よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リスクマネジメントの体系的変革(2)患者さんの意識行動変革とともに

おっしゃるように患者さんの積極的な関与が必要です。
ながく病院に訪問し、毎日こんな仕事をしていると、やっぱり皆人間です。
悩み、悲しみ、喜び、はしゃぎ、でもプロとして一生懸命仕事をしているすばらしい人々が病院
には数多くいます。結構パフォーマンスしかしない人もいますが、パレート法則を考えると
どの組織も2割の人が80%の仕事をして、残り80のうち60%があとに続き…。
何れにしもて、人間はミスを犯します。
だから、日々プロでいるかぎり努力を続けると思います。

であれば、患者さんも率先して自分が治す。治療はしてもらうけれども、治療には自己決定権が
ある。自分で勉強して判断して医師と相談をしながら悔いのない治療を受ける…。確かに理想
ではあるけれども、そして人によって濃淡はあるけれども、そうした姿勢は必要ではないのか。

自分が入院したクリニックで、看護師さんに事故の勉強していますか?と聞いたら、いいえ。
看護学校で勉強しただけです。といわれました。そのとき思いました。これは自分は自分で守る
必要がある…。ただ、リスクマネジメント委員会でインシデントレポートやアクシデントレポート
の分析や対策を立てるコンサルティングをしている自分と、何も事情を知らない、信じきっている
患者さんは一緒にできません。しかし、こうしたことを誰かが患者さんに伝えていく。
入院指導のときに、説明するといったことが必要ではないのでしょうか。たぶん進んだ病院では
そうしたアセスメントをしていると思います。

お名前はご自身でおっしゃってください。点滴のときには、これは何の処置ですか?確認をして下さい。お薬は注意して指導通りに飲んでください。お預かりする
お薬との禁忌があった場合には…。といった具合です。

今回の件も記事を書かれている先生がお話されているように、ご自身でどうでしたあの検査は。
という聞き方があればなぁと思います。また、必要があれば、すみませんセカンドオピニオンを受けたい
ので、フィルムをお貸しいただけませんか?

いろいろな問題が山積していますが、とにかく治してくれ、すべて病院の責任だ、というのも困りますし、何もいわないで処置を失念する、余計なことをいって手術を受けさせる、といったことがないように、医療側と患者側双方で考えていく必要がありそうです。
最終的には、自分が病気を治すという気概をもって、医師に依頼する、看護師にお願いする、といったことが必要である、と自分は思っています。