
生きるうえで誠実さはとても大事です。誠実さとは、嘘や偽りがなく、心から物事に取り組む姿勢を指します。 真面目さや相手の立場にたつことや、思いやりなど、さらに多くの意味があると考えています。
組織であれば、組織の目標を達成するため自分の私利私欲を求めず、精いっぱい自分の役割を果たすといったことだし、部下を持つリーダーであれば、部下が同様に力を発揮できるよう適切な目標を設定し、成果を挙げるよう誘導する環境をつくることだといえます。
自分の権威を振りかざして部下をコントロールするのではなく、部下の強み(特性)や好きな事(思考性)により、最も適した接し方や目標設定を行ったうえで、彼らが最大限力を発揮できるよう誘導していくことが誠実さだと考えているのです。
自分であれば、組織の意図、上司の立場、仲間の置かれている状況に鑑みて、自分がどのように振る舞えばよいのかを考えたうえで自分の役割を果たすし、リーダーであれば、それらを含めたうえで、部下一人ひとりがどうすれば、最もやる気になり、組織の力になるのかを考え行動することが誠実さある対応と理解しています。
もちろん、組織目標の達成を念頭におきながら、取引先についても同じように対応することで良い結果が生まれるのは自明の理です。取引先との関係をつくりあげるときに自分が自分が、もしくはこちらでは、というだけではなく、こちら側の思いと相手の立場や考え方を整理したうえで、合意をしていかなければなりません。
こうして文字化すると、そうだよね、当然だと思うのですが、実際はそうはいきません。そもそも今だからそう言えるので、過去、独立して自分がプレイヤーであり部下を指導する立場にあったときに、優等生のような行動ができたといえばそうではありません。
やはり自分を中心に行動するだけで走り抜いていたし、不真面目な時期も、そして相手の立場や目標についても理解できていないことが多くありました。部下についても自分の思いを伝えることはしていたものの、一方的に役割を明確にするだけで、いまでいう1on1についてもあるべき形で行っていたかというと、ほぼ出来ていなかったと思います。また、振り返ると取引先との関係においても、その場での対応をしており、相手の立場を理解して将来の関係をどのようにつくりあげていくのかを俯瞰した付き合い方ができていなかったことが多かったと後悔しています。
高い目標を掲げ、寝食を忘れて仕事をしていたものの、誠実に行動していたのかというと大きく疑問が残ります。真に誠実に生きるといのはとても難しいことですね。
今朝、リビングの本棚にあったドラッカーの本を手にとると、ドラッカーは、リーダーやマネージャーには、インテグリティ(真摯さ、誠実さ、高潔さ)が必要であり、以下のアイテムは、それらが欠如していると説明しています。
- 強みよりも弱みに目を向ける者
- 何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心をもつ者
- 真摯さよりも頭のよさを重視する者
- 部下に脅威を感じる者
- 自らの仕事に高い基準を設定しない者
- 実践家ではなく評論家である者
さすがに、こうした状況はありえないし、私が働いていた二つの会社でもあまり経験したことはありません。自分でもこのような姿勢をもったことはなかったと思います。ただ、それは自分の印象であり、振り返りのなかで検証すれば、そういう対応だったかもと感じる場面も想起できるし、客観的に見れば、「いやいやそれは明らかにそうでしょう」と言われることもあったかもしれません。
何れにしても、自分が誠実でなかった事象が多くあったことは明確であり、またドラッカーのいうインテグリティの欠如もあったことも事実でしょう。文字面だけではなく、インテグリティの意味や必要性を心底理解し、自分は果たして人として誠実なのかという問いかけをこれからも頻回に行いながら、機会を得て仕事を続けていければと考えています。