よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リスクマネジメントの体系的変革(4)減らないんです

リスクマネジメントで、いつも気になることがあります。平均的にベットの倍はインシデントとアクシデントがあるといわれていますから(何の根拠もないんですが)、200床であれば400、100床であれば200、600床であれば1200、という数字になります。

事故件数が減りません。減らない理由は次のものです。
1.人が辞めて変わるため経験が抑止につながらない

2.分析方法が、いまだに確立していない

3.すべての対策が立案され、教育されているわけではなく、同じ事故が何度も起こる

4.紙媒体のことが多く、事故のデータベースができていないため、同じ事故が何度も起こる

5.ヒューマンエラーのうち、マネジメントによって抑えることができる組織的な課題と、純粋に個人の
 メンタリティーに依存するものがあり後者は当然に院内改革だけでは解決できない

6.そもそも事故の対策が完全ではなく、概念的であるため徹底できない

7.インシデント、アクシデントを起こしたものは評価が下がるわけではない(傾向的にそうした者はス  キルが低い、意欲が低いということが多いと言う意味で評価が下がる)

結局は、事故のグラフを種別に作成しても、昨年比較しても傾向が変わりません、数は減っていません、といった感じで事故が語られます。

どうしたらこうした障害を排除していくことができるのかについて議論しなければなりません。