物事には原因があって結果がある、というのは誰でも理解できます。
ところが不都合なことが起こると、それは自分のせいではなく、他人や環境のせいである、とする人がいます。自分に不利益なことは、他人や環境のせい(原因)にして自分の責任を逃れることは楽ですよね。
しかし、そうした姿勢でいる人は、たびたび自分の思うようにいかないことが起こり、いつも社会や環境に不満をもち、やりたいこともできない、成果の挙がらない人生を送るはめになります。
なので、「身の回りに起こったことはすべて自分が原因」とするのが適当です。いつ起こるか予測出来ない災害ですら、何かが起こる前に不足の事態を予測し先回りして準備をすれば、リスクは最小限に押さえられる、と考えなければなりません。
生活や仕事で何かが起こるのは自責であり、ほぼ自分のせいである、という帰結です。
もちろん現界はありますが、すべては自分のせいで自分に原因がある、起こりうることを予測し、どうすれば抑止できるのか出来る限りの準備を怠らない、という態度が物事をうまく行うポイントなのです。
他人や環境のせいにして、ぐちぐちしているより、常に自己責任、どうすれば良いかを考える方が良い結果がでます。また、成長出来るし爽やかに生きられます。
ジェームズ・アレンは、心のなかで生まれた「思い」は現実となって現れる、として1902年「原因と結果の法則」を書きました。
同書では、「環境が人を創る」のではなく、「人が環境を創る」と定義し、人間は環境に左右される存在でなく、自己犠牲を払って(あることにフォーカスし、他は我慢することで)獲得した自己コントロール力によって、いつでも現状を打破できる、と説明します。
多くのことは自分のコントロールにより管理できるという趣旨で、環境や他人のせいにしてはならないという読み方ができます。
行動が結果を生むという前提で「思いをもって行動すれば、どのような環境であれ、自分の思い通りに進む」という考え方は多くの人々の支持を受けています。
ここで、結果を出すために必要なことは、思いと行動ですが、思いが自然に行動、そして結果につながるためには、いくつかの条件があると考えています。
- 思いを強く持つこと
- 信念に変えること
- 行動内容の明確化
- 計画的な行動
がそれらです。
思いがなくても、思いが弱くても行動に結びつきません。また、強い思いは信念により具現化するし、間違った行動であれば間違った結果を生みます。
信念に裏付けられた行動であったとしても、適切かつ具体的なものであることや計画的なものでなければならないからです。なので行動内容の明確化が不可欠です。
例えば仕事で結果を出すために必要なのは、まずは自分のスキルを鍛えること。自分がどのような職種に就き、どのような仕事をするのか、どのような技術や技能を身に着け、結果を出そうとしているのかを考えなければなりません。
さらに何をするにしても人間としての魅力、すなわち豊かな人間性(人としての感情、倫理、知性)や、人間力(自立した人として力強く生きる総合的な力)を身に着ける必要があります。
また一人で結果を出せないことを考えれば、他者の支援をしたり受けたりが大事です。他者との関係性を良好にすることが必須であるところ、他者とのコミュニケーション力が求められます。
可能な限り、自分の思い、スキルを伝え、人間力を以て他者と情報をやりとりしながら、やりたいことをやり続けることで結果を得られます。
そして、上記は「計画的な行動」である必要があります。やみくもに頑張るのではなく、目的を達成するための具体的な行動を5W2Hに落とし込み、行動をPDCAによりコントロールしながら成果を挙げなければならないのです。
思いがあり、思いを信念に高め、技術や豊かな人間性を身に着け、コミュニケーションをとりながら徐々に成果を挙げて満足し結果を出す、という結論です。
これは、思い、信念、技術力、人間力、コミュニケーション力、達成感より正六面体(キューブ)をつくることが成功の6要件だ、とする拙著「サクセスキューブ(幻冬舎)」の考え方に符合します。
なお、ある原因により生まれた結果が思い通りであったのかを検証し、課題を出し修正することや、次の原因をつくるために、思いをもち行動をしなければなりません。それが次の結果を生むからです。
思い→行動→結果→思い→行動→結果…という循環のなかで、いま何をすればよいのか、何をしたいのかの思いを信念に昇華させ、そこにフォーカスし自己犠牲のもと自己コントロールすることで、思い通りの人生を歩む、と整理できました。
原因と結果、そしてその循環を念頭に、過去を一度反芻してみる必要がありそうです。