よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

成果をあげるための具体的行動

 ある病院での会議での話しです。

 病院には、さまざまな問題が発生します。それらをどのように解決していくのかについて詳細なルールを決定し、対処していくことが必要です。

 例えばある病院では日常表現力のない医師が、患者に対するインフォームドコンセントにおいて話し方が問題だと患者から診察室で1時間大声で叱責される事件がある病院でありましたが、本来であれば、看護師から事務長への連絡、事務長が応接へ患者を案内、医師に代わって説明及び謝罪というながれで対応しなければならない事案でした。

 ルールもなく、臨機応変に現場の看護師が対応できなかったために、外来は1時間遅れ、医師も患者に強くでれず、外来患者も叱責の状態で待たされるといったことになった訳で、病院の管理体制が問われた事案です。

 医師に問題があれば修正する機会とし、また病院としては、このように常にどのような問題があったとしても瞬時に対応し、最善の状況にもっていける体制をつくりあげる必要があります。
 こうした案件がある毎に、原因を追究し、そしてあるべきかたちを議論しルールをつくる、あるいはルールを超えて動けるスタッフを育成するといった対応を行なわなければなりません。

 この事例でも理解できるように医師を守る、職員を守るという意味も含め、事務方が常に気を配り、このような体制を整備するための体制をつくりあげる必要があるのです。

 とりわけ医師や看護師がやる気をなくす原因を明確にしたうえで、個々の原因を排除すていくことが必要です。
 ①医師の経営参画
 ②科別課題の明確化
 ③戦略に基づく経営方針による診療科毎の目標値決定
 ④診療科医師同士の人間関係への介入及び問題解決
 ⑤インセンティブ制導入
 ⑥有効な仕事の仕組みづくりによる医師雑務の排除
 ⑦目標管理制度及び評価制度導入によるスタッフと医師の関係強化
 ⑧スタッフの教育による医師の徹底サポート
 
 などが医師や看護師の意識変革及び成果をあげるための具体的行動への誘導を行うための必須事項です。これらが実施できるよう、まずは…