よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

夢のために生きる

f:id:itomoji2002:20210324125602j:plain

随分と昔のこと。TVで「出口のない海」を観ました。潜水攻撃艇回天を題材にした映画です。

 

回天は、太平洋戦争末期に開発された、操縦する人間ごと敵艦に体当たりする海軍の魚雷です。一度出撃すれば戦果があるなしに関わらず生還できない究極の特攻兵器でした。

 

回天の訓練生に選ばれた市川海老蔵は、明治大学の野球の選手です。戦争でなぜ死ぬのかを自分なりに解釈し意味をもたせる場面に、胸が締め付けられる思いがしました。

 

「回天というものがあったことを伝えるために自分は死ぬ」と彼は明るく言います。父親に言われたことを部下に語り戦争について葛藤しながら自分の死ぬ意味を見出そうとしている姿を、とてもつらく思いました。

 

国と国が戦争状態にあるけれども、なぜ自分は人を殺傷しなければならないのか…。その結論がその言葉だったのです。

 

現在、中国や香港、ミャンマーなどいくつもの国で政府の弾圧により多くの人が亡くなっています。殺すほうも殺されるほうもそれぞれ矛盾を感じながら行動しなければならなかったのでしょう。不幸なことです。いまだに戦争が繰り返されている。人類は学習せず進歩もしていないのではないかと思います。

 

日常にある死や生について軽々しく語ることはできませんが、いろいろな出来事は自分がどう生きるかについて振り返る機会になります。

 

今の私たちの仕事にどのような意味をもたせるのか、どのように生きていくのか。あまりにも甘いそしてもったいない生き方をしているのではないか?自分は何をしなければならないのかと考えます。

 

悔いのない生き方ができているのか自分を振り返るのです。

 

私も、他の人々がきっとそうであるように日々悩み懸命に生きようとしているのは事実です。しかし、それで満足することなく、どのようなことでもよい、さらに人に喜んでもらえる実証を示す生き方をしていかなければならないと感じています。

 

この映画のタイトルは、浮上することのない回天に乗り、広い海の中で自分達にはどうしようもない生き方しかできない状況をよく表現していると思います。今の日本の未来や世界のこれからにもそうした閉塞感があります。

 

しかし、必ずそうではない道を選択できる何かはある筈です。革新や改革そして創造的な活動を通じてそうした道を皆でつくりあげていかなければならないのではないか、そんな思いがあります。

 

今の日本に頼り切ることは困難だとしても、今はあの時代のように何もかもがんじがらめではないことは幸せです。

 

映画の主人公が部下に語りながら球を投げる印象的な場面があります。投げたいと思っていた魔球を投げられて「これが俺の夢だった」と喜ぶシーンです。

 

プライドと使命感に裏付けられた仕事により、どのような形でもよい日本の未来をつくるほんの小さな一助になる。そんな夢をもって活動できたら良いなと考えています。