よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院再生について(3)

 今、ある病院の再生をしています。オーナー理事長が好き勝手に病院を食い物にしてきました。家族の給与、交際費、交通費、家族の会社の賃借料等々、びっくりする横領とも言える行動でした。

 結局病院の財務内容はめちゃめちゃになり、追い討ちをかけるように点数が引き下げられ、半分の病棟は2011年に廃止。事前の対応をしなければならないけれどもそれを行うスタッフもいない、といった状況です。
 DDに入ったとき、弊社の会計士は、こんな病院みたことがないと呆れるほど財務は破綻していました。結局支援者が食いつなぐ資金を投入し、なんとか生きているといった状況でした。

 しかし、患者さんが100名以上入院しています。病院がなくなることだけは阻止しなければならない。というのが支援者や我々の思いです。

 病院は民事再生そして破産することになります。私たちは支援出来る体制を整え、病院全体を別法人に売却します。

 日本の心無い多くの不埒な病院経営者によって、こんな状況になった病院を他にも数多く知っています。それが投資であったり放漫経営であったり、そしてこのように意図的に食い物にする例もあるでしょう。

 私たちは断固としてこうした病院オーナーを糾弾します。そして安定した病院経営ができるよう環境づくりをしていきたい。そう決意しています。


「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」