動を行うことは組織発展の基本です。

 

 「一生懸命やっています」、では免責されない厳しい時代を迎えた今、私たちは常に創造的に活動しなければならない環境に置かれています。

 改善を恒常的に行えない組織は残っていけないと覚悟しなければなりません。

 

 業務改善を重要な仕事の一部として、私たちは、これからも考え、工夫し、行動することが必要です。

 皆が常に現状を変え、よりよい環境をつくることで達成感を得られることを期待し、改善活動に取り組んでいきたいものです。