原価計算のうち、部門別損益計算が病棟や部門の課題を発見するために利用されています。たとえばある病院はSPDを利用していながら院内在庫があります。
それは、看護師が注射針3本必要であっても、8本をとってしまう。そして5本をストックする、さらには1本ロスするといったことが起こっているからです。
もちろん、4本返品ということもありますが、結局は8本購入、4本在庫となるわけです。また、緊急時にあわただしく動き、ある病棟でやっぱり日常の定数では数が足りないという薬剤がでてきたときに、在庫を多く持つことが許容される。しかし、緊急時はそれほど生じない。
また、カテを封を開けて使う、しかしロスル。払い出しと請求のマッチングについて検証していないとこの無駄もわからない。もちろん、与薬忘れを気づき、インシデントレポートを書き、なぜ与薬を忘れたのかについて検証、その結果について検討、対策立案等々の時間が発生する。それらは残業を生むかもしれない。
他の業務に影響し残業を誘発もする。こうした事実はすべて材料費、経費、労務費として計算されることになります。
どのように把握するのか。結局は部門別損益計算を行わなければその影響はわかりません。部門別損益計算が必要です。
これは、必須です。部門別損益計算をただ実施すればよいわけではありません。明確な目的をもって、かつ視点をもって課題を発見する、そうした利用にはノウハウが必要です。
ただ、結局は現場に解決の糸口があることは明らかです。現場にでる。そしてKPIを含めた管理会計を縦横無尽に利用する。業務改革が進展します。成果があがります。管理会計の必要な理由、原価計算の必要な理由がここにあります。
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