よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リスクマネジメントの問題点(7)対策立案ができないんです

前回説明しましたが、いろいろな病院の安全レポートをみていると気がつくことがあります。対策がショートカット。

1.(原因)集中できていなかった(対策)集中する
2.(原因)マニュアルをみていなかった(対策)マニュアルをみるようにする
3.(原因)独りで歩行したため(対策)歩行介助する
4.(原因)ダブルチェックできていなかった(対策)ダブルチェックするようにする
5.(原因)本人が理解していなかった(対策)入院時指導を徹底する
などなどたくさんの事例があります。

1.は予薬ミス、患者取り違い(対策)ネームバンドの採用、できない場合にはネームプレートの声だし確認、補完的に→図をベッドサイドの物入の上に貼る

2.は術前に入れ歯の有無を確認しなかった(対策)術前チェックシートを必ず利用

3.片足に麻痺、リハ中ナースセンター通過後転等(本人は完治と認識)(対策)本人説明、情報共有、
 発見し次第対応、廊下障害物排除ルール及び内部監査の実施

4.指示薬の指示変更(対策)いったん薬局に戻し分包し直す、袋への記名、トレイから独りづつ袋毎の対応、または氏名シールの貼付

5.夜間トイレ時転倒(対策)事前のトイレ、都度本人説明、睡眠導入剤を投与したのちは巡回頻度アップ…。

医療事故対策の標準化及びトレーニングの徹底が必要、となります。なぜ、どうして、どうしたら、とかさまざまな角度からチェックを行なわなければなりません。

「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」