よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リスクマネジメントチェックリスト(2)

続きを説明します。

31巡視活動は静態的なチェックですか
32巡視活動は動態的なチェックですか
33フォームや記載方法を統一したマニュアルはありますか
34業務と業務のつなぎめでの事故発生を考慮したマニュアルになっていますか
35対策はマニュアルに直ちに反映されますか
36マニュアルはウェブ上で閲覧できるようになっていますか
37ある事故に対する対策を行ったのち、その事故が逓減していることを確認していますか
38マニュアルには権限行使の状態が記載されていますか
39権限規程がありますか
40職務分掌規程がありますか
41マニュアルは改善提案制度によって少なくとも3ヶ月に一回は改訂されていますか
42マニュアルを利用した職場内教育が行われていますか
43全職種について職務基準がありますか
44職務基準から個人の技術技能の課題が明らかにていますか
45個人の課題は個人別カルテに記載されていますか
46個人の技術技能は評価に反映されていますか
47職場内教育にて設定された課題が集合教育の対象となっていますか
48集合教育は職場内教育の結果として必要と思われる個人が参加していますか
49自己啓発は職場内教育や集合教育の成果を受けてテーマが決定されていますか
50説明義務違反についての対策がとられていますか
51看護観察義務違反の対策がとられていますか
52注意義務違反の対策がとられていますか
53クリティカルパスの作成率はどの程度ですか
54アウトカムは定量化していますか
55バリアンスコードは設定していますか
56バリアンスノートはつけていますか
57バリアンスを改善するための活動は行っていますか
58マニュアルとパスはリンクしていますか
59パスのアセスメント資料として疾患別関連図を作成していますか
60標準化された看護診断ツールがありますか
61看護計画が立案し易い仕組みがありますか
62看護記録はSOAPで作成されていますか
63看護過程は毎月評価され課題が発見されていますか
64課題については個人別に教育されていますか

ケースマネジメントのツールとしてのマニュアルやプロトコール、パス、アルゴリズムガイドライン等々が高機能に利用されるよう病院は日々努力をする必要がありますが、リスクマネジメントも実はある部分業務改革を誘導するものであり、ケースマネジメントのツールとなりえます。
この部分について意識をもって対応する病院とそうではない病院では、医療の質に大きく差がついてしまうことも事実です。

現場でミーティングをしているととても虚しさを感じる、ためにするリスクマネジメントに出会うことがあります。突っ込みが足りない、成果をあげづらい、おざなりのリスクマネジメントは時間を有効に使えていない、ということを医療従事者は理解する必要があります。
大きな業務改革の方向性をもって、個々のツールの利用についての考え方を整理していくことが適当です。