内心は分かりませんが、平気な顔をして、大きなことを何げなくやり通す人がいます。
私自身は、何か壁にぶつかると気持ちが一瞬立ち止まってしまうことがよくあります。その後思い直し、何とか壁を乗り越えるよう最大の努力をもって取り組みは行うものの、大きなことを何げなくはやり通せない、という意味で大胆ではないと思っています。
なので、大胆な人をとてもうらやましく感じます。
とはいっても、大胆な人は、いくつかの類型に分れると考えています。
- 大胆なだけの人
- ときに大胆になれる人
- 繊細だけれども大胆に行動できる人
大胆なだけの人は、相手のことを考えず、自分勝手に見えることもあるどちらかというと図太い人、図々しい人といわれる部類の人です。
少なくとも社会では、こういう図々しいだけの、図太いタイプの人は生きていけません。
次に、ときに大胆になれる人です。
大胆には、度胸がすわっていること。思い切りよくやってのけることという意味もあり、こちらのタイプです。
図々しいというのが性格というか、その人の属性に起因する態度であるとすれば、思いっきりよくやってのけることは、その人の思いによる行動だという印象があります。
何か行動しなければならないときに、意図してこの場面では思いっきりよくやろうという具合です。
思いっきりやることにより高い成果があがる、だからここはひとつやってみよう、という意識により動くという姿勢です。
自分の性格がどうであれ、その場面場面でどう行動するのかを考えて行動するタイプといえます。
その意味では一部繊細さ=細かいところに気を遣ううえで繊細さ=細かいところに気を遣うという気持ちも一部持ち合わせているかもしれません。
3は、繊細だけれども大胆に行動できる人です。
この人は2のタイプのように、場合により大胆にということではなく、いつも思いっきりよくことをすすめるタイプですが、常に繊細=こまやか、というスタンスをもっている人です。
何をしたいのか、何が目的なのか、どうすれば最大の成果を挙げられるのかを考え、解法や代替案を策定し、最も有利なものを選択する姿勢があります。注意を払いこれだ、と決めたことに自信をもって、大胆に徹底して行動するのです。
こうして考えると、大胆と繊細は対語ではなく、姿勢を表す言葉として共存することができます。
こまやかに捉える領域と、そのうえで、やれることをやったという結果をもって思いっきり行動することは可能だという結論です。
前提を整備せず、いつも大胆、ではうまくいくことも行かないこともあると思うし、ときには繊細というのもどこかにリスクがある。結局は、繊細かつ大胆に行動することがベストであると考えています。
まさに「平気な顔をして、大きなことを何げなくやり通す人」は、たぶんこのタイプなのだと思います。
ビジョナリーカンパニーの中で、著者のジムコリンズが「謙虚だが意思が強く、控えめだが大胆」という成功する、第五水準のリーダーを紹介していますが、通じるものがありそうです。
判断を求められる職位や立場にある者は、経験や学習を通じて知恵を出し切れる自分づくりに励むとともに、常に情報を集め判断できるよう準備をしなければなりません。
何かに直面し判断をしなければならないとき、当りに気を配り情報を分析し知恵を絞り最適解を得て、繊細だけれども大胆に行動できる人を目指し、これからも積極的に行動したいと考えています。