3.まとめ
病院原価計算を行うことが目的ではなく、そこから何を抽出し、何を改革するのかが病院原価計算のポイントです。であるのであれば、病院全体のコストリダクション(原価低減)や管理会計全体のシステム構築が必要であり、これら体系的なアプローチがないとき、原価計算だけを行ってもうまく成果をあげることができません。
全職員がコスト意識をもち、一人ずつのベストプラクティスを確保できるシステムを導入することが求められています。
明確な戦略のもと、スタッフのモチベーションをどうあげるのか、どのような道具を使いマネジメントを行うのか、自院を中心とした地域完結型医療を介護事業への関与をも含めてどのように展開していくのか、といった総合的なマネジメントシステムを並行して整備しつつ病院原価計算を計画立案やモニタリングの道具として利用することが必要です。
DPCの時代は「病院改革の時代である」といわれるように質を維持、あるいは質を向上させながらさらに合理的な医療を行うといった、医療のあるべき姿へのルネッサンスである、と考えることが適当です。
「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」