よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

静寂と躍動

今回のツアーは函館⇒瞬間札幌⇒釧路⇒根室⇒釧路⇒帯広⇒そしてさっき札幌という感じです。
毎日病院にお伺いして、さまざまな方とお話していて、気がつくことがあります。本当に心底なんとかしたいという気持をもたれている方と、いや大変ですよ(俺は関係ないかな)という方です。90%が前者ですが、そうではない方が10%いらっしゃいます。

とても悲しいし残念です。結局、到達点を上位に設定すれば、すごく業績が良い病院であっても、やらなければならないことはたくさんあるし、事実業績が悪化している病院であればもちろんなおさら、皆で頑張らなければならない事項はたくさんあるはずです。

したがって、どちらにしても課題を見据え、5W2Hで対応していくことが絶対必要です。そのなかで優先順位をどのようにつけるのか、そして何を大事にしていくのかについて考えることは必要にしても、意思や思いがあれば、必ず良い方向に進むことができると考えています。

確かに環境は激変し、またこれから数年間は淘汰の嵐が吹きまくる業界ではありますが、ここで医師職員一人ひとりの活動をより良いものとしていくことができれば、必ず患者さんから評価され、そして患者さんご家族から評価され、医療機関としてプライドのもてる結果を生むことができると確信します。手法はあとからついてきます。覚悟と決意をもつ。

事務方に必要なもの、そして看護職、コメディカルの方々に必要なもの、それは常によい医療をしたいという思いをより強くもち、それを達成することをライフワークとすることができる人が病院を変えることができる、よい医療をつくりあげることができる、と考えています。

根室オホーツク海は、どこまでいっても真っ白で、とてもきれいでした。夕日が沈む海の向こうに北方四島が影をみせるなか、医師確保にやっきになりながらも、けっして医療をすべて医師のせいにするのではなく、医療を真剣に考え、スタッフに働き易い環境を提供するために、常に革新をしていこうという意志をもった市幹部の方がいらっしゃることに感動しました。

必ず地域の人に喜んでいただける病院をつくろうというスタッフの方々の支援を行うことで、新しい革命の波をつくりあげることを決意して根室を後にしました。夕日のなかで、キラキラしながらかもめが舞う根室は、次に訪れる躍動の時間を静かにまっているようでした。