よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療のながれと地域連携

NDrと年末に話をしました。

N先生は、都内で内科、透析クリニックを開業していますが、医師の集まりであるグループをもち、多くの出版やメディアへの提言を多く行なってきている先生です。

インフルエンザワクチンを今回も多くの方に提供しましたが、常に地域の患者さんや家族の方を守る姿勢のなかでワクチン注射を啓蒙しています。早くから告知する、インフルエンザに対するセミナーを院内で開催する、そしてチラシを院内で配る、等々地域住民を思えばこその計画的な対応をされています。

自ら健康クラブを主宰し、既に1000人近い住民が会員となり、会員が自らの健康管理のための場として当クリニックを利用し始めています。有床の病院は16床ではありますが、ほとんど他病院への搬送前の急性期の患者さんで満床ですし、電車を乗り継がなければ来院できない地域からも、親戚や友人の口コミで患者さんが来院します。

地域連携は奇をてらうものではなく、自然に患者さんの中に浸透し、そして患者さんやご家族の方に役に立つものとなる必要があると思います。

N先生は例えばインフルエンザであれば、なぜ必要で、どのようにすれば予防できるのかについて、明確な説明を行いながら患者さんを地域で抱え、かかりつけ医となり、かつ、診断を下したのちの病病連携を強化しています。

最終的には終末医療をも視野に入れたクリニックの立場における急性期からターミナルまでの一気通貫の医療をしていきたいと考えているN先生の行なっている医療行為やクリニック運営がまさに本来の地域連携であり、ここにこそ、本来のクリニックの地域連携活動があると考えるものです。

本年だけではなく、20年や22年の改正もあり、そののち病院や診療所の構造が大きく変化するといわれていますが、今後あるべき地域連携を病院側から、そして診療所側から、さらに住民側から十分にウォッチしていきたいと思いました。