よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

地域連携の本質的お話(1)

 おさらいが済んだので、本格的な話に入りましょう。

 地域連携を行なうということは、自院の戦略を明らかにすることである。ブランドな病院となることです。また、患者さんから選択してもらえる病院になることです。そのためには地域連携活動を重視するのではなく、病院全体のブランドづくりをまず重視しなければなりません。

 業務改革が必要です。明確な戦略を医師別に確立。診療科別に提示。そのために何をしなければならないのかを病院全体が議論する。まずこれが必要です。

 理念や思想に裏付けられた明確なビジョンと戦略の創造が行なわれない限り、患者さんに選択される病院経営のスタートをきることができません。マネジメントサイドは医療については徹底的な議論を行なう必要があります。

 その場合、同じ標榜科目においてどのような医療を行うことが先端なのか、あるいは特徴を出せるのかということについては、マネジメントサイドで情報をもっていなければなりません。常によい病院には見学にいく、学会から情報を収集する。親しい病院のマネジメントと議論するといった取り組みが行なわれる必要があります。
 
 実際のところ、どの領域を採用し、どのレベルで病院運営を行なっていくのかについて標準や医療権を一緒にする近隣の病院の政策や考え方、戦略を理解しておくことも必要です。概念的なものではなく、また風聞ではなく、噂でもなく、日本全国ですぐれた病院の実際の戦略や近隣病院の情報収集を怠ることはできません。

 一方で、組織の質をあげる、スタッフの効率を高める必要があります。医師が成果をあげやすい環境づくりをどのように行なっていくのか、どちらかというと場面によって医師を逆にリードする、あるいは
間違った方向から引き戻してくれるレベルをもった職員を多くもっている病院は、とても強いと考えます。医師の側も、スタッフを教育し、訓練することで、医師の思うような医療ができる状況をつくりあげることも必要です。

 病院全体として戦略を徹底的に実行するための取り組みを行なう必要があります。目標管理制度や都度の戦略実施に向けた組織づくりが必要です。

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