よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

手仕舞いの過程

当たり前ですが、人には個人差はあるものの誰にも寿命があり最期があることを意識して生きてきたつもりでした。しかし、振り返るとそれはかなり感覚的だったのではないかと反省しています。

 

本来から言えば、働いている自分が、

1.どのように仕事から離れ、

2.自分と向き合いながら生活し、

3.寿命となり最期を迎えるのか、

を意識し計画的に行動することが必要でした。

 

これら手仕舞いのプロセスを考えず日々の仕事を黙々と続けていくことの次に最期があるという認識だったと思います。

 

単純な話ですが、いつかはいわゆるリタイアをして、あるいはリタイアに向けて今の活動をどのように減らす。そして自分の好きな、できなかった事をしながら自分と向き合い過去を慈しみ、残された少しの時間を愉しみながらゆったりと過ごす。満足した時間を経て遂に最期の時期を迎える、という段階を考えず、ある意味で無謀な日々を過ごしていました。

 

目を細めて子供達の小さい頃の写真と今を見比べ、みごとに成長している姿に感心しながらも、一方で時のながれる速さを思いしらされることがありました。しかし、自分がこんなにも疲弊し、肉体的に老いていたことにはなぜか実感が湧かなかったのです。時のながれは早く、振り返れば人生は短い。

 

何年か前から様々な疾患により入退院を繰り返していながら、あるときには友人の突然の訃報に悲しみ、さらに周りの経営者の重篤な病名を心配しながらも、自分は相変わらず思いついた事を信じ、後先を考えずに遮二無二生きていました。

 

こうして身体が言うことを聞かず、診断結果を突きつけつけられ、ほとんどの仕事から手を引くことになり、はじめて自分が人生の何処の位置にいなければならなかったのかが理解できました。

 

自分がこれからどう生きていくのか整理できておらず、また目処はたっていませんが、一日一日を自分なりに懸命に生きていこうと思います。

 

思いがけず人生の総仕上げの時期を迎えてしまい、いままでの自分に少し後悔はありますが、これからも自分の生き様から感じた何かをお伝えできる機会を持てれば、と願っています。

 

                   2022年7月