よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

開業支援ということ

 昨日、夜弊社のHPをリニューアルするため、業者の方と会社で夜までミーティングしていました。

 サーフィンをしながらたまたま、開業支援をする会社のHPをみて、なるほど介護事業までをも含み、こうした提案を行いながら仕事をつくっていくんだな、ということや、その会社がセミナーを中心に集客し、そこでドクターに開業の方法を教えること、そして不動産の斡旋からはじまり設備の投入、そして事業展開を支援するという事業を行っていることがよく理解できました。

 私たちはそうした仕事の全体像を知っているし、経営がなんであるのかについて、またリスクがどのようなものであるのかについて理解しています。さまざまな一般の組織において、さまざまなプランやテーマでのコンサルティングや私の加盟している監査法人で公開準備をしていることなどから、企業や組織、財務や経営のあり方を指導させていただく立場にあるからです。

 しかし、医療という側面や介護という視座からものごとをみると、医療や介護がどうあるべきなのかという視点をもたない、枠組みだけでの指導では問題がのこるという気がします。

実際に地域医療のなかで医師や看護師、そしてケアマネやヘルパーがどのような問題にぶちあたり、患者や利用者のために活動しているのか、という視点があってはじめて地域で何をしなければならないのか、どのような医師が必要か、どうすればそうした医師が地域で活躍できる場をつくりあげることができるのか、という見方での開業支援をする必要があるのではないかと考えます。

 もっともハードは絶対に必要ですから、ハードはハード、ソフトはソフトという切りわけの仕方があるのかも知れません。私たちはどちらかというと急性期病院の地域連携室から診療所へアプローチすること、退院支援計画の立案、実施から社会資源や在宅の医師との関係を強化することを仕事としていますので立場が違うといえば違うのでしょう。

 ただ、開業を支援する側に、そうした全体を把握し、医療介護のこの部分を事業として成立させるという思想が必要ではないかと常々思っています。

失礼な言い方ですが、医療や介護のなかみをよく理解されていない方が、開業支援を大々的に行なっている例が多く、この段階での医師との議論や本当の支援ができれば、医師ももっと早く気がつく、あるいはそうした意識をもって地域医療の担い手となることができるのではないかと考えています。


「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」