よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

DPCセミナーin名古屋

 今日は、名古屋で日本DPC協議会のセミナーがありました。お盆の入りだからなのか、新幹線東京から名古屋まで「たちっぱ」で意識を失う寸前でしたが、セミナーがあまりにも充実していたので、東京駅に18時に戻ってきたときにはとてもさわやかな、そして強い決意で仕事をしようという意欲がふつふつと沸いてくる、そんな気持ちになることができました。

 原徳壽厚生労働省保険局医療課長は、朴訥としたなかにたくさんの思いを込めて話をしていただきました。そもそもこのようなセミナーでは、以外と本音を示してもらえないことが多いなか、厚生労働省の原課長は結構、琴線に触れる話をしていらっしゃいました。フムフム大筋では、従来のながれと変わらないと思いました。


 国際医療福祉大学高橋泰先生の話は、いつも変化があり、わかりやすく感心しました。山の写真を使って、霧のかかったところから雪山が見えるように、そしてその山を越える、あるいは緑の山に変える、といった説明はつかみOKで、その後の話をわかりやすくしていましたし、得意のPPTを駆使された説明は、内容を的確に伝えていました。

 高橋泰先生は、いくつかの考えを述べられたのち、このようなかたちで政策提言していきたいと結び、本当にいくつか不明のところの霧が晴れた感じがしました。
 ただ、22年に全適と考えていたDPCがそうでもないな、ということで平成26年を視野に入れていることがわかりました。出来高との併用や、特定機能病院は出来高に戻し、DPCはそれらを除く申請病院や準備病院にという考え、そして二階建て方式でのDPC適用について(急性期と地域一般病床はともにDPCだけれどもバージョンを2つつくる)といった仮説が説明されました。

 お弁当をはさんで行われたシンポジュウムでは、日本DPC協議会の理事である特別・特定医療法人董仙会恵寿総合病院院長神野正博先生は、DPCによりさまざまな改革を進められたことを説明され、また、今回のセミナーの準備をされたやはり理事である医療法人大雄会理事長伊藤伸一先生は、総合病院と単科病院のDPCへの対応についていくつかの意見を述べられました。

 さらに、甲状腺といえば表参道の伊藤病院ですが、院長の伊藤公一先生がDPC準備病院というよりも、出来高のなかで如何に改革を進め、在院日数の短縮と増患に邁進してこられたか、専門病院のDPC適用における課題について、ユーモアをもって説明されました。

 それぞれのお立場、病院の位置づけによりお聞きする話はお話はとても興味深く聞くことができました。その後、高橋先生は三先生とともに、いくつかのテーマでディスカスをしていただきましたが、そのなかにDPCに対する期待や思い、そして不安や心配、しかし、三病院とも病院のリーダー的な病院として新しいことに積極的に取り組んできた経緯から、最終的にはこれを利用してよりよい医療を進めていこうというお話をされました。

 190人弱の聴衆は、今回のお話のなかから、自身の立場を認識し、多くの示唆を得ることができたのだと思います。福岡で8月25日(土)、そして大阪で9月22日(土)にセミナーの開催が決定しますので、ぜひ興味のある方はいらしてください(私も関係者なので宣伝です。HPでお申し込みを)。事務局で実務をされた国際医療福祉大学の山本康弘先生、そして大雄会のスタッフの方々本当にご苦労様でした。機会があれば、セミナーの内容、DPCの動向についてもブログで説明してみたいと思います。

 なお、やっぱり帰りも立っていくのかな~と少しだけ心配でしたが、帰りは意外とすいていて座れました。やれやれ。