よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

成功のための6つの視点  

 

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思いをもち、やりたいこと、やらなければならないことを決め、その実現のために力をつけるとともに、多くの人々の役に立つことで、彼らから支援を受け、成果を挙げるのがビジネス成功の要諦です。

 

ビジネスパーソンは自分を鍛え得意分野をつくり、他者との関係づくりを怠らず日々活動しなければなりません。自立しても独りでできることは限られているからです。

 

自立と連携(independence & cooperation)がキーワードになります。

 

このとき、ビジネスパーソンが目標を決めて力をつけ他者との関係性を拠り所に、ただ、闇雲に動くのでは成果を十分に得られない可能性があります。

 

どのような視点をもって、やりたいこと、やらなければならないことへの計画を立て「自立と連携」に基づいて行動すればよいのかを考えることが、必要です。

 ここでは、

  1. 成長(growth)
  2. 進化(progress)
  3. 協働(collaboration)
  4. ベンチマーキング(benchmarking)
  5. 支援(support)
  6. 創造(creation)

の6つの視点を検討します。

 

自立と連携について、まずは自立を考えます。自分が自立し、「この分野は彼に任せられる」といった一定の力をつけなければ他者との連携は行えないからです。

 

もちろん、一足飛びに自立できないこともあるため自立しきれないままでの関係性づくりは大切です。しかしある領域においての自立がなければ、他者から認めてもらえません。

 

成果を挙げるためには、思いや信念、技術技能、人間力、コミュニケーション力が必要です。「いい奴だという評価」だけで仕事を行い続けることには限界があります。

 

自立しつつある場面においても、また一端ある領域で自立した後にも、常に意識しなければならないことがあります。

 

それは、成長進化です。

 

今の領域で経験を積み学習し鍛錬することで、より大きな自分をつくりあげていくこと(成長)を忘れてはなりません。自立しよう、自立しているという自覚と客観性をもって仕事をしていくとしても自立には終わりはありません。環境や時代の変化もあり止まれば遅れます。「成長し続ける」という視点をもち行動しなければなりません。

 

そして進化。進化は新しい分野への展開や、能力開発、そして技術革新を行うことで成立します。今の領域を越え、自分を進化させる計画的取組みやチャレンジを行っているかどうかが問われます。

 

他者との関係性は、「この人は成長しているな」、「進化しているよね」、という状況において、より強固になり、また拡大すると考えているのです。

 

次に連携です。連携を行うこと、すなわち関係性をもちその質量を拡大するためには、協働ベンチマーキング支援、そして創造の視点を持たなければなりません。

 

協働がなければ関係性は成立しません。同じ目標のため同じ仕事をすることや、指示のもとに動くこと、役割分担を行い成果を得ることも含め、力を合わせ両者で活動します。協働が連携の重要な部分を占めています。

 

ここには相互に人や取引先を紹介し合い人脈やネットワークを広げることで新たな取引を始めたり、クロスセリングを行うことも含まれます。

 

協働において、ただ自分が能力を発揮するだけではなく、相手の仕事の仕方、方法、手順、システムについて良いところを吸収しながら仕事をすることが必要です。せっかく一緒に仕事をするのであれば、相手の知りうるすべてを相互に観察し、優れたポイントを学び、自分のものとする活動が有益ですね。

 

「なるほど、このやり方はいいな」、「この仕組みは勉強になる」、といった具合にベンチマーキングを行いながら仕事をするのです。

 

協働による経験はその人の知見となり知恵となって身体に蓄積され、成長の糧になることは間違いありません。一方、相手も自分をベンチマークできるよう、能力を高め比較優位性を身に着ける努力をしなければなりません。

 

なお、双方に「背中を見て育ってね」、というのではなく、相手から申し出があればノウハウを快く提供し、相手が自分のマネをし易いよう支援するのも大事です。

 

もちろんビジネスなので連携における取り決めはしっかりしておくことは前提になりますが、連携し目標を一にして行動する限り、守秘性をもつ事業の根幹にかかわるシステムやノウハウで、どうしても提供できない情報を除き、「いやそれは教えられない」、「真似するは違反だ」のような対応をしないことが真の連携をつくりあげるポイントの一つになります。

 

そして創造です。連携、ベンチマーキング、支援の帰結は共同してビジネスを立ち上げたり、新技術の開発、事業領域の拡大などを行うことです。イノベーションという大げさなものではなく、両者のリソースを出し合い、新しい何かをつくることから始めれば、さらに大きな連携の成果を得られます。

 

自立を前提とし連携することで、ここで示した協働、ベンチマーキング、支援というフェーズを通り、協力して新しい価値を創造できれば、自立のレベルも上がります。

 

自立が連携を誘導し、連携が自立の強度を増す。そして高いレベルでの自立が次のステージでの連携を生む、といった理想的なスパイラルに入れるのです。

 

厳しい時代を乗越えるため、自立と連携を通じ、自らの思いを遂げ、達成感を得られるビジネスパーソンが多く生まれることを強く願っています。