先日、とある病院で説明した地域連携のあり方です。ちょっとだけさわりを説明します。
病院環境が激変しています。医療費の抑制のための医療制度改革が、さらに厳しいものとなることが決まっています。発表されたものだけではなく、次に控えているものをも含め、病院が勝ち残るためには、病院自体も変化していかなければなりません。
地域に認知されるとともに、医療の質を向上させ、広く地域住民に支持される病院が地域で継続的に残り発展することができます。
どのようにしたら地域に認知されるのか、またどのようにすれば医療の質を向上させることができるのか、そして結果として地域住民から尊敬され支持される病院となるのかについて十分に議論し、検討することが必要です。
そこにおいて地域連携の果たす役割には大きなものがあります。地域連携は単なる患者さんのやりとりの問題ではなく病院の基本的な戦略であるという理解が必要です。
本当の意味での地域連携を行うためには、自院が期待される機能をもち、どこからも患者さんが集まる状態をつくりあげるとともに、紹介側からみて信頼できる、そして安心できる病院となることが必要であるからです。
地域連携はしたがって地域連携プロジェクトや地域連携室スタッフが動くことで成果をあげていこうとする部分的解決だけでは、どうしても限界がでてきます。
地域連携について病院全職員が明確な理解を行うとともに、各部門や職員一人ひとりが自らの役割を認識したうえで、地域連携は自分達が行うんだという姿勢をもつ必要があります。また、具体的な数値目標を設定し、誰が(誰のために)何をいつまでにどのように達成していくのかを明確に計画し、実行していくことが適当です。
病院幹部や全職員は、地域連携は部分的な戦術の問題ではなく、病院維持拡大のための重要な基本戦略の一つであることを理解するとともに、『地域連携を通じて、あらゆる課題を解決していくんだ』という覚悟と決意をしなければなりません。
いまこそ病院改革のための大きなながれをつくりだしていくことが必要です。
「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」