よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リスクマネジメントの体系的変革(10)基本中の基本は、自分で考え抜くこと…

私と看護部長だけが一生懸命にやっているんですが、職員がついてきてくれません。

ある院長のお話です。
国立病院(独立行政法人)から転任された看護部長さんは、あかるくて前向きの看護師さんです。

SHELL分析や4M4Eとか、根本原因分析法といったことの道具が欲しいという要請です。
でも以外とSHELL分析は原因がたくさんあり、どれが本当に重要な原因であるのかがわからなくなってしまうという意見が多い、というのはどこかでお話しました。

道具ではなく、なぜ事故がおこったんだろう…を直感的に考え、ブレーンストーミングをしてみると多数意見がでてきたものが以外と主要因だったりしますよね。そのとき頭にSHELLを考えておくことで足りると思います。

まずは、なぜだろう、どうして起こったんだろうということを個人の頭で考え、そしてそれをチームで検討し、一定の解答を導いてみることが必要ですよね。

ただし、根本原因分析法はフィッシュボーン図と同じだと思いますが、要因を仔細にあげ、魚の骨のように書き出して見ることによって、ほんとうの原因は何であるのかを特定しやすくなると思います。これはきっといいです。

何れにしても、まずは直感的にこれが問題である、次になぜそうなったのか、そうはこうである、というようにつめていくと優先順位をもって原因のツリーができてくると思います。

シートを用意して、そこに、「え~と、ソフトは…。ハードは…。環境は…、といったように進めていくのではなく、実際に、「なぜ事故は発生したんだろう、一番はこれが原因、次に…」というように検討するなかで、問題はソフトかな、ハードかなといったかたちで原因のさらに原因を特定していくほうがよいと思います。

レポートをあるめることではなく、対策を立案、これを現場に徹底し。次に事故の抑止をすることが目的にならないとと考えます。

ある病院で、分析の時間がなく、実はまだ180件のレポートが積み残されているんですとおっしゃった看護師さんがいらっしゃいましたが、まずは時間をかけずにグルーピング化する、あるいはいくつかのパターンを分析し対策を立案し徹底したのち、グルーピング化すると、類似の考え方での対策が浮かび上がってくることもあります。

でも、対策立案、そして対策実施、教育というながれをつくっていくのは、難しいですね。