よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

未来に向けて何をすべきか

 

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 混沌とした社会において、私たちが行うべきことは、

  1. 今を乗り越えること
  2. 未来に向けて今何をすべきかを考え行動すること

だと思います。

 

 今を乗り越えるために、普段から行うことは、ビジネスモデルが適切なのかを確認するとともに顧客を増やすために何をすればよいのか、単価を上げる、コストを逓減するためにどのような工夫を行うかを考え行動することです。

 

 当たり前のことですが、社会性や戦略、ガバナンスやマネジメントの多岐にわたる見直しを行わなければ成果を得られません。

 

 未来に向けて今何をすべきかを考え行動することは、今できていないけれども、やってみたい何かを検討し、行動することですよね。

 

 ここで、今を乗り越えることと、未来に向けて今何をすべきかということには重なり合うものがあらことに気付きます。

 

 今を乗り越えるために行うことのなかには、今のやり方をより強化する局面と、新しいことを追加的に行うことがあり、後者は未来に向けて何をすべきかの一部である可能性があるからです。

 

 しかし、本来の未来に向けて行うべきことは、ゲイリーハメルとプラハラードの、未来への競争戦略、コアコンピタンス経営にいうように、従来のプロダクト・サービスの何を強みとするか、何を役に立たない過去の遺物を見極めることです。

 

 ここでコアコンピタンスは、「顧客に対して、他社には真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」と定義されています。

 平易にいえば比較優位、強みですね。

 

企業は、

  1. 未来の視点から過去(現在)を振り返る
  2. 未来からみた従来の機能の新しい活用を考える
  3. 未来に対する優れた仮説や産業発展の在り方から付加価値、企業力、顧客との接点を視点として会社の方向をイメージする

必要があり、そのうえでコアコンピタンスの再評価を行うとともに、それをどのようにつくりあげていくのかを考える必要があると説明しています。

 

 自社の強みは何かを見極めるプロセスです。

 

 飲食業界を例にとり考えてみましょう。

 

 現在は飲食店に人がこない、来店できない理由は他の客との接しないこと。そこには、時間的、物理的制約があります。

 

 であれば、デリバリーをしよう、ネットでオーダーできるようにしよう、テイクアウト、無人販売、ケイタリング、出張料理人ビジネスに、という流れがあります。

 

 また、自宅で料理をすることが盛んになり冷凍食品が売れたり、調理機器の販売や、レシピ付食材の宅配、レシピに関わるビジネス、といった新しいビジネスが生まれています。

 強みを活かす個人や企業の活躍がみてとれますね。

 

 これは現状の環境や顧客ニーズに対応した現在の機能への付加価値です。

 

 店舗で食事をすることには高い効用があり、選択された店舗が存続することは間違いがないとしても、環境変化により従来にはなかった価値を消費者が感じているとすれば、元には戻らないと考えるのが適当です。

 

 未来からみて、環境が元に戻ったときに、飲食業界はどのように変化するのかを考えなければなりません。

 

 店舗の形状や機能が変化したり、デリバリーの質が向上する、革新的な調理機器が生まれる、オンライン料理スクールや出張調理人の増加や資格制度が生まれる、冷凍食品のレベルが向上する、健康志向がより強化されるなどの仮説が設定できます。

 

 自社の強みを特定したうえで、未来から過去(現在)をみて、未来を到達点(A)とした、現状(S)とのギャップを確認(C)し、何をすべきかの解決策(S)を立てることが必要です(またまた計画を適切に立案するときのフレームワーク、ASCS[アスクス]の登場ですね)。

 

 そのうえで、これから自社は何をすべきなのかを考え仮説の検証を行なっていくのです。

 

 とはいっても、どのような業種でも、まずは自らの強みを意識しながら、経験したことのない危機である今を乗り越えるために、できる限りのことを行うことから始めるのが大事ですね。

 

 付加価値、企業力、顧客との接点を視点として工夫し、改善しながら行動し、顧客を増やし、リピート率を向上するとともに、単価を上げる(需要の価格弾力性が高い場合には単価を下げることが有効なケースがあります)、コストを逓減することへの取組みを行うことが、未来をつくる第一歩であることは間違いありません。

 

 新しい年を迎え、各人それぞれが、未来を見据えつつ、しかし今を乗り越えるために強みを活用した闘いをただちに開始する必要があります。