よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

成長プロセスの要諦


人が成長するときにどのようなプロセスを経るのかについて考えます。ここでの成長はいうまでもなく、人が物理的に育って大きくなることではなく、「思い描いた事柄を会得したり身に着けること」言っています。

 

長年お付き合いしている周りの人々が、何かに自信をもって取り組むようになった過程を振り返ると、そこには同じような一定のプロセスを踏んでいることが分かります。

 

そこでの人の成長プロセスのポイントは次のものであると考えています。

  1. 情報
  2. 知識
  3. 行動
  4. 経験
  5. 知恵
  6. 行動
  7. 修正
  8. 叡智

何かを成し遂げるために、人は、まずあることに対する情報を誰かに教えてもらったり自分で調べて集めます。思いつきや感覚だけで何かに精通することはあり得ないし、気持ちや思い例え信念があったとしてもそれだけでは前に進めません。さまざまな関連すると思われる情報から焦点を絞り知りたいことを抽出する段階です。

 

知識とは「あることについて知っている内容」をいいますが、本当の知識は単に「あっそれ知っている」というレベルではなく当然ではありますが「何かについてよく理解している」ことをもってこそ本当の知識であると言えます。

 

理解するというのは、その意味するところを飲み込むことだとすれば、表層的な状況ではなく少なくともそのことについて体系的に説明ができるものでなければならないと考えているのです。

 

そして行動です。知識を持って行動しなければ対象となる事柄を会得したり身に着けることは困難であり、机上の空論に終わります。あれこれ思い描くだけではなく、行うべきことを行うため実践により関連する知識を増やしたりそのものの理解を深めていくのです。

 

経験を積み自分の理解が正しかったのか誤りであったのかを確認し、ノウハウを身に着ける機会です。経験を積めば積むだけ知識は知恵になり、活き活きとしたものに変化します。

 

知識が進化し実践的かつ実務で効果的に使えるものになるのです。応用が効くし物事に柔軟に対応できるようになります。

 

機を捉え自ら求めて積極的に行動を起こし、さらに自分の理解に磨きをかけたり、一部の見直しや修正をかけることにより、本当の意味で「思い描いた事柄を会得したり身に着けること」ができます。

 

この段階で知識は知恵を経て叡智となります。

 

叡智は「物事の道理に深く通じる才能や知恵」をいいますが、ここまでくると例え小さなことであっても他に優位性をもつプロフェッションとして行動できる、と考えています。

 

なお、このプロセスは平たんではなく、また一直線ではありません。右往左往したり紆余曲折を経て蛇行しながら挫折を乗り越え、やっと得られる道だと思います。思い描いたことが思い通りにならないことも多く、犠牲を払いながら最期まで達成できないこともあるでしょう。

 

達成できたとしてもそこに至るまで上記各場面で多くの人々の協力や支援があり成立する性格のとのであるのはいうまでもありません。会得したい事柄にどれほどの思いや信念があるのか、周りを引き込める力を得るために、人として成長できているのかも重要なテーマですね。

 

少なくとも、何かを成し遂げるためには「思い→情報→知識→知恵→叡智」の5つのプロセスアイテムを意識し行動していこうということです。成長プロセスの要約ができました。

 

ただ、こうして整理を終えてみると自分にはできていないことが沢山ある事に気付きます。再度自分の事にあたる姿勢や行動を見直し、最期まで、できる限りのチャレンジを続けて行きたいと思います。