よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

業務改革について

 先日、業務改革のテーマについて、コメディカルの方数人とミーティングしました。そのなかででてきたことは、業務改革は自部署だけではできない、ということでした。例えば薬剤師さんが持参薬の管理を行なうため、病棟に患者さんが入院するたびに呼ばれると、外来業務ができない。しかし、それは服薬指導をも含めた薬剤師さんの仕事。医師に禁忌の問い合わせや治療においての障害の有無を聞くにも医師が都合が悪ければ聴けず、また別の時間をとってということになります。ここでは病棟と薬局、医局の3部署の関係によって業務が円滑に進まないことがある、ということがわかります。

 物事はこのように、自部署だけで例えば薬局であれば業務フローを見直すといった部分での対応ならばOKですが、そうでなければなかなか解決が困難だということになります。病院の経営資源とりわけ人の時間は限られていますので、どう有効に利用するのかといった問題が常についてまわります。部署の重要課題が組織の重要テーマではないケースもあり、病院全体として経営資源の最適化を図るための組織全体を俯瞰した対応が必要となります。

 課題は、
 ①自部署で解決できる課題
 ②部署間で調整しなければならない課題
 ③病院が制度を変えるなど組織的決定がなければ解決できない課題
といったものがあることが判ります。
 一つひとつの課題がどれに該当するのかを十分に見極めたうえで個々の課題解決に取り組む必要があります。