使用するデータを更新しつつ何回も行なっている「増患対策10の原則」というタイトルでの医療機関向け講演会を行いました。
このレクチャーでお伝えしたのは大まかに言って以下の内容です。
- 海外に比して課題の多い日本の医療事情
- 少子高齢化による聖域なき社会保障費抑制
- 就業人口減少による働き手不足
- 日本経済は回復しない(ワニの口はもう閉じない)
- 欧米の好景気による金融緩和の終息と不況下のコストプッシュインフレ
- 失われた30年で資産は減少し可処分所得は全く増えていない
- マネジメントとりわけ(決めたことを確実に実行するために)ガバナンス見直し・整備が必要
- マネジメント5つの視点(1ガバナンス、2可視化[=ヒト、時間、情報、カネ、モノ]、3生産性向上、4増患(顧客増)、5単価up)
- 待つ医療から出向く医療(6ポケッツへの挑戦)
- パープルカウ(Purple cow=比較優位性)で勝ち残る
- 職員(社産性員)とのコミットメントによるベクトル併せ
- マニュアル作成や業務改善による改訂・運用による個人技術技能向上と仕事の見直しによる成果獲得
- 7つの行動規範
- 評価・教育ツール(教育カルテ)について
- 利益は患者(顧客)評価の証
- 成功事例10のベンチマーク
人口減少、景気悪化のなか組織や人が力を付け、患者(顧客)を増やせるのかに医療(事業)の盛衰は依存する、というストーリーです。
結露として「増患対策10の原則」は、
- 戦略明確化
- マネジメント強化
- 組織一体化
- 個人の役割明確化
- 教育・業務改革
- 組織的支援
- 医療(仕事)の質向上
- 告知(プロモーション)活動
- 増患(顧客増)プロジェクトの運用
- トップ自らの行動
であると結論づけました。
ここで上記は医療だけではなく、すべての業種の組織に不可欠な事だと分かります。
とりわけ、個人の役割明確化のなかで、
- 患者(顧客)が減り診療報酬が引き下げられる傾向にあるなか、どのような環境変化にも耐えられる組織
- 強い組織は強い職員から生まれる
- 仕事の仕組みの見直しと個人の技術技能向上が質の高い合理的な組織をつくる
- そのためには明確な戦略実行とやる気のある、力を発揮する職員づくり
- 仕事の質が上がれば生産性も向上する
- 力を発揮する職員(社員)づくりのための仕組みが必要
- やる気をつくるのは承認や達成感(ハズバーグ)
- 組織目標を達成することが職員の達成感につながるマネジメントが重要
と説明したこと、また、マネジメント強化におけるガバナンス体系を整備し、時間軸をもって管理すること、すなわち、
- 理念
- ビジョン
- 戦略
- BEP分析→短期利益計画
- 経営方針
- 事業計画
- 行動計画(5W2H)
- 予算実績管理
- 目標管理(KGI→KFS→PD→KPI)→コミットメント(約束)
- 管理会計
- 財務会計
- 成果獲得
のながれと、個々のアイテムの質を上げることは、厳しい時代を迎えた日本における、組織運営の原点。
なんとなくできてはいるものの、完全ではない組織が多いなか、すべての組織が対応を迫られている改革領域だと気づきます。これらは医療のみならず我々グループの、あらゆる業種のクライアントが直面している課題でもあります。
しごく当たり前の講演会の内容ではありますが、改めて資料をみて振り返り、我々自身のこととしても捉え、来るべき未曽有の危機を乗り越えるために、日々努力しなければならないと強く決意したのでした。