時間を存分に、うまく使うことを考える時に、まず行わなければならないのは時間の定義を明らかにする事です。
過去には多くの「時間とは何か」の議論が行われてきました。
雑駁にいえば、体内時間がある腫のたんぱく質によりコントロールされていることや、時間のながれは絶対的だといったニュートンや、相対的だというアインシュタインの主張があり、さまざまです。
ここで時間の定義の正確な議論をしようとすると、長い論文になりそうなので、分かりやすく物理的には絶対、心理的には相対的として時間の使い方という視点からの時間を考えてみたいと思います。
自分に与えられた時間をどう使うのかにより、ながくも短くも感じることがあります。
物理的な時間は誰でも同じとすれば、寿命が決まっている動物の一員としては、時間を最大活用するためにどう行動すればよいのかを考えなければなりません。
同じ1単位の時間で、「より多くの成果を挙げる」ことがうまい時間の使い方(最大活用=短時間に多くのことが出来ること)とすれば、以下のことが必要です。
- 計画性をもつ
- 仕組みをつくる
- 能力を高める
- 協力関係をつくる
- リズムをつくる
- 執着する
1単位の時間で何をするのかが予め決まっていないとき、その場その場の成り行きで行動すれば、思うような成果が挙がらず、所期の目的を達成出来ません。与えられた時間内にこれをする、と決めて行動しなければなりません。
例え、弛緩して心身の健康を増進するという時でもぼーとする時間の計画を立て実行する、といった具合です。
成果の定義は(定性的な成果は心の満足に依存することも含め)人それぞれですが、目的をもった行動がなければならない、という意味でも計画は大切です。
また、2の仕組みは、ルールだったり手順、方法、システム等をいいますが、これらが用意されていないと、その都度の対応を行う必要があり、非効率であり時間を有効に活用することは困難です。
目標や目的に合わせた仕組みづくりを徐々に行っていくことで、成果は逓増します。
時間をうまく使うために、3の能力を高めることに異論はないと思います。
知識や経験による技術や技能は間違いなく仕事のスピード、単位の時間当り生産性に影響するからです。
あることに精通している人としていない人、創造性がある人とない人では成果は異なります。
ただ、自分ではうまくできないことがあったり、時間が不足していても、周囲がその実行を支援してくれることがあります。
4で説明する他者との有効な協力関係をつくることが重要です。能力を広義に捉え人間力をも含めたうえで関係づくりを行える人は、成果を挙げやすくなることは容易に想像できます。
5のリズムの重要性は、個々の集中する時間を支援する生活に連関する事項です。
仕事の時間をうまく捻出したとしても、不規則で生活のリズムが整っていなければ、精神力や体力に悪影響を与えない筈はありません。
24時間は自分に与えられた時間であったとしても、余暇も含めた時間の使い方に一定のリズムが必要だと考えているのです。
さて、最後の6、執着です。結局のところ時間をうまく使えるかどうかは、執着にかかっていると思います。意志や信念、意欲や情熱は執着により持続すると理解しています。
もともと、意志や信念は、言葉の背景に執着をもつ概念だとは思いますが、「執着」は、ことさらにとりあげ強調する必要がある言葉だと思います。
執着はフレキシブルな対応の障害になるという意見もありますが、何か決めたことに対し一定の納得ができるまでは執着が必要です。
環境変化の度合いにより当初の計画を変えるときであっても、「○○をしなければならない」という方向においての執着を捨ててはならいという意見です。執着さえあれば知恵や工夫により時間をうまく使うことを諦めません。
執着は、うまい時間の使おうという意識の最後の砦と言えます。
自分の時間を何倍にも使うための取組みを行うことは豊かな人生を送るための第一歩です。
このテーマ、さらに深く掘り下げてみたいと思います。