厳しい環境を迎え、ほんの少しだけ重い気持ちになることがあります。
すぐに思い直し、今やるべきこと、次のために準備すべきことに取り掛かりますが、そんなときに心が餓(かつ)えているのは、清々しさです。
「清々(すがすが)しい」
いい響きですね。清々しいの意味は、爽やかで気持ちがいいこと、です。
それぞれ清々しい、と感じることには違いがあるとしても、言葉を耳にしたとたんに、人は何かの情景を思い浮かべるでしょう。
私が「清々しい」という言葉で想い起こすのは、ここ最近は訪れていない軽井沢の山や高原の風景です。
早朝、ホテルのドアを開け、二、三歩進み、朝の冷気と緑の香りや鳥のさえずりに身体を包まれて、自然のなかにゆったりと身を任せます。
両腕をそらし、胸いっぱいの深呼吸をして、鼻腔から心地よい酸素を肺胞の隅々まで取り込むと、何とも言えない至福の感覚に浸れます。
それが清々しいのイメージです。
なお、清々しいの本来の意味は、活力とエネルギーを与えるさま、だそうです。
清々しく人生を生きられたらどんなに幸せなのかと、考えます。
「清々しい生き方」には、思いつくままに、いろいろな角度からみると、
- 明るく笑顔、
- いつも元気、
- 計画的かつ
- 積極的に行動する、
- はきはきした言葉遣いができる、
- 思い切りがよい、
- 人の意見を聴いて、自分の考えとのバランスがとれる、
- 相手の思い通りの成果を挙げる、
- 要領がよい、仕事が早い、
という感じがあります。
一緒に仕事をしていても気持ちいいし、清々しいな、という印象です。
こちらの意図を汲み取り、手際よくさくさくと仕事が進む人と仕事をしたときに、受ける気持ちなのかもしれません。
つまり、生きるときの清々しさというのは、
- 表情
- 態度
- 姿勢
- 能力
といった要素により成立しているんですね。
仕事ができる人がすべて清々しいわけではありませんが、上記でいう特性をもった人で、仕事ができる人が清々しい人なのだと思います。
できる人だけど、一緒に仕事はしたくないと言われるのだけは嫌ですよね。
清々しい人は、もともとの性格の違いもあるとは思いますが、ずっと計画的に努力してきたので鍛えられ仕事に精通していて、相手の立場に立ってうまく進める方法も身に付けている、
どのように行動すればよいかが分かり、それが習慣になるとともに、そんな生き方が気に入っているので自然に成果が挙がる。自信もあるから臆することなく堂々と爽やかに生きられる。
そんな感じですね。
組織の昇級・昇格・昇進を決める人事考課制度では、情意考課における規律、協調、積極、責任の各項目と、能力考課である資格で評価される仕事に、求められる能力を備えること、業績考課において、目標達成を行い業績を挙げることを考課の対象としています。
こうして考えると、組織は意図せず、爽やかな、清々しい従業員を求めてたのですね。
清々しい人が多くいる組織は成果を挙げやすく、成功する確率が高いのも合点がいきます。
自分の仕事であった出来事を、ずっと振返ると、さまざまな場面で、いろいろはありながらうまくいっている人は清々しく、また成功している組織には、必ず清々しいリーダーや従業員がいたことに気付きます。
ところで、コビィの名著「7つの習慣」では、成功するために必要な行動として、以下の7つを上げています。
- 主体性を発揮する
- 終りを思い描いて行動する
- 最優先事項を優先する
- ウィンウィンを考える
- 理解に徹して理解される
- シナジーを創り出す
- 刃を研ぐ
コビィは、成功するための人格主義を主張します。
真の成功は、技術だけではなく原理原則を押さえた人格により成し遂げられる。
上記の7つを習慣により行動すること、そして、そのなかで自分はどのような人で、どのような考え方を持っているのかを周辺に伝えることが必要としています。
ここで、7つの習慣により生きる人は、清々しい人の要素を網羅していることが分ります。
置き換えてみると、
- 主体性を発揮する→積極的に行動する
- 終りを思い描いて行動する→計画的かつ
- 最優先事項を優先する→要領がよい
- ウィンウィンを考える→相手の思い通りの成果を挙げる
- 理解に徹して理解される→人の意見を聴いて、自分の考えとのバランスがとれる
- シナジーを創り出す→5の結果
- 刃を研ぐ→仕事が早い
いかがですか? 私があげた順番通りではないにしても、ほぼ符号するので自分でも驚いています。
さまざまな性格の人がいるとしても、自分の決めたことを成し遂げるためには、ここでいう「清々しく生きる」ということが、一つのキーワードになってくるのですね。
自分のやりたいこと、やらなければならないことに懸命になり、清々しく生きることが、自分の人生を思い通りに生きる方法である、ということができます。
今までを自分を振り返り、
- 清々しさとは何か、
- 自分のどこに清々しくないところがあるのか、
- それはなぜなのか、
- どうすれば課題を解決できるのか、
- どのように行動すればよいのか
を考える。そして、
- いつまでに清々しい自分になるのか
を決めて、何があっても右往左往せず、冬は必ず春となると信じ、春や夏のための備えをしっかりと行うこと。
不退の決意をもって未来の自分づくりに励まなければならないと、考えています。